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「海上へと飛び立ったガウが、突如...」、@KamikazeTubasa さんからのスレッド

海上へと飛び立ったガウが、突如として落下
そのまま海面へと墜落しました
『…引き千切れた跡だ……』
その原因とは何か?
事故原因は、コロニー出身者であるが故の物でした

メーデー
#宇宙世紀の事故と真相

…これは実話であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を元に構成しています

UC0079.8月
フィリピン カラミアン諸島に設営された、ジオン軍基地
その大型滑走路に、一機の大型航空機が離陸準備に入っていました

『状態は?』
『いつも通りですよ』

088 バンカーヒル
フィリピン方面軍において、各地への軍備輸送任務を受け持つ、ガウ攻撃空母です

『マニラからシブヤン島上空で進路変更、ダバオ……』

本機は、ダバオ基地への軍事物資輸送の任務を受けていました

『台風も近いですから、上空の風にも気をつけてください』
『わかってるって』

機長はエイブラハム・トローレク
一年戦争序盤より飛び続けている、優秀な機長です

『出発予定時刻は1300、物質見込みはOKです』

副操縦士はリック・カサンドラ
6月より赴任した、新任のパイロットです

『予定時刻まで、後15分』
『機内チェック』

本来であれば、さらに指揮官が搭乗するのが常です
しかし、今回は輸送任務である為、他にわずかな整備員が搭乗するのみでした

そんな離陸前点検の時でした

『…まただよ』

不意に、幾つかの計器からエラー警報が響きます

『地球に下りてからこんなのばっかりだ』
『警報、切ります』
『了解』

しかし、彼らはそれを意に介せず、警報装置を切りました

『ここの所多いな』
『整備も間に合ってないですしねぇ』

『こちら管制塔、離陸時間です』
『了解、離陸する』

そんな状態の中、彼らは時間通り離陸を始めます

『滑走開始』
『滑走速度上昇…V1』
『V1確認、ローテート』

ガウ攻撃空母の巨体が、滑走路を疾走し離陸して行きます

『こちら管制塔、離陸確認、進路変更を』
『了解、進路変更、右10度』
『右10度了解、このままバイ湖を抜けてタヤバス湾に抜ける』

彼らにとって、いつも通りの進路でした
しかし暫くすると

『…揺れるな』

機体が、ガタガタと揺れ始めました

『台風が近いですから、その影響でしょう』

しかし、彼らにとってその程度はいつもの事であり、特に気にする気配はありません

『まもなく、タヤバス湾です』
『ん、了解』

次第に、本機は海へと差し掛かります

『タヤバス湾、まもなく
進路上のミノフスキー粒子は全てクリア』
『了…』

その時です

『なっ…何だ!?』

突如として、機体は機首を大きく下げます

『機首上げ…機首上げ!』
『やってる!』

トローレク機長は、操縦桿を必死に引きます
しかし、ガウの機首は一向に上がりません

『高度さらに落ちます…1000!』
『上がれ…上がってくれ!』

『高度さらに落ちます!』
《PULL UP PULL UP》
『…駄目だッ!』

機長の操作に反し、機体は一向に上がりません
そのまま、088 バンカーヒルは海面に吸い込まれるように墜落しました

…これにより、搭乗員23名全員が死亡
ガウ攻撃空母 バンカーヒルは、海底へと没しました

この墜落事故に対し、ジオン軍内部は即座に運用を一時中断
同時に、ジオン公国は「運輸事故調査局」TAIBに事故調査を託します

『よろしく』
『こちらです』

事故調査班として赴いたのはアラン・ブイヤール
この手の航空機事故調査では、幾件もの成果を挙げている人材です

「航空事故では、まず真っ先に調べるべきは墜落した事故機です
その為、民間軍事共同で海底調査を進める予定でした」

しかし、海底調査は行えませんでした

当時、フィリピン近海で発生した台風が猛威を振るっていました
ブイヤールが到着した時点でその勢力は拡大し、近海は大荒れだったのです

『…海底調査は後回しだな』

こうして、事故調査は目撃証言による調査へと切り替えられました

この事故調査の際、事故のあったタヤバス湾付近の各施設、民間人への聞き取り調査
さらに管制塔員の話から、事故原因を調べていきます

その聞き取り調査では、驚くべき証言が手に入りました

『あぁ見たよ、空中で羽が折れて…そのまま墜落したんだ』
『羽が折れて落ちたのを見たの、間違いないわ』
『確か…羽が落ちていって、その後にあの機体も落ちていきましたね』

事故の目撃者の証言は、大部分が一致しました
その内容は一律して、羽が折れて墜落した、という物です

同様に、事故付近の監視カメラにて、その瞬間が写されていました

「折れた瞬間は映ってはいませんでしたが、羽が落ちていくのは確認できました
両翼端が落ちて、その後にガウが海面へと落ちたのです」

この翼端破損が、事故原因なのでしょうか?
調査員達は、ガウの構造的欠陥の可能性を疑います

『…多いな』

その情報から、即座にジオン公国からガウの設計書を取り寄せます
設計書から、主翼の破損原因を洗い出す為です

その中に、ブイヤールは気になる記載を発見します

『…分割設計方式だったのか』

ガウの設計方法は、幾つかに分けたパーツを作成し、最後に結合する方式でした

ガウ攻撃空母は非常に大型であり、従来の旅客機の大よそ3倍以上の大きさを持ちます
それ故に従来の格納庫では足りず、丸々一機を設計するという事は困難でした

一昔前のボーイング747の全高が19m
対してガウ攻撃空母の全高は72m
これはボーイング747の全長と、ほぼ同等の高さです

この為、ガウは大きく分けて4つに分割されて設計されていました

一つ目が胴体部分の格納庫とコクピット
二つ目が尾翼および機体後部
三つ目が主翼内側と翼内格納庫
そして最後が、主翼翼端部分の4つに分けられて設計されていました

事故調査班は、この主翼同士の接合部分に着目します

主翼を分割している以上、設計上の強度は大幅に落ちます
その為、この接合部分の強度不足から来る墜落の可能性を考えたのです

『頼むぞ』

即日、月のフォンブラウンにあるTAIB本部のラボにて、ほぼ同等の物をジオン公国から取り寄せ、設計書の接合部分の強度実験が行われました

『上方向へ圧力をかけ、次いで下方向へ同等の圧力をかけてくれ』
『…駄目です、変形破損無し』

しかし、その接合部品の強度は、驚くほど高いものでした

想定された強度値に対し、過度の圧力を与えた物の、一切の破損はありません
それ所か、おおよそ倍近い数値でも、変形、破損はありませんでした

「接合部が脆く、壊れやすかったとする可能性は、コレで否定されました」

こうして、設計からの欠陥ではなく機体固有の欠陥の線が濃厚となります

数日後、台風の影響は消え、海上は穏やかな物となります
それに伴い、墜落した機の調査が進められる事となりました

海底調査が進められる中、別の問題が発生します
それは台風の接近に伴う波浪により、墜落した一部が大きく流されてしまったのです

『ブラックボックスは発見しましたが…機体部品はもうしばらくは……』

運よく、ブラックボックス自体は回収できました
しかし、それ以外はまだ先になりそうです

事故調査班は、回収されたブラックボックスの調査を進めます
中に入っているフライトデータレコーダーや、コクピットボイスレコーダーを調べる為です

しかし、そのデータ解析で思わぬ不具合を発見します

『フライトデータの一部が検出されんぞ?』

なんと、一部のデータが破損していました

破損データは、主に機体制動に伴う物でした
その為、どのような操作をしたのか、正確なデータが取れません

ですが、コクピットボイスレコーダーの音声から、別の情報が見つかります
離陸前の警報です

何故、機長達はその警報を切ったのか、整備記録を含めて調査に乗り出します

しかし、そこで思わぬ調査結果が浮上します

整備員からの聞き取り調査を含め確認した所、機体の部品は一切交換されていません
それ所か、機体操縦に支障は無いと、大分放置されていました

『正しく整備していなかったのか?』
『いえ、正確には部品が足りず……』

ですが、思わぬ原因が発覚します

一年戦争当時、地球に降下したジオン軍は連邦軍を大幅に圧倒
戦線を大きく伸ばし、占領地域を多く確保していきました

しかし、それによって補給線の確保が難しくなり、部品の輸送が追いつかなくなっていました

元々、ジオン軍の総生産能力は、地球の大部分を占領下に置くには不足していたのです

さらに同時に、ガウ攻撃空母は非常に重宝され、多岐に渡り酷使されていました
それに伴い、地球各地に存在していたガウの部品の需要は高まり、全てに部品が行き届いていなかったのです

完全な整備がなされていなくとも、軍としては運用せざる終えません
その為、支障のない不具合は無視されていました

「整備記録では、そのエラーは電気的故障であり、機体制動に関する装置が正確に動作していなかったのです
これでは、データがブラックボックスに記録される訳がありません」

しかし同時に、その機体制動エラーが墜落の事故原因なのでしょうか?
事故調査班はその整備員の聞き取りを続けます

『機械制動が機能しなければ、飛ばせないんじゃないのか?』
『いえ…補助装置に金属鋼線での主導制動がありましたので…』

しかし、聞き取りの結果では事故原因とは考えられませんでした

機体制動は本来、電気的制動でしたが、補助的に実装されていた金属鋼線による動作で行われていた為です

手動制動とは、金属鋼線と油圧アクチュエターによる旧来からの制動システムの事を指します

これは動翼や補助翼と操縦桿が直接繋がっている為、電気的システムが停止しても問題なく操作が可能です
代わりに、被弾によって金属鋼線が切断されると、制動は物理的に不可能となります

対して電気的制動とは、所謂フライバイワイヤと呼ばれる電気信号による制動を指します

これにより、操縦桿は機械的補助を受け非常に軽い操作ができ、比較的簡単に操縦が可能になります
ですが電気的システムが停止してしまえば、その制動は全て失われてしまいます

ガウに搭載されていたのは、通常の電気的制動と、補助に手動制動を搭載したシステムになっています
そして、その内にある電気制御用の通信ケーブルが破損していたことが判りました

従来の短波通信式ではなく、完全な電気線であった為、その予備のケーブルが手に入らず、エラー警報を出していたのです

このケーブル方式は、一年戦争の勃発において一般的なものとなっていました
逆に短波通信式は戦争初期において、連邦軍内で幾つかの事故原因となっています

ミデア022 レイレルが、飛行中の電気伝達が損失し墜落
その原因は、ミノフスキー粒子による短波伝達の阻害であったとされます

連邦軍側は、この事故以降は完全短波式を廃し、旧来の方式を採用
対してジオン軍側は、ミノフスキー粒子による停止を危惧し、完全なケーブル接続と金属鋼線による二重の装置を、初期より実装していました

ガウも、この例に漏れず二重化がなされていた為、危険は無いと判断されていたのです

「電気的故障はあっても、手動制動は可能
こうなると、事故の原因である可能性は低いと判断できます」

これにより、コクピット内でのエラーは、事故原因とは無関係であると判断されました

『…次は機長達の経歴を調べてくれ』

調査は次の段階へと進みます

事故調査班は、機長であるエイブラハム・トローレクと、副操縦士のリック・カサンドラの経歴を調べます
墜落原因がヒューマンエラーの可能性もありえたからです

「翼端の脱落が原因かと思われました
しかしその破損の瞬間が、映像として残っていない以上は、別の可能性もあります」

進められた調査では、トローレク機長の経歴には問題は無いと判断されます
しかし、副操縦士のカサンドラは、少々疑念が残ります

『…操縦経歴4ヶ月、飛行時間も300時間程度じゃないか』

副操縦士のミスが原因なのでしょうか?
即座にジオン公国に彼の研修中の情報を求めます

『素行良し、勤勉で真面目、操縦ミスもごく少ない…
問題のない人材、だな』

しかし、帰って来た報告には、何の問題もありませんでした

「送られてきた彼の教官からの資料では、非常に優秀な人材である事が書かれていました」

事実、レコーダーでは終始真面目な対応が残っています

「確認できただけでも、常に機長の補助に徹した、真面目な物でした」

機長の妨害や、操縦を阻害するような事はしていません
こうなると、彼が原因である可能性は低くなります

『…また行き止まりだ』

では何が原因なのか?
再び、彼らはコクピットボイスレコーダーを調べていきます

―ガガ…ガタ…
―…揺れるな
―台風が近いですから、その影響でしょう

『…揺れが原因で、何かが起きたのか?』

原因となりそうな部分は、もはやココにしか残されていません
こうなると、実際に墜落した機体を調べるしかありません

調査は、さらに難航していきます

『ありました!タヤバス湾の南方に!』
『ようやく見つかったか』

事故調査から2週間
海底調査から、ついに墜落した機の大部分の発見の報が入ります
コレにより、事故原因が正しく判る筈です

事故調査班は、回収された事故機の調査を進めていきます

海底から上がったガウのその大部分は、その殆どが胴体でした。
それ以外では、ごく僅かな主翼部分の部品のみです

しかし、調査に進展が見られました

『…引き千切れた跡だ……』

ブイヤールはそれに目を止めます
それは、補助翼制動に使用されていた、引きちぎれた金属鋼線でした

金属鋼線は、その名の通り幾本もの金属線を合わせた、強固なワイヤーです

当然、ちょっとやそっとの衝撃では切れず、非常に強固に作られています
ガウのその巨体を動作する為にも、堅くなくてはなりません

では何故、そのワイヤーが引き千切れたのか?
事故原因の可能性を考え、調査を進めていきます

まず、その金属鋼線がどのような理由で千切れたのか?
その調査をするべく、冶金学者の手により、金属疲労による断絶の可能性を調査します

しかし

『強度的に問題は無さそうですね』
『…じゃあ、何で引き千切れたんだ?』

金属疲労の可能性は否定されました

「ワイヤーが力に負けて引き千切れる、というのはまずあり得ません
材質か、外的要因が無ければ、まず切れないように作られているからです」

こうなると、材質や構造に欠陥らしき物は発見されませんでした
調査は難航していきます

しかし、ブイヤールはある可能性にたどり着きました

「海に落ちて変化するにしても、長い時間が無ければそこまで変質しません
しかし、その引き千切れたワイヤーは僅かに変質していました」

海に落ちて変質した物と思いこんでいた彼は、もしやと調査を進めました
すると

『…錆が原因かもしれん』

ワイヤーの大部分が、細かに錆びている事が判明します

本来、海辺や熱帯地域ではワイヤーが錆びないように、チタンを混ぜた物を使用する場合が殆どでした
しかし、ガウに使用されていたワイヤーは、それら錆に対する加工所か、それら錆びない金属を混ぜる事すらしていませんでした

この錆による腐食が原因で、金属強度が落ちていたのです

ガウ088 バンカーヒルは、その錆び付いた鋼線のまま飛行
台風による強風によって幾らかの力が加わり、耐え切れずに断絶
風に対して昇降舵を下にした時点で断絶したが為に機首は落ち、そのまま海へと落下

『…落ちて当然だ』

ついに、事故の全貌が発覚しました

その後の調査で、ガウの設計に関わった者達が、全員が宇宙生まれであったが為に起きた事故と判明しました
地球環境を知らず整ったコロニーで生まれ育った者にとって、地球での錆や腐食の速さの違いを知らなかったのです

「彼らにとって、コロニーでの環境が全て、だったんでしょう」

ブイヤールはこの事故調査報告書に、地球環境での錆や腐食の速度の違いを知り、それらの対策をとる事を記しました
また、設計側の耐用数値を信じきり、正しい整備をしていない事への苦言も、記されていた

これに対してジオン側はそれらの対応をするも大分遅く、終戦までに全ての改修はできなかった

延びきった補給線と、さらに改修した整備部品の輸送と、同時に高需要なガウの部品であったが為に、その改修が大幅に遅れたという
また、MSにも同様な対策は殆どされず、幾らかの不具合が報告された

「ジオン側はそういった物に無頓着だったのです
戦後の残骸が数年で錆び付いているのがいい例ですよ」

連邦軍内部では、それらの対策は全面的に行っていた
対するジオン側は、遅れる形で対策をとっていった

戦後、ガウ攻撃空母が早急に姿を消したのは、それらが原因とも言われている

現在、地球各地に取り残されている一年戦争の残骸は、その大部分が錆ついて、かつての姿の面影は無い…

・・・

構成監督 ツバサ・カミカゼ
製作協力 地球連邦軍
     ジオン共和国 協同組合
製作 UC0095

UNIVERSAL GEOGRAPHIC CHANNEL

これは創作であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を想像で構成しています。
オフィシャルではございませぬぞ!

…続きはトップのRT数1000を越えたらとなります

そして書き終わってから気付く
翼端破損の原因書き忘れた!

…アレは急降下による主翼剛性が足りなくなって折れた物です
事故とは関係ない感じで、お願いします

サンドボックス系ゲーム・創作アカウントです
なおフォローはエロか趣味のみ
呟きは大体思った事垂れ流し注意
色んなゲームに手を出しますゾ
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  2. 神風 翼 (別名義:WIND)
  3. 2018/09/14 00:25:17 公開
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