「最強の騎士が実はモンスター相手...」、@flee_ad さんからのスレッド

最強の騎士が実はモンスター相手にすけべされるのが趣味のただの変態で、より強いモンスターにすけべされたいがばかりにどんどんダンジョン深部に潜った結果その強さを手に入れたみたいなの好き。頭の良くないギャグ色強めのエロコメディ。最強になりすぎて体持て余してるといいなぁ。

ストイックな変態だから真顔でモンスター相手に「…こいつなら…もっと……俺をきっと満足させて……あぁ、滾ってしまうな」と強敵を前にたぎる戦士の顔になる。側から見ると頼りになるように見えるけどこの男、ただすけべなだけである

お望みのﾒﾁｬﾂﾖオーガに倒され思う存分楽しんだ後放り投げられてそのオーガが連れてた仲間の青年君に手を伸ばしたのを見てパッと目を見開いて最後の力を振り絞り斬撃を放ちオーガを殺してからふらふらと倒れるのを見て青年君は「変態の癖にこの人は…そういう事するから…ぁあもう」ってなるんだよ

この最強の変態騎士さんには常識人の青年君を同行させるつもりでいるぞ。性癖なので。「最強の騎士に憧れて仲間にしてください！」とついて来たのに事実をしって「うわ………」ってドン引きしつつも強いのは確かなので傍に居続けているうちに騎士さんがめちゃくちゃ男前であることも知って複雑な青年君

「お、俺と一晩どうですか、なーんて」「俺は俺より弱い生き物に興味はないな」「うぐ」「俺を倒せるくらいに強くなって俺を組み伏せてみせろ。その方が興奮する。俺が」「変態だ…！」「変態じゃない。そういう趣味なだけだ」「変態ですよ！あー…俺なんでこんな人の事…」「？」「…何でもないです」

「というかよく死なないですね」「俺が最初に行ったのは基本防御ステータスの向上だ、体力の最大値限界突破、数多の防御スキル取得、あらゆる毒に対しての耐性の取得。あと１度は死んでもその場での蘇生ができる最高位騎士クラスのみの隠しスキルも取得した。これは最近だが」「変態なのに本気すぎる」

「俺は出来る限りこの世界のありとあらゆる強者と闘い、屈辱の敗北の末肉体を蹂躙され尽くしたい。だから死ぬわけにはいかない」「…そうですか。なんかかっこいい顔してるけど全然かっこよくないですからねソレ」「人に理解され難い趣味である事は承知だ。嫌なら俺から離れても…」「それは嫌です」

「お前は変わった男だな。俺のこれを見て幻滅したと唾を吐いた者もいたぞ」「それでも貴方が最強の騎士である事は変わりませんし。その趣味を肯定するわけじゃないですけど…俺は強い貴方に憧れています」「なるほどお前も蹂躙されたいのか…邪魔しただろうか」「いえ、それはどんどん助けて下さい」

「俺はモンスター相手にとか無理ですから」「人間相手がいいのか。選り好みしていては満足な快感は味わえないと思うぞ。人のモノなんてたかが知れて…あぁそうか、精神的なものか？人間であっても自身を敗北に追い詰めるだけの力がある人間のソレであれば興奮はできるかもしれな」「もう黙って下さい」

「ん？人相手にしたことあるんですか」「駆け出しの頃に山賊の集団にな」「えげつな」「山賊はレベルが低い烏合の衆だ。今となっては敗北する事などなくなってしまって中々に味わえない体験だ…どこかに強い山賊はいないものか」「恍惚としないでくださいよ………そっか…」「どうした？」「別に…」

「えっ普段自分でヌかないんですか」「いざという時の為に」「何が"いざ"なのか全くもってわからない…」「だが１月も俺を打ち負かす相手がいないと流石に禁欲の度が過ぎるので自身でたまにするが…非常にもの悲しい」「娼館とかあるでしょう？」「娼婦は多分俺より弱い」「マジモンの馬鹿だこの人」

「強い種族に孕まされてみたいと最近考えている」「怖い」「大丈夫だ、きちんと産み育てるつもりだ」「余計怖い…！」「理想としてはオーガあたりなんだが…残念ながら孕まなかった」「当然でしょう…」「俺を打ち負かした強いオーガのそれならいける気が毎回するんだ」「真顔で何いってるんですか！」

騎士さんがオーガ君と闘い剣でねじ伏せたあと「お前も強者ではなかったか」と見下してくるのに対し「ぐっ畜生…っ」ってなってるオーガ君に「…だが、お前の技、悪くはなかった。殺さずに生かしてやる。その屈辱を忘れるな。強くなれ…そしてあわよくば俺を犯しに来い」と全然かっこよくない宣言する話

オーガ君は「ぐぬぬ」している時点ですごく紋次狼的にはハチャメチャ抱かれる側で困るな……。あーーー困るなぁ。ぐぬぬ系は可愛いからな…困っちまうな…強くなって騎士さんに度々挑みにくるけどその度に負けるのも可愛いよな……あーーー困っちまう

「お前は確か18だったな」「はい、そうですね。今年で19歳」「ならばよし。お前が17であったなら同行は許さなかったからな」「…？何でですか」「お前の教育によろしくないからに決まっているだろう」「えっえー！？倫理観あるんですか！？」「あるに決まっているだろう」「嘘だーー！」「失礼な奴め」

最強騎士(変態)のデザインこんな感じでどうだろうか…

強敵(おのれを犯すにたる相手)にしか基本表情崩さないけど、ごくたまに同行の青年君や助けた相手に笑いかけることはあります。基本的には表情は真顔。若干の天然です。強敵相手に本気でやりあって負けた時に抱かれたいと感じる為、中々相手がいなくて持て余している。俺は強くなりすぎたという奴です

変態といっても静かなる変態なので、己を打ち負かした相手にしか体を許す気は無い。人質を取られて手篭めにされる時は己が気を配り損ねた落ち度であり知能的敗北とみなすので可。屈辱を感じないと燃えないし後ろが緩まない。自ら進んでダンジョンに潜っていったり強敵に頼もうする以外は天然だが常識人

「騎士さんの顔の傷って誰がつけたんですか？」「…オーガだ」「オーガ」「俺にとって初めてのオーガだ」「…負けたんですね」「あぁ。それは見事な敗北だったな。今の俺でも敵うかわからない」「えっそんなに強かったんですか」「一度殺されたからな。…っ……まずいな思い出すと堪らない」「…うゎ」

「今の俺はあの頃の俺よりも確実に強くなっているがあの頃であっても俺は強かった。敗北などもう数えるほどになっていたからな…あれ以来オーガを見ると子を孕みたくなる」「うわそいつのせいだったんですか」「叩きつけられる情欲は俺の肉体に対する気遣いなど一切なく獣が如し…最高の思い出だな」

ＡＶ冒頭インタビューを受ける最強騎士(モザイク版も一応)

素人騎士って何を基準に素人とするかわからないけどいいよね…素人なのに経験豊富(人間、オーク、オーガ、ゴブリン、スライム、触手、肉壁、精霊、ウルフマン、インセクト系)。地味にこのインタビューマンの心が強すぎる、一番気持ちよかった相手はオーガだそうです

最強騎士さんの初オーガさん体験の絵を描きました。これを描いている間にフォロさんが1000人超えていてとても羞恥プレイですありがとうございます。全然関係ないけどイチモツが出ているので18歳未満(高校生含む)は閲覧不可で願いますprivatter.net/i/3706465 @flee_adさんから

最強騎士さんは趣味に全力の為モンスターにされても死なないようにめちゃくちゃ丁寧に防御バフ盛ってるしパラメータも防御力に全振りに近いくらい向上させてる。一般人だと普通に死ぬ奴(すぐに蘇生させれば生き返ることのできる世界) 騎士職選んだのも職業として防御力がかなり高いからだったりする

お相手のオーガさんのデザイン(暫定)

首痕残ってるけど昔人に魔法で捕まりかけた時に抗って残った傷です。この時代のオーガは人による種族弱体化が推し進められていて殆どが人より少しでかいくらいのサイズ。"鬼"になってきている。本当に強いオーガしかもう単体で生息してない感じ。オーガの寿命はかなり長い為絶滅まではまだしていない

「…っふ…っふ…！」「あれ、騎士さん早朝から何してるんですか」「素振りだ」「へぇ素振り…って…えぇ？今更素振りとかするんですか？」「強くある為に鍛錬は欠かせないからな。健全なる精神は健全なる肉体に宿るというし」「けん…ぜん…」「なんだ」「いえ…」「なんだ、言ってみろ」「いいえ…」

チョロオーガ君は最強騎士さんの初恋オーガさんの甥っ子にしよう。強いおじさんに憧れてる甥っ子君。基本群れないけど甥っ子君が無理くり懐いてた時期があっても可愛い。今は叔父さんより強くなりてぇって思うから単独行動してる。ちなみに初恋オーガさんは性格がクソ野朗なので当時から面倒はみてない

「ずっと疑問だったんですけどモンスター達って生殖できないのわかってても人を犯しますよね。アレなんでなんでしょう」「敗北フェロモンだな」「なんて？」「敗北した人間から発せられるフェロモンだ。全ての人間が有しているわけではないらしいが敗北を当人が意識した時に肉体から溢れる」「怖い」

「フェロモンに反応するしないにも種族差個体差があるらしい」「騎士さん詳しいですね…」「お世話になってるから感謝している」「嫌な感謝だ…」「俺の敗北フェロモンはかなり強いらしいな。人相手にも効く」「そ、そうなんだ」「だが…しばらく人とはしていない」「なんとなく嫌な事聞いてしまった」

「騎士さんって一人旅長いんですか」「たまに雇われの護衛として路銀を稼ぐ以外は基本的にはな」「パーティ組まないんですか？」「己一人でなんとかなる。ならなくてもいい」「本音が聞こえた」「俺は必要以上に強者以外とは付き合わん」「…そ、それって…」「勘違いをするな。お前は弱い」「うぐっ」

「だが弱い者の中にある強さというものを俺は認めているつもりだ」「騎士さん…」「俺についてきた人間は今までもいた。だが、皆もたない。趣味のことだけではなく…俺は強者と出会う為死地へと出向く。満足な褒賞や名声が約束されるわけではない。俺は構わないが…他者はそうではないらしいな」「…」

「強さを求めるなら俺の後ろにつくだけでも成果にはなるだろう。だが人はそれに耐えられない。それ以外を期待する者が多い。その点お前は…初めてのケースだ。俺の知る限り一番続いている。強者を前に弱くとも逃げさないお前のそれは強さには違いない」「き、騎士さん…」「……喋りすぎたな。寝るぞ」

「つかぬ事を聞くが」「はい？」「お前はいつ性処理を？」「なんて事聞くんですか！男同士だからと言って明け透けすぎますよ！」「いや、あまり見かけぬものだから俺の知らない穴場を知っているのかと」「俺が魔物姦を嗜んでる前提やめません？…うーん…なんとなく言い出しにくいんですけど」「何だ」

「これです」「珍妙な筒だな」「まぁその…スライムの核を抜き取って危険性を奪ったものを硬い筒に入れてそういうことに使う道具です。街で売ってます」「魔物姦では？」「違います、もう素材化されてるので」「死体相手とは恐れ入ったな…」「違いますって！街の人みんな特殊性癖持ちになっちゃう！」

「核を抜かずに販売された粗悪品掴まされてスライムに孕まされた人はいたみたいですけど…街以外で買うのは信用ならないですよ」「…ほぅ？不意打ちか…なるほど」「ワクワクしないで下さい、ダメですよ！」「粗悪品のどれが核残しであるかは買う時点ではわからないだろう確率だ」「嫌なガチャだ！」

「核抜きの正規品なら良ければあげますよ。優しく扱えば5回は使えますし」「死体はちょっと…」「変なとこで倫理観出してくるの腹立つなぁ…素材です！」「ソイツだって生きてるうちにイチモツをブチこまれたほうが絶対悦ぶはずだ！俺がそいつならそう思う」「こっちに感情移入しちゃダメですって！」

ファンタジー世界のスライムは絶対気持ちいいと思うんだよな…

非正規品を買った冒険者はスライムに不意打ち襲われて腹に核埋め込まれてボテ腹になりつつ核が発光する一目見てわかる恥ずかしい格好にされたりする。孕ませられる期間は短めだけど相当恥ずかしい奴です。生まれたスライムは孕ませ元の遺伝子情報を少し含む。正規品は何度か使うとカチコチになる。

力自慢の戦士達が腕を競う正規の闘技場の真下に作られた地下闘技場。勝てば多大な褒賞金と身分問わず負かした相手を好きにできる特権を得られる。強い雄なら当然の本能として負かした相手を組み敷きステージ上で容赦なく犯すのが世の流行りであった

「というわけで今回は地下闘技場に行く」「嘘！？」

「こんな説明聞いてよっしゃ行こ！って普通なりませんよ！」「何をいう俺はこの通り猛者達との対決を前にすでに軽く達しそうだ」「街中でやめて下さい！騎士さんいくらなんでもそんな明らかにヤバそうな闘技場なんかに」「たまには人肌を感じたくて」「そんな切ない理由で！？」「俺も人の子だからな」

「とりあえず決勝まではサクッと進めるぞ」「決勝までいく前提だよこの人」「それまでに俺を鍛えた知略、戦略を持って敗北に叩き伏せられる相手がいればもちろん俺はこの身を差し出す覚悟だ」「まぁ、魔物よりは危険じゃないかもですけど…人肌恋しいなら俺が抱きしめてあげますよ？」「？」「傷つく」

「お前も参加するか、腕試ししたいだろう」「遠慮しときます正気ですか」「正気だったら強い者に犯されにわざわざダンジョンにはいかない」「本人からとんでもねぇ発言でたよ、自覚あったんですね」「まぁ周りが止めるからな。そして俺は止まらなかった。故に俺は強い」「事実なんだよな悔しいけど…」

このファンタジー世界の己の腕に覚えあり男は負かした相手を支配欲を満たす為だけに勝利の熱そのまま生存本能に揺さぶられるまま相手にぶつけ犯すものと定められている…敗北フェロモンは多分強い雄程普段抑え込んでるのがドバッと出るんだろうな。すけべ。

「…！」「どうしました？」「どうやら、アタリだな」「え？」「強い男の闘気を感じる」「急に少年漫画みたいなこと言わないでください調子狂うでしょ！そんなのわかるんですか？」「勿論だ。騎士のスキル、強敵検知によりある程度の強さを測れる。本来は危険回避スキルなんだがな」「でしょうね」

「…っ…これは、敗北を期してしまうかもしれないな。後のことは頼んだぞ」「頼まれても！嫌ですよ勝って下さいよ！」「無論勝つつもりでいる。闘いは全力、その果てにある真の敗北にしか俺の心は揺さぶられないからな」「またかっこいい顔してカッコよくないこと言ってる…」「…はぁ…っ熱い、な…」

最強騎士さんのタピオカチャレンジ

画質が悪すぎたのでアップです

ギャップ萌えという奴

〜前回のあらすじ〜
勝てば相手を思うままに出来るが負ければ逆も然り、な裏地下闘技場で最強騎士さんが強者の気配を感じ興奮を露わにしていた

「途中まで勝ち上がったがまだ出くわさんな。やはり決勝か」「軽く言いますけど30戦しててその余裕ですか…」「…前戯ではイケない」「前戯扱いなんだ…」

「本番に至れるかどうかはまだ見ぬ強者次第、だがなかなかよい予感だ」「……そうですか」「どうした、何を拗ねている」「…や、本当に誰相手でもいいんだなって」「？強者以外はお断りだが？」「自分を負かした強者なら誰でもいいんですよね？」「それはまぁそうだが。どうした？」「いいえ、何でも」

「…(いや、嫉妬とか！別に俺は騎士さんの何でもないし…本当、仲間とすら…言えるかも怪しい。魔物相手ならいくらでも見てきたけど…人間相手に…どんな顔するんだろうこの人…)」「…俺が人間で満足出来るか心配してくれているのか？」「いいえ全然。俺はどういう立場からの目線なんですかねそれは」

「もし俺に何かあってもお前は一人で旅を続けるといい。俺は最悪のパターン肉便器になってしまうやもしれないからな」「最悪のパターンが最悪すぎて簡単にわかりましたとは言い辛い」「なんだかドキドキしてきてしまったな…」「胸を高鳴らせる内容ではないですからねそれ…一応舞台袖にいますから俺」

決勝まで上り詰めた最強騎士さんと謎の強者

「わかる…わかるぞ…！お前は強い、俺を愉しませてくれるな…？」「…はは。ご冗談を。愉しめると思ってるなら認識が甘いね。君はただの役にすぎない。愉しむのは私の方さ」「成る程…そういうパターンの奴か！構わんぞ、強ければそれで」「元気だねぇ君」

「(攻撃がまるで通じない、なるほどこの男はかなりの強者だ…だがなんだこの…容易く掌で弄ばれているかのような…熱の無さは…)お前、本気ではないな？」「必要ないからね。本気を出してしまうと君も私もつまらないし長く嬲ってあげられないし？」「…焦らされるのは好きではないな…俺から行くぞ！」

「…僕の勝ちだねぇ？」「…ッ…ごほっかはっ…、…その…ようだな…」「負けたがっていた癖にそういう顔するんだ？」「…本気の熱い勝負の末に敗北を期すなら納得もいく。だがお前は始終本気ではなかった。それを引き出せなかった己の不甲斐なさに落ち込みもする。久々の感覚だがな」「ふーん…」

「負けは負けだ。俺を抱くなり犯すなり組み敷くなりするがいい」「全部一緒じゃない。それしても君喜んじゃうし…何より私自分が参加するのって趣味じゃないんだ」「…？どういう」「なのでこの会場にいる君が負かした全員に犯してもらうってのはどうだろう？」「…ッ…そ、れは」「いい顔になったね」

「待ってください…！」「ん？あぁ、舞台の端っこで騎士君がやられてるのを子犬みたいに見てた子ね」「…俺が全員に勝ったら、騎士さんの事見逃してくれませんか」「…おい、何を言ってる。お前じゃ」「騎士さんは黙ってて下さい！どうなんですか」「私はいいよぉ？出来るものなら。負けたら酷いけど」

「…勝負はコレでやります」「トランプ？」「ギャンブル勝負です、勝負の内容は別に限定しませんでしたので」「構わないけど運否天賦の勝負でこの人数に勝つ気でいるんだ。面白いね。負けたら君を騎士さんの前で犯させるけどいいかな？」「いい訳ないだろう！こいつは関係」「あります！あるんで…！」

「敗北者に犯されようがそれはそれで恐らく興奮するから構わんのだが」「俺が嫌なんです！これは俺の意地の話なんで責任も自分でとります。だから、信じてくれませんか」「…そこまで言うならお前の覚悟を信じよう…俺は自分が犯される趣味はあっても他人がそうされるのを見ている趣味はない…勝てよ」

「まさか本当に全員やるとは」「俺、運カンストなんですよ。最後は貴方だ」「私ともやる気なのかい？諦めた方がいい。せっかくのまぐれ、全部パーにしたいのかい？」「貴方を倒さないと意味がないので…それに」「？」「まぐれじゃないってわからせたいですしね」「…突然雄の顔だね。嫌いじゃないよ」

「(勿論運だけじゃない、俺はイカサマをしている。俺のサブ職業はギャンブラーと手品師。組み合わせると詐欺師スキルが使える。己の持った能力の全てを駆使する場であるなら文句は言わせない、俺に出来る最大でこの最悪を回避するしかない…騎士さんが他人に輪姦されるなんて俺が見たくないんだ…！)」

「…(俺だけが犯されるならば一向に構わなかったのだがこいつが巻き込まれてしまうとなると話は別だ。なぜわざわざ巻き込まれに来たんだ…はっもしやこいつも俺と同じように全力で闘いその上での敗北狙いか…？ならば全ての納得が行くな…！勝てよとは言ったが負けたその時は仲良くエロい目にあおう)」

「ハートのAだ。これで終わりかな？」「…！」「頑張ったけどダメだよ君。あんなにはっきりとまぐれじゃないなんて言って。イカサマしてますって宣言してるようなものだ。それに顔に出すぎだよね。分かり易すぎる。その伏せたカードも」「…ありがとうございます」「…？」「これは、ジョーカーです」

「…！そんなはず」「俺は強くないんです」「は？」「だから子ずるいですが貴方を誘導しました。イカサマをすると宣言されれば人は注意深くなる。特に俺の手元や魔法使用の有無なんかに気をとられる。逆に表情の機微なんかに目が行きにくくなったでしょう。お陰で大げさなブラフが通りやすくなった」

「貴方との勝負1度もイカサマはしていません。この地下闘技場試合中の不正の発覚は敗北とルールにもあります。貴方相手にそんなもの使えば一発でバレるリスクが高い。でも貴方は俺が全員に勝利した事で俺への疑念を深めたはずだ。よほど手練れたイカサマだから分かり難いものであるに違いないと」

「最後まで貴方はイカサマの警戒を解かなかった。なのに人としての俺を見下しているから俺が分かりやすく表情に出した嘘の情報をあっさりと信じてしまった。その結果がこのジョーカーです。ジョーカーが場に出れば勝ち。これはそういうルールのギャンブルです。俺の勝ちを認めて頂けますね」「成る程」

「…生きてれば面白いこともあるものだね。いいよ。君の勝ちだ。さて、何を望む？」「…騎士さんをこちらに」「勿論。敗者は勝者に従う決まりだ。他には？私を抱くかい？」「いりませんよ！俺は抱きたい相手は選ぶんで！」「ありゃ、フラれちゃったか。そっか。いいね君。愉しませてもらったよ」

「また君達二人に会うことがあると思う。その時はよろしくね」「もう二度と来なくていいです！」「君のその独占欲、正直萌えだよ！」「は？？モエ？？」「君は君の牙を大切にするといい。守れない時もあるかもしれないがこうして守れる事もある。それはとても面白いことだからね」「…貴方は一体…」

「奴は行ったのか」「はい…騎士さん俺勝ちましたよ！」「そうか…残念だったな」「アレェ！？」「お前にもまた機会は巡ってくるさ」「いやなんで負けたがってたみたいに言うんですか！さっきの見たでしょ！ギリギリの闘いでしたよ正直！」「勝ちに行ってたのか」「当たり前ですよ！あー…この人は！」

「出ますよこんなところ！立ち入り禁止！」「あぁ、あと少しだったのに」「何名残惜しくなってんですか！」「敗北した時点で身体が割と準備万端になってしまっていたからここでお預けされるとたまらんものがある」「真顔でどすけべだなもう！さっさと宿屋行きますよ！」「もう少し見学…」「ダメです！

「これはどういうことだ」「…見て分かりませんか、押し倒してますけど！」「…？何故」「男が相手を押し倒す目的ってそう多くはないと思いますが」「いや、だが何故お前が」「…俺、貴方に勝った相手を倒したので今日だけは騎士さんより強者、ですよね」「あぁ…なるほど…」「…抱かせて下さい」

「……」「…な、何か言って下さい」「や、その…ぁ…」「は？なんで赤面するんですか！？赤面とか出来たんですか！？」「待ってくれ、そういうのは…困る…」「俺の方が困りますよ！？こんな予想外の反応されて、そんな、可愛……」「…待ってくれ、俺はこういうのはわからない」「…(この人は…ッ)」

「待ってくれ」「待ちますけど…いつまで…？」「…心の、準備が出来るまでだ…」「今更過ぎないですか！？今まで散々見てきてるんですよ！」「それとこれとは別だろう…」「…べ、別なんです…？(わかんねぇ〜…でもすごいドキドキする…ホントなんだコレ)」「…やはり今度にしないか」「こ、今度…」

騎士さんの謎の待ってくれの為に待つことになってしまい、次の日の朝食を食べながら顔突き合わせてるけどあまりにも騎士さんが普段通りすぎて何も言えなくなる青年

「…ここのベーグル美味しいですね」「そうだな。香ばしい」

「騎士さん、もう三日経ちましたけど」「その、非常に恥ずかしい話なのだが俺はまだ誰かの所有物になった経験がない」「普通ないので安心して下さい」「あの鬼畜男の下に降るならまぁわかる。俺もそれ相応の行動がある。だがお前相手にとなると…変な気分なんだ。俺はこの感情の名前を知らない」「…」

「それって…意識してくれてるって事ですかね…？」「お前の下僕としての自覚が生まれているかか？」「違いますよ！というかいつ俺が貴方を下僕にしたいと言いましたか」「お前は俺のモンだ、犯してやるぜと…」「言い方ァ！」「…お前がそれを言うような男ではないと知っているから俺は困惑している」

「お前は、俺を…その、本当に…？料理の番をしているのが何よりも似合うお前が…」「な、なんですか最後のイメージ…俺も男ですし…ていうか本当にわからないんですか」「…分からない、こんな事は初めてだ…そうだな、試しに乱暴に押し倒してくれ」「嫌ですよ」「なに」「…わからないうちは嫌です」

「わかった時でいいしわかった時は嫌なら拒否もして下さい」「あぁ、でもいいのか？」「俺も軽率だったんで。貴方がそういうのに躊躇いない人だからつい勢い言ってしまったけれど、身体だけなんて虚しいですし」「…こ、心まで懐柔しないと気が済まないと…？」「…面白いんでそう思ってていいですよ」

最強騎士さんの中でセッは無理やりされるものなのでお伺いを立てられること自体が謎だし親戚の弟みたいに思ってた青年に突然それをされたのでかなり驚いてるし実はそれを言われて嫌な気はしていないのだけど、わからないもんはわからないので混乱だけが先に来る。ちなみにけっこうドキドキした模様

「ごはんにしましょうか」「助かる。お前の飯は美味い」「…俺が同行する前どんなごはん食べてました…？」「…なんか、干した奴とか」「なんか干した奴」「あと…乾燥させた奴…」「…碌なの食べてないのだけはよくわかりました。俺の飯スキルがお役立てれば幸いですよ」「ありがたい」「…」

優しくされるのに慣れていない最強騎士

めちゃくちゃ非処女かつハードプレイに慣れまくっているくせに優しく胸を揉まれるとドキドキして変な気持ちになってしまうし乱暴にしてくれと懇願してくる男を前に片想い拗らせた青年君は「なんだこの人！！？」とキレ困るハメになる…ほんとなんなんだこのどすけべ騎士

今までなら青年君を強者認定対象外にしてたからいくら胸揉まれようが「…？」って顔だった。それが意識した途端にすけべな顔し出すの青年君としても「ここまで！？」ってなるし騎士さん本人も動揺している。強者認定した相手以外だと石のように表情動かないので。闘技場での一件以来様子がおかしい

これは母乳差分(作ったの忘れてた)

ロゴを作りました。絵面が変態。

「むしろエロ同人みたいにされたい」「またそんな事を」「俺はくっ殺枠ではないのか…？いつも敵に言われるのだが」「敵に言われるんだ…」「なので殺している」「それだけ聞くとサイコパスを感じる」「俺もくっ殺せ…！と言いながらも懇願を聞き入れてもらえず肉体を思う様容赦なく貪り尽くされたい」

「俺がくっ殺枠になれないのは何故なのか」「…強すぎるからでは」「だが巷で陵辱されている女騎士も強いと有名だった」「…うーん…そういうのは、なんていうか騎士の誇りを盾にされるからでは。人質とか」「人質がいると普段は出せない力が出て最終的には勝利してしまうのだが」「誇り高いですね…」

「昔は罠にかかる事も多かったのだが最近はある程度パターンが読めてしまってな」「進研ゼミでやった所だ状態ですね…」「かかったとしても腕力で脱出可能だ」「トラップ無効…」「最近は催眠系も強者以外からだと受け付けない」「催眠無効…」「近頃毒も平気だ」「もはや人間なのか怪しくなってくる」

「騎士さんダンジョン潜るの好きですよね」「最深部に行けば行くほどチャンスがあるからな」「あえてなんのとかは聞きませんけど…食料難になりません？」「味を選ばなければ食料は手に入るからな。最悪魔物だ」「なんとなく予想してたけど魔物…」「火を通せば大抵はいける」「ますます人じゃないな」

「プリンスライムとかは食べるだろ」「アレはそういう魔物ですし…まぁ魔物食専門店もある位ですからね。調理によってはやはり美味しくなるんですかね？」「…焼くか干して食べる」「調理を放棄しすぎですよ」「…味は正直…食べられるゴム…の…ような」「それ絶対他の人は食べられない奴ですよ！」

「人として文化的な生活を営みましょうよ」「なら今からダンジョンに潜るか」「え？」「新しい遺跡が発見されたらしくてな。魔物を食べる事になった時はお前に任せる」「食料足らなくなる前提なんですか！ていうか俺魔物は調理した事ないですよ！」「お前の作る魔物料理が食べたい」「…仕方ないなぁ」

「お前の作る味噌汁が飲みたい」ばりのいい顔と声で言われたので「甘やかしてしまっている…！」と思いつつも無茶な提案に乗ってしまった青年。その日の夜こっそり宿屋を抜け出し魔物料理の本を買った「案外普通の料理と同じ感じでいけそうだな。味はどうだろう。騎士さん好みにできるといいんだけど」

「…キツい！」「難易度が高いな。休憩にするか。お前の体力ではこの辺りが限界だろう」「…騎士さんはまだ動けるんですか？」「そうだな」「だったら俺ももう少し…！」「無理はしなくていい。お前が力を発揮することになるのはこの先だ。温存しておけ」「力？」「ご馳走してくれるんだろう魔物料理」

「もしかして結構楽しみにしてました？」「お前の料理は美味いからな。俺が食べていたゴムがどれほど化けるのか興味がある」「期待に添えないかも知れないですよ」「それはそれでお前レベルでもゴムになるという結果を得られて諦めがつく」「本当はちょっと美味しく食べたかったんですね」「それは…」

「どうしました？」「お前が俺に教えたんだろう」「何をですか？」「旅の食事がこんなにも美味いものであると」「えっな、なんですかその言い方…」「近頃俺は不安に思っている。お前との美味い食事を知ってしまってはもう昔に戻れないのではないかと」「…料理教えますよ？」「…そういう事じゃない」

「…食事は俺にとって補給でしかなかった。娯楽としては敗北し組み敷かれるそれに劣る。だが他人と会話を交えながらのそれは…悪くはない、いや…手放し難くなる程にいいものだ」「…あの、それ"俺と食べるご飯が美味しい"って言ってます？」「その通りだが」「…自覚がないって怖いな」「…どうした」

「…仲間を作ればいいんじゃないでしょうか」「俺はお前がいいと言っているのにつれないな」「それ、わざとですか」「？何がだ」「コレだよ…まぁいいんですけどね。そうですか。へぇ…じゃ休憩しましょうか。まだ食料あるんで普通のご飯ですけど」「今日は何か楽しみだな」「…餌付けの気分だ」「？」

意図せず騎士さんの胃袋掴んでしまった青年君。でもこの人のそれは今までそれをする相手が居なくてたまたま自分がそれを教える相手になっただけだから変に期待はしちゃダメだ、と自制している。ちなみに騎士さんは今までも人と飯は食った事はあるので本当にお前がいいと言っているが当然伝わらない

感度三千倍になる薬盛られて感覚が研ぎ澄まされて最強の中の最強になってしまい犯されるどころか無双してしまった最強騎士さんの事を考えてしまった……「いいぞ！エロ同人みたいな展開だ！」のワクワクからの「……聞こえるぞ、お前の息遣い、心臓の音。右に踏み出した足が地面を踏みしめる音までな」

「この素晴らしい感覚のまま敗北したいのに敗北出来る気配がない」「今の状態の騎士さんに勝てる奴がいたら世界滅びますよ」「ん？お前、鼓動が早いな」「…そ、そりゃ騎士さんのやばい強さ見せつけられたらビビって心臓も煩くなりますって…(言えない…無双姿にときめいただなんて)」「そうか…」

〜前回のあらすじ〜
新しいダンジョンに挑戦！果たして青年君は騎士さん所望の魔物料理を美味しく作ることができるのか！

「騎士さんは好きな食べ物とかあるんでしょうか」「…肉料理がしいて言えば」「干したり焼いたりすればいいからですか？」「まぁな」「…故郷で料理教わらなかったんです？」

「親がいなかったものでな。必要最低限は村の人間に面倒を見てもらってはいたがそういった事を教えてくれと言う勇気が出ず…恥ずかしい話だ」「そ、そうですか」「もう少し成長すれば言えたのかもしれんが村はその前に魔物に討ち滅ぼされた。俺は騎士団に拾われ見習いになったんだ」「…騎士さん…」

「(参考に好きな食べ物聞くつもりが大変重たい過去話が始まってしまった)」「馴染めなくてひと月ほどで出て行ったんだがな」「それはまた何故」「騎士といっても人間だからな。思い描いていたものとかけ離れていて子供心にショックだったのかもしれない」「何があったか聞いても…？」「あぁ構わない」

「村で育ててもらったが同世代の子供はほぼおらず与えられた部屋では常に一人でいたし俺は人をよく理解していなかった。村の人たちは気の良い者しかいなかったからな。騎士団の集団生活での輪を乱す者への激しい制裁や、地位と名誉への執着、派閥争い、力を笠に地位のない人間を虐げる様、キリがない」

「俺は知っての通りの性格だ。子供だからと体罰こそ見逃されたが…まぁ、なんだ。身体でな」「ま、まさか騎士さん」「いや抱かれてはいないが口でな」「…酷い」「肉便器も時間の問題ではあったかもしれん。だがあの歪んだ空間では俺の嗜好もイマイチ無反応でな…方向性の違いから解散した」「バンド」

「俺は人に馴染めない。うまく立ち回る者達とその者達を顎で利用する傲慢な者、どちらにもなれそうになかった。趣味ですら異端な俺はもはや人より魔物に近いのかもしれんな」「そんな事ないですよ！俺が知ってる貴方は…確かに変態だけど…誇り高くて人を守る為に全部を張れるかっこいい騎士です…！」

「じゃなきゃこんなとこまでついていきません」「……そうか」「強い力に溺れて地に落とされる神だって世界にはいるんです。でも貴方はそうじゃない。弱くても見下さず手を伸ばしてくれる。貴方のそういう所が俺は」「…俺は？」「……尊敬します」「そうか。なにやら含みを感じるが」「気のせいです」

17歳くらいかな、騎士さんが騎士団所属してたのは。1ヶ月でも人間のどろどろをたくさん見て割と集団苦手になっていそうだ。最強騎士さんは本能に従う男だから人間関係のどろどろを浴びるとストレスで死んでしまいそうだ。ちなみに喉は使い慣れてたからされてたことに関してはそこまで気にしていない

「騎士さんって強いですよね」「バフを盛ってるからな」「そりゃそうなんですが常人が盛れるバフって限りあるんですよ。MPは精神力のようなものですし乱発すると気を失う危険性があります。バフ自体も潜在能力を限界まで飛躍させる代わり肉体への負荷が大きいし普通すぐに歩けないんですよ」「何だと」

「知らなかったんですか…」「通りで駆け出しの頃はよく筋肉痛に悩まされていたわけだ…若いからとばかり…最近こないから歳だとばかり感じていた」「筋肉痛で済むのもなんというかそうですか…って感じですけど…ともかく俺あんなに多重バフかけて効果切れても息切れ一つせず動くの初めて見ましたよ」

「そういえばお前はバフを使わないな」「…MPめちゃくちゃ低いし元の攻撃力が低いから焼け石に水なんですよね」「筋肉が足りないのでは」「筋肉かなぁ…まぁ確かに騎士さんみたいな身体つきは憧れますけどね」「手始めにこれから毎朝50㎞走って腹筋とスクワットを500セットやるか？」「死にます」

「…強くなりたいのであれば多少は努力もいるぞ？」「多少ってレベルじゃ…まぁ騎士さんの言いたい事はなんとなく。でも俺が欲しい強さって多分そうじゃないので」「なぞなぞは得意じゃないが今考えてるから待ってくれ」「別に今のなぞなぞじゃないです」「ナマケモノだ！」「何を導き出してんですか」

こんな変態な内容をアニメに出来る訳ないので当然嘘ですがこういうの作るとテンションあがりますね

「前から疑問に思っていたのだが…お前はLvの割にステータスが低くないか」「ですね、運はMaxなんですけど」「『転生したのに最弱だった俺が豪運とハッタリだけで異世界攻略してハーレムを築き上げるなんて』みたいな作品に出てくる主人公みたいだ」「俺をラノベ系に勝手に転生させないで下さい」

「ラノベみたいだっていうなら騎士さんのがラノベですからね」「くっころ騎士枠か？」「どっちかというと俺TUEEE系では。確実にお色気枠ではないですね」「…無双して読者にご都合展開と叩かれる上に陵辱もされないのか…辛いジャンルだ」「それは場合によりますし陵辱は普通されないですよ…」

「…月が綺麗ですね」「…」「どうしました？」「…っ」「なんですか？ダンジョン内で月が見えるのどうなってるんでしょうねって話を続けたかっただけですよ」「…それはとある国では愛してるを意味するのだと聞いた事が」「何故そんな知識を急に…というかいきなり意識されるとこっちもなんか…！」

「やはり、そういうことなのか？」「いや！別にその流れを意識した訳じゃないんですが！ほんと何急に顔赤くしてるんですか！さっきまで真顔で焼き魚齧ってたのに調子狂いますよ！」「…俺なりにあの時の答えをまだ考えている…だからその」「無理しなくていいですよ…騎士さんのペースで。俺待つので」

「騎士さんって剣お強いですよね」「ヒノキの棒でも俺は強いぞ」「すごい自信だ」「少し体験してみるか」「え？」「俺は素手でやる、剣でかかってこい」「えっ流石に」「強さとは武器に宿るものではない。それを扱う人間に宿るものだ」「急にかっこよくなるのやめてください心臓がもちません」「…？」

「ほ、本当にいいんですか」「安心しろ防御バフはかけた。当たらないだろうがな」「…そ、その言い方は…」「お前の本気をみせてみろ」「…っわかりました」

普通に攻撃は当たらないし完全に絞め技で負けた

「絞め技！？絞め技なんです！？」「格闘術は基本だぞ」「なんか騎士っぽくないですよ！」

「以前に剣を奪われた事があった」「そうなんですか？」「その時俺はようやくパーフェクトくっ殺展開になるのかと一瞬期待したのだがやはり抵抗しない事には始まらない」「勝ってしまったんですね」「剣ではなく俺が強すぎたんだ」「まぁ…そうでしょうね」「押さえつけるのを片手でひねってしまった」

しばらくダンジョン内を彷徨って休息地(魔を退ける天然石などが多くある為魔物が湧かず安全に休める)についた2人

「魔力の泉もあるな。MPを回復してから再度出発しよう」「ですね」「この階層までたどり着くのは中々疲れたろう。酒でも飲むか」「お酒」「普段あまり飲まないがちょっとした祝いにな」

「騎士さんもそういうの祝ったりするんですね…」「1人ではやらない。だが今回はお前がいるからな」「…はい、しましょう！お祝い！」「そのためにこれを買ったんだ」「(可愛い)…あ、でもソレ結構度数高いですね」「ほどほどにはしておこう」「そうですね」

※この世界では15歳から飲める

「だからよォ…オレ思うんだよな。世界ってほんっとキビシーってさァ」「…お、おぉ、そうだな」「な？オメーもそう思うだろォ？」「…絡み酒だったのか…お前」「絡み酒ェ？そんな冷てェ事言うなよ騎士チャン」「騎士チャン」「…オレ嬉しかったんだぜ誘ってくれてよ」「そうか」「なにせオレぁ……」

「………だからな」「よく聞こえなかったが今なんと」「それよりさァ！聞いてくんね！？オレ実はすげー男なんだよ」「そ、そうか…」「ア！？騎士チャン信じてねーな？マジっ………うっ吐きそ…」「落ち着け、大声を出すからだ。背中をさすってやる。吐いてもいいが喋るな」「………ぐー」「…寝たか」

「…ッすみませんでした！」「いや構わんが」「ほんとその全部忘れて下さい！」「実はすげー男なんだろう」「忘れて下さい！全然すげー男ではないんですホント…死にたい」「別の人格があるとかでは」「いいえ、その…昔恥ずかしながらヤンチャしてて」「パラリラ」「パラリラではないですけど…」

「…ホント、全然すごくないんですけど…昔は自信過剰で…弱い自分に気づいてなかったというか、オレ最強！みたいに思ってた時期がですね、はぁー恥ずかしい」「思春期特有のイキリのようものか」「まぁそんなモンです…お恥ずかしい所を」「騎士チャン」「やめて！」「アレはアレで面白かったがな」

「自信は前に進む力として必要な事だろう。恥じる必要はない。むしろ今のお前には足りないくらいに思うぞ」「…でも俺は本当に弱いので」「…まぁ弱さを知るのも強さへの一歩だ。弱さがわかれば相手の弱さにも気づく。お前はお前なりの一歩を歩めばいい」「まるで騎士のような事を」「騎士なんだが」

「お酒はもう飲みません。恥ずかしいので」「……」「たまに飲ませよとか思ってます？」「な、何故」「最近貴方の真顔にもなんとなく表情を感じるんですよ」「エスパーか」「違いますけど」「ふ…お前は確かにすげー男なのかもな」「……突然の笑顔に心臓止まりかけました」「俺は化け物かなにかか？」

…国が燃える音だ。またこの夢か。騎士さんに出会ってから見る事減ってたのに。街も人も文明も自然も何もかもが焦土になっていく。あぁまただ。"お前"はまたそうやって◾︎◾︎◾︎へと向かって行く。もうやめてくれ、やめておけば死なずに済んだかもしれない。ダメだまた死ぬぞ。頼むから止まってくれ

「…っ！(寝覚め最悪だ…まだ深夜だし…)」「起きたのか」「ほわぁっ！き、ききき騎士さん」「そこまで驚かなくても」「す、すみません…ちょっと嫌な夢を見てしまい過敏に」「嫌な夢？」「…国が崩壊する夢です…人が沢山死んで……だから」「…そうか辛かったな」「違うんです…俺が愚かだったから」

「俺は立ち止まれなかったんです。もっと周りに耳を傾けるべきだった…強いと思っていたから、自分を…だから…」「…守れなかった人間がいたのか？」「……貴方の前提は優しいですね。だから俺は貴方に…いえ、何でもないです。すみませんでした。取り乱してしまって」「そんな日もある。気にするな」

青年君が普段より憔悴した様子だからそれ以上聞かなかったけど実はめちゃくちゃ気になる騎士さん

「…(パラリラではないらしいが自分の事を最強と自称してイキりまくっていた…今のあいつからは想像もできんな…酒を飲んだ時のテンションならまぁ確かにという感じは受けられたが…気になって寝れん)」

「昨晩は色々とご迷惑をおかけしましたが今日は切り替えていきましょう！」「そうだな。そろそろ俺がお前を逃がすために魔物に捕らえられ辱めを受ける頃合いだ」「どんな頃合いですか。俺を逃がす為とかやめて下さいよ置いていきませんから」「計画が破綻した」「そんなずさんなの破綻して当然ですよ」

「冗談だ」「わかりにくい…」「お前が俺を置いて逃げないこと位わかっている。このダンジョンでお前を1人にするわけにはいかないしな」「騎士さん…」「俺が捕まった時は隠れて見ていてくれ」「もうあんなのはごめんですよ！大丈夫です！なんとか…助けるんで…」「期待はしないでおこう」「正直」

◾︎◾︎◾︎

「今日はここまでにしておこう」「やけに早めに切り上げますね」「残りは食事の確保に回したい」「食材の確保？」「食材が尽きたからな」「まだあと２日はもつ計算だったような」「昨日酔ったお前が全部食べた」「アレッ……そう……でしたね……！(思い出した)」「気にするな、俺は楽しみにしていた」

「俺の作った魔物ご飯が食べたいって話でしたね…何料理が食べたいですか？」「肉料理」「即答…じゃぁ獣系の魔物を…」「そうだなちょうどやってきた」「え？」「ミノタウロスだ」「ミノタウロスぅ！？かなりヤバい奴じゃないですか」「かなりいい牛肉だぞ」「牛肉扱い！？わからんでもないけど！」

「でもなんか形状がちょっとだけ人に近い魔物って食べるの抵抗感ありません？」「ない」「なさすぎる」「魔物と人は根本的に違うからな。アレは単体性でもない。あと俺は昨日夕飯を食べ損ねて腹がそれなりに…いや、かなり減っている」「俺のせいだった…！すみません本当！」「気にするな。来るぞ」

解説。魔物は「単体性」と「複体性」が存在する。複体性はスライム・ゴブリン等一般的に個性を持たないもの。無限湧きする。単体性は個性を持つ。魔王様やオーガのように知能が高く知識を蓄え単体行動する。倒せば個性や記憶を引き継いだ個体が複数体現れる事はない。複体→単体へ変化する魔物もいる。

単体性を獲得したスライムとかもいるんだろうなって思うとわくわくしますね(持って生まれた他者を害せよという破壊衝動を己の意志でコントロールするには己は何者であるか、アイデンティティの確立が必要になる為知能が高いと獲得しやすい。稀な経験をして己は同じ種族の誰とも違うのだと自覚する等)

中ボスクラスになると割と単体性が増える。知能が高い分強いし知能が発達するとＭＰの保有量が増える。詳しくはまだ未解明だが魔力は脳や心臓(または核となる場所)に多く溜まるので高位魔法も使ってくるようになる。ちなみに世界が一緒なので破壊衝動についてはヤンデレ勇者と魔王様の話と同じ設定です

「じゃぁ調理を始めるか」「アレ？戦闘は」「終わったぞ。そしてここにあらかじめさばいておいたミノタウロスの肉がある」「三分クッキング」「そしてこれを……お前に任せる。あとは待つだけだ」「まぁ…そうなんですけど…そうですか」「俺はお前が調理している間素振りをしておく」「なんだかなぁ」

「（本当に見た目が牛肉だ…毒性はないだろうけど念の為浄化・解毒作用のある料理にしたほうがいいかな。ダンジョンの奥地で魔物の肉食べて全滅なんて洒落にならないし…幸い必要な調味料と付け合せ用の野菜はほんの少し残ってるし…昨日俺がかじったのか歯型ついてるのは見なかったことにしよう…）」

「出来ました。味見は何度かしてるんですがお口に合うかどうか…」「ありがたい」「ど、どうでしょう」「……………」「長考…！」「……ぅまぃ」「よかった」「俺が食べていたものはゴムだったのに」「焼いただけなら多分そうですよね…魔物の肉を美味しく食べるのには下処理があって」「ｼﾀｼｮﾘ」

「この本に詳しく載っているのでよければお貸ししますよ」「ほう…きっと著者は強者なんだろうな」「多分…調理手順や調味料に関してはすごく丁寧に記載してあるんですが…魔物の捕え方の項目だけ死ぬまで殴れば死ぬみたいなしか書いてなくて」「ぜひ一度会ってみたいものだな」「そ、そうですか…？」

「………(まずい…完全に勃ってる…！いや何でだって思ったけどどう考えてもミノタウロスの肉…！あとで本見直したら精力剤の元に使われるって書いてあったし…騎士さん隣にいるしこれは治るまで時間を…あ、ダメだ全然治る気配がない。ひな壇の若手芸人ばりにたち上がって主張してくる奴だコレ！)」

「なぁ」「ひゃい！？」「最近していなかったせいかここに来て急に俺の大切な所がはち切れんばかりになってしまってな…こんな時にすまないがその」「騎士さんの普段の我慢のせいではないです」「何？」「言い出し辛いのですが…ミノタウロスかと」「ミノタウロス相手に発散？」「そういう話ではなく」

「肉の効果だったのか…ではお前も」「視線を下に向けないで下さい！まぁ…でもお互いそういう事です」「そうか」「良ければコレ(スライムオナホ)貸しますんで…あ、２つあるんで！俺は向こうで」「いや」「また死体がどうとかですか？気にしてる場合じゃ」「…よければ俺の口はどうだろうか」「ほぁ」

「なんて」「口を使うかと聞いた」「イヤイヤイヤイヤ！何言ってんですか！？何そのエロ同人騎士ムーブ！？びっくりした！やめて下さいそういう事言うの！」「ひな壇若手芸人ばりのツッコミだな…だが別にボケた訳ではないのだが」「だってそんなおかしいでしょ！？」「嫌か？」「嫌ではないけども！」

「でも…っえ？何ですかだってこの前」「この前迫ったのはお前の方だった気がしたが」「そうですけど…拒否したじゃないですか」「待っていてくれると言う話だったな。それは置いておいて口でするのに矛盾はないだろう」「ありますよ！？めちゃくちゃある！だいたい騎士さんは嫌じゃないんですか！？」

「嫌なら言わない」「真顔で」「俺の方は勝手にするから気にしなくていい」「あっぅ本当に？夢オチではなくて、ちょっと待って下さい順調にジッパー降ろさないで下さい」「もう一度聞くが…嫌か？」「…嫌じゃ……ないです」

めちゃくちゃ咥えられたし騎士さん自分で弄り始めたのでエロすぎて沢山出た

咥えながらまさか自分で触り始めると思わなかったので青年君直視出来なくて上向いて目を手で覆ってしまうけどそうすると息づかいと舌の音が耳に響いて余計にエロさが増し出そうになったので一回止めてもらおうと目を開けて見たら騎士さんの顔が発情顔だったので普通に暴発したしごっくんされて死んだ

「…死にたい」「賢者モードは誰にでもある」「別に賢者モードだからじゃないですよ！あんなにあっさり」「だがそのあと二度出しただろ。若さ溢れていいと思うが」「…飲まなくても良かったのに」「興奮したらつい」「それに騎士さんはいいんですか？」「俺も出したぞ」「…1回ですよね」「そうだな」

「咥えながらだとそれが限界だ」「なら俺も、口で…」「いや、いい」「即答！」「多分それでは出せんからな」「それって」「…見ていた通りだ。これ以上は言わせるな。俺に羞恥心がないと思っているのか？」「………」

騎士さんがガチで恥じらい始めたので腑に落ちねぇ…と思いながらも言えなかった

「(あいつはもう寝たか。…流石に一回では…治らんな…。俺はなぜあのような提案を…？人にしては割とサイズもあり申し分はなかったが、いや、そんな事はともかく…俺はもしかして願ってしまったのだろうか。あいつに……あわよくばと…？いかんな想像すると…余計に…)」

一人でなんとかした(出来た)

「騎士さん、身体平気ですか」「問題ない。昨日のミノタウロスの件だがあればソースに使用した陰嚢が問題だったようだ。肉だけならば昨日のような事はないだろう」「あ、昨日の本読んだんですね、すみません…」「下処理をしておいた。朝食にしよう」「はい…いつも通りですね」「？それはそうだろう」

「そうですか…」「一晩考えて思ったが昨日は俺が強引すぎたな。すまない。無性にその」「え？？」「いや、何でもない。食べたら探索ルートについて話し合おう」「はい……やっぱ少し気にしてます？」「いや」「何で目をそらすんですか」「…あまり苛めてくれるな」「…す、すみませんでした…」

騎士さんが舐めてくれるだけ　 privatter.net/i/3894824※18歳未満(高校生含む)は閲覧不可

補足。冒険者は休息を取る際には大抵魔物が近寄りたがらない石がある箇所を選びます。休息地ほど完全じゃないがそこで気配遮断とシールドの魔法を張れば一晩くらいは魔物には襲われない。より危険な地では見張りを立てたりする。騎士さんは気配感知があるのでやばいのに近寄られたらすぐ目がさめます

青年君に迫った時話しながら周囲に重ねがけでシールド魔法張ってたので結構などすけべでは？という感じ。騎士さんは行動が割と動物的なので無意識です。青年君が勃ってるのに気づいてから多分ずっとこれが欲しいな…となっていた。精神よりさきに肉体の方が素直に反応する。やはりどすけべでは

「珍しい鉱石多いですね」「…鑑定士のスキルか」「はい」「不思議に思っていたんだが」「ん？」「お前はやけにサブ職業幅が広いな…一体幾つのスキルを保有しているんだ？」「……まぁ、色々？」「(はぐらかしたな…言いたい事ではないのか。ならばこれ以上聞くまい)…そうか」「…聞かないんですね」

「…俺の事」「無理強いされる趣味はあってもする趣味はない。話したくなければそれでいい。俺にとっては目の前のお前が全てだ。信頼に足る男だと思っている」「ありがとうございます。貴方のそういう強さ、憧れます」「俺は今強かったのか」「相手を知らずに信頼できる事、それは俺にはできないので」

「用心深さも己を守る意味では大切だが」「そういう事ではなく…いや、いいです。先に進みましょう」「そうだな。そろそろ俺を愉しませてくれる強者が現れてもいい頃合いだ」「それ前も言ってましたよね」「俺は諦めん」「俺的には諦めて欲しいですけど…まぁ…いいか！」

青年は昨晩を思い出していた

初めて食べるものを与えると無表情の癖して喜んでるのがわかるのでついつい色々与えたくなる青年

今まで食に無頓着だったので食事は補給としか思っておらず味はそこまで気にしていなかった。今つまり食の悦びを覚えやがって…状態なのである。人と食べるご飯の美味しさに目覚めたのもあって最近はご飯の度嬉しそうなオーラが漏れる。ここまでわかりやすくされると青年もつい張り切り色々作ってしまう

たまに宿屋で「ここの料理美味しいですね」って青年が言ったら「お前が作ったものの方が俺は好みだ」と言ってきて胃袋を掴んでしまった…となる青年。調理中後ろでチラチラとしてくる時あるので「大好きなおかずを待ちきれない子供のようだ」となる時もある。調理スキルが違うのでチラチラするだけ

「…(幸せだ、と感じる度に恐怖が膨れる。胸にしっくり馴染むこれを最後に覚えたのはいつのそれだったか。俺はこれを知っている。また◾︎◾︎◾︎の笑い声が頭に響く。死に怯える俺はさぞやお前には滑稽だろう)……騎士さん！魔物デザート食べてみたくないですか」「かなり興味がある」「でしょう？」

「背中に結晶を蓄えている魔物が必要ですね。煮詰めると砂糖代わりになるらしいです」「なるほど。ここに捕らえた結晶タートルを用意した」「デジャブ」「砕くのは俺がやろう」「素手で砕くものでは普通ないのでは…レシピには…あっ素手で砕くって書いてある…アレ？俺がおかしいのかな…まぁいいか」

「結晶ゼリーです。着色料がないんで見た目に味気ないですけど。これは食べても発情は絶対にしません安心下さい」「…………そうか」「(わかりにくいけど照れてたな今)」「頂こう」「…どうでしょう」「毎日食べたい」「素直だ…ダンジョン内だと甘味不足しがちですし現地調達案外悪くないかもですね」

■■■の夢

「驚いたな…まだ発見されたばかりのダンジョンとはいえこれほどの宝が手付かずか…」「騎士さん、ダメです。これらは魔法の気配がします。持ち出したら反応する類のものです」「…なるほど」「…疑いません？俺が独り占めしようとしてるかもとか」「俺には興味ないものだ。それにお前を信じている」

「そうですか…」「疑えば際限ないだろう。俺が勝手に信じると決めただけでお前は気にする事はない」「…はい「あちらにある宝も恐らく同じ魔法がかけられているのだろうな。俺には繊細な魔法は向かないゆえわからんが。なので頼りにしている」「…はい」「財宝の横を素通りというのも贅沢かもしれん」

「金と宝石で装飾された地下宮殿といった所か。お前の鑑定によるとその全てに罠が張ってあるんだな？」「そうですね」「ここの主は相当強欲とみた。つまり俺の身体を嬲ってくれる嫌な奴かもしれん」「なんですかその期待の仕方…でもまぁ強欲である事は間違いないでしょうね。この規模は見た事がない」

「…異常なまでの執着です」「お前を壁の装飾にしてやろうパターンでなければいいんだが…放置プレイは燃えんからな」「それ放置プレイの域を超えてますし死ぬ奴ですよ」「なんにせよそろそろ主と対面できる頃合いだろう。強者の気配がする」「…なるほど心してかからないとですね」「楽しみだ」

「一面壁画の部屋だな。古代語解読のスキルがなければ読めんようだが…なぁ、お前これが読めるか？」「待ってくださいね今………！ここは」「どうした？」「今すぐ帰りましょう！ここはまずい」「？わかった帰ろう」

《よォよォそんな事言うなってェ！いらっしゃァい！待ってたぜぇ！お二人さん♡》

「…っ…ぁ」「魔物か？」《はっはバカ言えってんだ！魔物なんざチンケなものと一緒にしてんじゃねーよ！殺っちまうか？イヤイヤまだはぇーよなぁ！遊んでねーもんな！》「…随分とテンションの高い男だ…どうした？」「…にげ、逃げましょう、逃げないと殺されます」《…逃げれると思ってんのかァ？》

「逃げっ…逃げないと、早く、早く…ッ」「どうした？」《ブルッちまってんのさ。そいつ弱ぇーから。なァ？ずーっと弱いまんま！》「そんな事はない。お前に何がわかる」《わかんだよ。誰よりもな！そいつの事は俺が一番知ってんだ、なァ？》「…お前に分かるわけないだろ…命も人生も玩具に…っ…」

《ァ？いきがるじゃァねぇか弱い癖してよォ！今度は長く遊ぼうと思ってたのに！ダメだな…死んどけ》「…！」《…なんだァ？何のつもりだテメェ》「…なかなか悪くない一撃だ」《感想聞いてんじゃねェぞ！オマケ野郎！》「騎士さん…！」「仲間外れは寂しいからな。そう思ったのは生まれて初めてだが」

《今回はソイツがお前のツレかよ。はは。なるほどな》「この人は関係ない！…ここまでの護衛を依頼した他人だ」《見え透いた嘘止めろ。お前がそんな人間相手に命張れるタマかよ。あの時みたいにまた潰してやるよ。何度でも。そんでお前はまた》「やめ、やめろそれ以上言うな…っ！俺は知らない」《…》

《忘れたってんなら思い出させてやっオッ！？何すんだテメッ》「仲間外れにするなと言ってるだろう」《話の最中に斬りかかるとかサイコパスかオメー！》「よく言われる」「ドヤるとこではないです…」「聞くつもりはなかったが俺は存外寂しがりだったようだ。後で聞かせてくれると嬉しい、お前の事を」

「騎士さん…っでもアイツには」「勝てないとしてもだ。今ここでお前を見捨てる選択肢はない。俺はお前の作る飯が好きだ。飯を食う時の顔も、困ったように笑う顔も、気持ちよさと羞恥に耐えながら射s「ステーイッッ！おかしい！最後のはダメ！言っちゃダメな奴です！」「…ツッコミ顔も嫌いではない」

《…ダッル。そういうの飽きてんだわ。覚悟？信念？想い？約束？ホンットくだらねェ。力こそ全てだ！そして力とは俺の事だ！決めた、オメーを魔法で金の石像にしてこの宮殿に飾ってやるよ！》「…図らずもフラグ回収だな。お前とはとことん気が合いそうにない。陵辱しない悪役に用はない！」「本音が」

《オラオラァッ！死ね雑魚虫共ォ！無様に地面に這い蹲り命乞いしてみせろ！許してやんねェけどよォ！》「(無駄に会話を引き延ばした甲斐があったな。防御・攻撃のバフは十分、だがそれにしてもこの無尽蔵な魔法エネルギー。勝てるビジョンが全く浮かばんのは久しぶりだ。しかし超えなければ次はない)」

《偉そうなコト言ってたわりにゃ逃げの一手かァ？》「雑魚ほどよく喋ると言ったものだ。喋る悪役は負けると相場が決まっているぞ」《ア"ァ"ッ！？逃げ回るだけの能無しの癖に万能の俺を雑魚と呼んだのかテメェッ！》「その耳が飾りでないなら聞こえた通りだ」「騎士さんあまり煽っては！」《殺す！》

「(攻撃を打ち込んだ所でダメージが全く入らない。この男は魔物ではないと言った。俺は以前これと似た者と戦っている。俺を負かした闘技場の男と同じ…感情的な分あの男より隙も多くあしらいやすい。だがこのままでは勝てない。俺の体力が尽きる前に打開策を講じなければ。俺はアイツを失う事に…)」

《チッどうなってんだその硬さ！テメーを殺って泣き叫ぶアイツの顔が見たかったが仕方ねえ！予定変更だ！あっちを先にやる！》「っ！(まずい、この弾道ではアイツに向かう魔力弾を剣で捌き切れない)…くっ！させるか…！」《はっ信じられねぇ馬鹿じゃねぇか…盾になって直撃とか！》「騎士…さん……」

ダメだ、今動かないと俺のせいで騎士さんが死んでしまう、また、また死なせてしまう。俺が弱いままだから、強くなれないままだから。違う今の俺はあの時の、オレでも私でもワタシでもわたしでも儂でもわたくしでもない、今の俺はまだ誰も死なせてない、諦めるな、動け、動けよ…！諦めるには早すぎる！

「騎士さんっ！」「…っ来たか」「騎士さん…喋っちゃ」「…大丈夫だ。俺はここで…っ…死ぬ」「何言ってるんですか…やめて下さい…俺戦います…だから！」「……大丈夫だ、信じてくれ。俺は死ぬが、負けない。今ここでは」「？」《いつ見てもこの茶番だけは見飽きねェな。お別れの挨拶は済んだかよ》

《二人仲良く飾ってやるよ！別々の場所になァ！》

「騎士さぁぁぁん！」

＊＊＊

「……はっ！…アレッ…？ここは…宿屋？…えっ夢オチ！？そんな禁じ手いくら何でも許されないよ！俺一人シリアスパートで盛り上がっちゃったみたいじゃないか！いや、でも傷残ってるな…」「それはな」「ホワァ！？」

「き、騎士さん！！！本物！？生きてる！！」「あぁ。生きているぞ」「どどどどういう事なんですか！あの時のアイツの魔力弾受けて」「死んだ」「ほら！死んでる！じゃぁこれは幽霊…それとも俺の幻覚…」「いや、前に言わなかったか。復活しても一度はその場で復活できるスキル持ちなんだ」「あっ！」

「その後倒せたんですか？」「全くもって無理だ。そのつもりもなかった。戦いながら長い詠唱をな。死んだ際にパーティーメンバーごとダンジョンから離脱し街へ届ける転移魔法だ。複雑な詠唱の上に相手に感知されれば容易くキャンセルされる魔法だからな。煽って注意力を削いだおかげでバレなかった」

「アレにも意味が…というか騎士さんでも逃げたりするんですね」「俺は割と逃げてきたぞ。それに何度も敗北を経験している。人は俺を最強というがただ趣味の為に繰り返し挑んだ結果がついてきただけだ。挑み、ダメなら力をつけて再挑戦する。諦めなければそれは最終的に逃げではないからな」「…あぁ」

「だがこれはもしもの時の為の手段だった。倒せるなら倒すつもりでいたんだが中々うまくは行かないものだな……手土産も貰ってしまった」「手土産？」「左手だ」「…！これって…金化！？騎士さん！」「進行性の呪いらしいな。時間の経過でそのうち身体が動かなくなるだろう」「そんな…俺のせいで…」

「お前の身体にはなかった。直前のプロテクトが役に立ったようだ」「…っ俺の事はいいんです！どうして笑ってられるんですか…」「今はまだ範囲も小さく動くからな」「そういう事ではなく…貴方を巻き込んでこんな呪いまで」「呪いは術者を倒せば解ける。問題ない」「あの強さを見てですか」「そうだ」

「俺は少し喜んでさえいる」「いつもの趣味とは違うでしょう！」「違う。お前に関わる理由になるからだ」「え」「過去を無理に聞き出すつもりはなかった…だがあの時俺の知らないお前を見て…本当に寂しくなったんだ。少しばかり我儘は許されるだろうか？先刻のお前の事を聞きたいという言葉は本心だ」

「…告白するより恥ずかしい台詞をいいますね」「なに」「勿論話しますよ…じゃないと対策も立てられないし…というか普通そっちがメインだと思うんですが…俺の事なんて」「俺にとっては大事な事だ。力になってやりたいが知らなければそれもできん」「……貴方って人は…何もかも……かなわないな…」

「アレは簡単に言えば異世界の神です…まぁ神そのものでは無いんですが…かつてそこに存在した概念、残像というか…俺にとっては呪い…かな」「異世界の神の遺跡が何故ここに」「高次元の存在が望めば世界を渡る事は造作もないです。アレは俺に引かれてここにやって来ました」「…異世界転生モノ！」

「ラノベ主人公」「違います。俺はこの世界生まれのここ育ち。異世界を渡る力はないしラノベ主人公ではないです」「…じゃぁ異世界というのは」「もう少し遡って話しますね。軽蔑されるのが怖くてつい遠回しにしちゃいましたが…かつて世界には傲慢な神がいました。ご存知の通りアレです」「…あぁ」

「アレそのものではないと言いましたが容姿や性格、強さはほぼアレと考えて良いです。…アレは愛を知りません。想いを知りません。何が大切で守るべきもので尊ぶべきものなのか知りません。愚かで哀れな神です。元々異世界では神々同士で日々争っていました。彼はその力を愚かにも人に向けました」

「神々同士の争いに飽きて人が築いた文明を破壊し宝を強奪する事に執心し出したんですよ。意味のない破壊行為は天災に等しく、その炎はいくつもの国を戯れに焼きました。被害は計り知れない。沢山…人が死にました」「…そうか」「大切な者達を守る為アレに立ち向かった青年は……焼き殺されました」

「周囲は止めました。勝てるわけもない相手だと。それでも彼は守りたかったんです…力がなくても。大切だから、愛しいから、笑っていて欲しかったから。ただそれだけの願いでした」「それがお前なのか？」「…半分あたりで半分正解ですかね。彼が殺された後アレは神の座を追われて地に堕とされました」

「アイツを堕とせる神がいるのか」「上には上がいるんですよ。世界の秩序を保つ為に世界自身が生み出した最も階位の高い存在というか…あまり触れると気が狂う事になるので控えますが…目に余るので粛清されたという所です。単純な追放ではなく神の肉体や力を奪われたそれは人になりました」「人に…」

「ご存知の通りあの性格です。彼は以前と変わらず傲慢に振る舞い…今度は人からの粛清を受けました。振りかざしていた力はなく肉体も弱い子供のもの。結果は……言うまでもなく。他者から一方的に与えられる痛みを感じたことのない彼にとってその屈辱と苦痛は世界を恨むに十分過ぎました」「…」

「彼はそうして死にました」「死んだのか」「そうです。ここで終われば良かったんですが…世界もそう簡単に彼を許さなかった。死んだ後に世界を統べる神から告げられたのは本当の強さを手に入れる事です。そうしなければ永遠に人の身体を繰り返すと。理解ができない彼は何度も傲慢を繰り返し死んだ」

「…愚かでも傲慢でも嫌々と繰り返せばいくつかの事を覚えます。最初に彼が覚えたのは窃盗スキルです。その後に詐欺を働く為のスキル、食事スキルもかな。最低限自分が生きていくものを覚えた。傲慢な行いが己の命を脅かすものであると嫌でも理解してそれを控えた。ずっと全てを恨んで生きていた」

「…彼がそれに気づいたのはもう何度繰り返したかわからないくらいの時です。空腹を満たす為だけに覚えたスキルで作った料理を人に振る舞うと相手に感謝される事に。詐欺を働く為だけに覚えた手品スキルを見せたら笑顔になった人に賞賛と金銭を貰える事に。誰も己を痛めつけない事に気付きました」

「他者から奪わない、傷つけない。それだけの事で得られる沢山の感情は彼には何もかもが初めてでした。人に恨みを買って殺されることも減って彼の寿命は伸びました。生きていられる時間が伸びれば当然として、他者との関係も生まれて、何度目かの人生では結婚もし、子供も生まれました…」「……」

「…それで終わらないのか？」「世界はそんなに甘くないんです。人の身に堕とされた神が人の身を満喫していては罰になりませんから。人としての幸せを獲得した彼は必ず惨たらしく殺されました」「…っ」「強さの意味を知る事を諦め生きる選択肢は許されません。必ず不幸せなるように世界が動いた」

「その幸せを壊すのは……俺達が先ほど出会ったアレです。何度か繰り返すうち気づいてしまったんです。己が転生してきた沢山の体は、己が殺してきた人間のそれであると。本当の強さを手に入れなければかつての己に殺され、嬲られる側の気持ちを理解させられる。そういう呪いです…だから俺はつまり」

「……度重なる転生のせいか元の自分は思い出せないほど朧げになってて話していても俺自身の事とはもう思えないんですが…俺のいつまでも上がらない基本ステータスも、取得した覚えもないどこかの誰かだった時の沢山のスキル保持も…奪われる感情も…確かに本物です…夢なら良かったんですけどね」

「この世界ではアイツに出会ったことがまだ無かったんです…他人事のような記憶も感情も子供のうちは妄想だと片付けられた。けれど感情が育つにつれて強さを求めなければ同じように死ぬんだって恐怖感で一杯になって。だから俺は貴方に出会って…強さになにかヒントが貰えればと付いて回ったんです…」

自分がやったんだろうって状況証拠しかないけどそれがあまりにおぞましい行為であるとよくわかるし自分がやったと信じたくはない。でも記憶は確かにお前がやったんやで全部。お前が悪いんやで。責任とろ？って感じだし殺してきた感覚も殺されてきた感覚も成長するとどんどん実感湧いちゃう地獄

人に堕とされて数千回転生後まだ神が己である自覚を強くもっており人を初めて愛した時、己が戯れに燃やした誰かにも家族がいて、恋人がいて、大切な人がいて救ったり救われたり支え合ったり助け合ったりしていたのだろうと理解した時多分大変に胸を焼かれたと思う。知らなかったでは済まされないからね

「馴染みの魔術医師に診せたが進行は遅いものの極めて強力、神官でも解除は難しいとの事だ」「…そうですか」「落ち込むな。手の甲から腕へ伸びる金のひび割れ…なんだかちょっとカッコいい」「呪いですよなに言ってんですか！。まぁ俺のせいなんで…そんな事言えた義理では無いのですが…すみません」

「タイムリミットまでに勝てば構わない。そう悲観するな。わざわざタイムリミットを設けた呪い。メタ的に考えれば主人公が修行で強くなって出直して勝利するよくあるパターンだ。漫画とかで見た」「…そうですね、俺が弱気じゃいけませんよね。騎士さんの身体絶対に俺がなんとかします！」「…あぁ」

「(…今回の件で夢ではないことがわかってしまった。知っていたけど馬鹿な夢だと思っていたかったのに。沢山の人生、裏切りも本気の愛も俺達は知っている。己がしでかした悪を認めるのが怖い。最弱に産み落として置いて真の強さなどと無茶な。でも今回は。今回だけは逃げない。繰り返しの呪いは俺が)」

転生の仕組み。死ぬと転生する。その時は両親のいない状態で年齢ランダムだが必ず子供の姿で世界に落とされる。初期は己である自覚があったものの繰り返しすぎて自覚がぼんやり。過去のことが夢のように記憶にある。落とされた直後に死ぬこともあるし運良く人に拾われることもある。基本助けはない。

青年君と最強騎士さんのラノベ「最弱な俺が異世界転生して何度も殺された結果最強の騎士に恋をしたが変態すぎる件」

「騎士さんなんかご機嫌ですね…こんな状況になってしまったのに」「俺は歓喜しているぞ。世界にはまだまだ俺を遥かに超える強者がいると実感した。地下闘技場の男と今回戦った時の感覚が似ていた。つまりアレも神だろう。神に手篭めにされる可能性に興奮している」「…忘れてたけどこういう人だった」

「金の像にされるのは御免被るが…興奮しないからな」「…騎士さんはなんかこう変わらないですね…俺の正体とか…もっと葛藤みたいなものがあってもいいと思うんですが」「…葛藤？」「こんなにあっさり受け入れていいんですか？」「過去は過去だ。今のお前を俺は知っていて信用した。それだけでいい」

「今の俺だってそこそこ手を汚しては来ているんですよ…人は殺してないけど…生きる為に色々…それに貴方は俺を信頼してくれたのに俺は俺の為だけに貴方を利用して」「俺に罰を求めるな。俺はそれを与えてやれない。もしお前が罪悪感に押し負けそうならそれを踏み越える強さを持て」「…ごめんなさい」

「…そこはわかりました、だろう。謝らなくていい。簡単に言ったがお前が背負った罪悪感の重さがわからないほど愚かではないつもりだ。だがそれを超えようともしないならお前自身が苦しみ続ける事になりかねんからな」「…ギャップが凄すぎて…はぁ…好きだなぁ」「……すき？」「あ、いや、その…！」

「……もう一度」「え？」「もう一度だ」「え！？な、何ですか嫌ですよ」「な…嫌なのか」「だって恥ずかしいじゃないですか！」「お前の口からもう一度聞きたかっただけなんだが」「だから何でですか！」「……わからん」「わからないうちは嫌です！」「またそれか」「またそれです！」「ぐぬぅ…」

「アイツの弱点を知るには情報が足りないな。覚えている事は全部か？」「はい、伝えた事で全部だと。傲慢、無秩序、激昂しやすい、単純、魔力は一応限りはありますが人からすれば無尽蔵と同じだけの量です。金が好きで金化の魔法を使う、己自身が世界で一番強いと思い込んでいる……落ち込んでくるな」

「落ち込むな。全く話の通じない魔物の類とは違い奴には騙すことのできる隙がある。単純で操りやすい所に勝機はあるはずだ。だが今のままではいかんな。やはりそうしよう」「何を？」「俺のスキルをお前に譲渡しよう」「え？そんなことできるんですか」「最上位騎士クラスが行う事の出来る特殊譲渡だ」

「でも悪いですよ…」「お前が死んだらアイツは新しい転生先にお前を追って消えるだろう。そうなると俺は呪いを解けず金の石像になるしかない。お前が死ねば道連れだ。だからお前にスキルを渡すのは俺の為でもある」「…な、なるほど」「などとそれらしい理由をつけたが理由は単純だ。死なせたくない」

「…っ…は、はい」「あまり気負わなくていい。俺には沢山のスキルがある。その中から特に失くしても差し支えのないものをやるだけだ。ないよりはマシだろう」「ありがとうございます」「ほんの少し生存確率を上げる程度のものだが…必要な時にお前の助けになるだろう」「防御系ですか」「そんな所だ」

「特殊譲渡は元々とある騎士が己の死期を悟り部下に生きて欲しい一心から己が力を与えようとしたことが始まりだという。使えるのは一生に一度きりだ」「えっ」「よし、完了したぞ」「今さらっととんでも無い事を！いいんですかそんな大事なもの！？」「躊躇うくらいなら最初から言い出さない」

「…貴方にはもらってばかりですね俺」「そんな事はない。きっとお前に俺は沢山のものを貰っている。昔の俺とはどこか違うように感じる事が増えた。その正体が掴めない事も多いが…俺はこの感情を少なくとも好意的に捉えている。お前といると心臓が熱い」「…っ…そう、ですか」「どうした顔が赤いぞ」

「…っ(この痛みは…呪いか。目に見えて少しずつ着実に進行する事でかけた者の精神力を削ぐ。実に嫌な呪いだ…腕が片方使い物にならなくなるまで後どれ程の時間が残っているのか。重たくなった腕を引きずっていては勝機もない。最悪は腕を切り落とす事になるか…片腕でどれだけやれるのだろうな俺は)」

騎士さんは顔に出さないし言わないし呪いの進行も青年には伝えない。ただ最悪の時は覚悟している。夜呪いが進行する時パキパキピキピキ本人にだけ分かる程度の音がなって体細胞がそれに置き換わる時痛む。脂汗かきながら青年君に聞こえないように声を押し殺す騎士さんはすけべだと思った(台無し)

「なんだか街が騒がしいな」「夏の祭りがあるみたいですよ」「祭り…？」「回ります？なんて…」「あぁ、そうしよう」「えっ本気ですか」「1人では味気なかったが今はお前もいる事だしな。それぞれ違う味の食べ物を買ってシェアしあうなどしてみたい」「いいですけど…」「とりあえずあの屋台からだ」

「この量食べきれないのでは」「お前もいるだろう」「俺の胃袋を信頼しすぎている」「祭というのは不思議だな。定価よりも高く味も微妙だが何故だが買ってしまう」「雰囲気にお金払ってる所ありますよね」「んっこのフランクフルトチーズ入りだったのか…熱…っ」「(すみません騎士さん…エロいです)」

「はぁ…っひゅ…」「大丈夫ですか？舌火傷してません？」「…んっ…平気だ…舌もこの通り」「いやいやいや見せなくていいですって！」「何を慌てているんだお前は」「いえ！？別に！？(色々思い出したとは言えない)」「ならいい。中身が熱い物には気をつけんとな…俺も粘膜までは鍛えられん」「粘膜」

「…随分と賑やかだな」「お祭りですからね」「俺は普段必要以上に寄り付かないからな。新鮮だ」「アレ？そうなんですか」「街にいてもこうして人々を眺める事はあまりしてこなかった。端的に言えば人に興味がなかったんだろう」「…今は、違うんでしょうか」「おそらく、多少は」「…そうですか」

「明日の朝ここを発つ」「じゃぁ今夜の花火見れますね」「あぁ…あの光の」「あまり見た事ないですか？」「…町の外、遠くから眺める事はあったが…町から上がるのを町で見るのは初めてだ」「じゃぁ少し驚くかもしれないですね」「そうなのか？」「きっとそうですよ。……いつかの俺もそうだったので」

しばらく出店を回ってミニゲームやったり観劇見たりしてるうちに青年君だけが「アレコレもしかしてデート的な奴なのでは！？」と一瞬ドキドキするも騎士さんの様子がどっちかというと初めてお祭りに連れてきてもらった子供のそれなので「いや、違う、これは違う」と冷静になるやつです

「遊び倒しましたね」「そうだな。人生初かもしれん」「今まで何を…って聞かなくても予想はつくのでいいですが…あ、花火上がるみたいですね、橋のところに行きましょう」「橋の下？」「綺麗なので」「なるほど…っ！？なんだこの音は」「花火の音ですよ」「…随分と大きいな」「近いですからね」

「聞こえていたあの音は大砲の音じゃなかったのか」「すごいですよねこの音。真下で聞くと特に」「あぁ…心臓が揺らされるようだ」「そうそう。胸に響く感じ。俺も久々です」「川の水面に映った光も綺麗だ」「空と川で２倍贅沢なんですよ！だから橋の下にしたんです、これを見て欲しくて」「…そうか」

青年の無邪気そうな顔を見てまだ18歳だったなと思い直し青年が抱え続けた繰り返される呪いについて思いを馳せる騎士さん。趣味のついでに人を助けてきたけどこの時初めて人を助ける為に強さが欲しいなと彼は思った。夜空に咲く花をこれからも見せてやりたいしその隣に己がいればもっとよいだろうな、と

「そういえばどこに向かってるんでしょうか俺達…ダンジョンではないですよね？」「ダンジョンにアイツがいるなら今はまだ勝てないからな。闘技場に向かっている」「え？あの？」「お前が負かしたあの男が手がかりになるかもしれない」「あの人ですか」「恐らくアレも神、もしくはそれに類するものだ」

「攻略のヒントになるかもしれん」「…そうだったんですね」「お前の方が気づいても良さそうなものだが」「俺の体完全にここの肉体ですし特別な力があるわけでもないので…スキルは無尽蔵に獲得できますけど…」「元々知り合いだったりもしないか」「あの性格なので知り合いもそんなには」「そうか…」

「そしてまたなぜエントリーしてるんですか！」「地下に入るには必要だそうだ…ちなみに色々あって忘れていたが前回チャンピオンはお前になってるようだな」「場外乱入なのに」「あの場で一番強い男を下したからな。武力を知力で負かした男。かなり話題になっていたようだ」「えぇ…そうなんですか？」

「脳みそが3個あるとか言われていた」「素直に気持ち悪いですねそれ」「でもまぁ…誰も気がつかないようだな」「俺に脳みそは三個ないですからね。騒ぎになって挑まれても困りますしちょうどいいです。俺もうアレはごめんです…結構な綱渡りだったんですから」「…あの時のお前は頼もしかったな」

「…そ、そうですか？小狡いことしかしてませんよ」「…俺はあの瞬間お前に」「え」「……お前に？」「なんですかその疑問形」「わからない。俺は何を言おうとした…？」「こっちが教えて欲しいんですが」「まぁいいか」「えぇ！？」「情報収集するぞ」「…わかりました…」「どうした」「別に…」

最強騎士さんは最強だけどダンジョン奥の呪いの装備(めちゃくちゃステータスが上がるが見た目が痴女)(教会で浄化してもらえないと脱げない)(見た目が痴女)をうっかり身につけちゃう天然さがある。そして街中をこれで歩こうとする
「後生なのでマントを！俺のマント貸すんで！」「そうか？悪いな…」

「どうしてどう見ても女性用のそれを着ちゃうんですか！マントの下が露出狂ですよ！」「いやでも男女共用装備だと…」「…ちょっとテキスト見せて下さい………男の娘が着る可能性を残したいから男女共用にしたぞ…☆謎の魔術師より…うわ拗らせた性癖の人だ……」「俺は男の娘だった…？」「違います」

えっちな装備着てもド真顔

「(えっちだ……嫌、そういう感情を抱くのはよくないこの人天然だし)」「この装備はいやらしいのか…そうか…」「めくって見せないで下さい！」「お前相手にならいいかと」「よくない！ダメです！」「こういう衣装は嫌いか？」「……嫌いではないですがダメです！」「嫌いではないのに駄目なのか…」

呪いのエロ装備作ってダンジョンに設置したら予想外に騎士がかかったけど案外アリだなと扉を開く魔術師

魔術師さんはエロい呪い装備をダンジョンに設置してそれによる起こるエロハプニングを遠視してオカズにしてる変態です。長いことしてたからマンネリ防止で最近男の娘に手を出し始め、あれ？筋肉質な男もアリかなとどんどん性癖が広がっている。そのうちガチムチオヤジでも抜けるようになる

呪い装備だけど、騎士さんはそれも割とキャンセルになる時があるので、今回は呪いがガッツリ効いていて敗北を感じたので興奮し始めた次第。マントの下で騎士さんのナイトソードは苦しそうにエロ装備からはみ出し状態でこれで街中の教会まで隠さないとだから風が吹くたび青年君の心臓が止まりかける奴

はぁはぁ苦しそうなエロ顔したマントの下痴女装備騎士さんを引き連れながら歩いてる時に運悪く街中に魔物が！となってしまい青年君の顔が青くなる「絶対に見えないようにしてください！」と強く言われたので思うように動けず魔物に押し倒されてしまう騎士さん。青年君の中でさまざまな感情が巡る

周囲の目がある街中で、マントの下痴女装備で、興奮気味でそそり立ってしまってる騎士さんが、魔物にという何一つ大丈夫な要素がなさ過ぎる展開に勝てないのわかってるけどとりあえず魔物に全力ダッシュして「離れろ畜生っ！」ってやけくそタックルかます青年。多分人生で一番力強いタックル。

よろけた一瞬の隙をついて魔物を真っ二つにしつつ立ち上がり「一応この装備でステータスも上がっているし押し倒されてもなんとかはなったんだが」と言われて早とちりに顔が赤くなる青年「…騎士さんの事守らなきゃって思って…その」ともごっと言われて胸がなんとなくキュとなって頭を傾げる騎士さん…

※この守らなきゃには騎士さんの世間体が含まれている

普段描かない感じの

「その装備捨てないんですか！？」「ステータス上がるからな…捨てるには少し惜しい。俺に効くほどの呪いということはこれを作った魔術師は強者だろう…」「くっ1㍉も似てないのにそのチワワみたいな感じが出るのは何故なんだ…！あーもういいですよ、持ってても。でも着ないで下さいね！」「心得た」

二人の様子をみていた魔術師「おっ、俺の話してる…呪い装備丹精込めて作っても廃棄される率高ェからちょっと嬉しいな。装備捨てねぇって事はこれからも遠視は出来んのか…面白いから継続視聴しよう」

魔術師さんは放送中アニメを見るノリで時々二人を追う事にした

青年君。よく困った顔で笑う

青年君よくふにゃふにゃに笑う。その顔を見た騎士さんの感想が「猫を見たときの感じに似ている」だったので「どういうことなんだろう…」って思っていたけど騎士さんが猫は可愛いから好きだと言っているのを聞き「アレ騎士さんまさか俺の事可愛いと思ってるのか？？」と複雑な気持ちに

「猫は人をダメにするがそのダメになった自分も悪くないなと思える。あと猫はふわふわしていてふにゃふにゃで液体だ」「それホントに猫です？」「何言ってる猫だ」「俺そんなに騎士さんをダメにしてますかね？」「ダメにしているだろう。俺はお前の笑った顔を目にすると守りたくなる」「…庇護欲！？」

「…抱きしめたくなる。そして腹に顔を埋めてスゥ…と吸う」「うぅ(喜んでいいのかよくわからないラインだ…扱いが猫すぎる)」「そのまま下半身に移行したい」「何言ってるんですか！もう一度言うけど何言ってるんですか！」「ダメにされているだろう」「確かにダメですけど！えぇ？そういう感じ！？」

「勿論やらない。お前が怒るからな」「怒らなかったらやるんですか」「やっていいのか」「ダメですけど」「そうか…」「しょんぼりしないでください！そんな事されたら俺ちょっとまずい事になってしまうので」「…なればいいだろう」「ぅ…(何故切ない顔をされているのか…こんな顔できたのかこの人)」

「(殆ど真顔なのにこの人が表情豊かに思えるようになったのはいつからだったかな…そういえば最初の頃は冷たい人だと思ってたんだ…)」

青年君が騎士さんに「貴方の強さに憧れてしまったんです！ついていかせて下さい！」と頼んだ当初騎士さんはただ興味なさげに「…好きにしろ」と言っただけだった

「(どこかに最強のヒントがあるはず)」「……」「(…無口、な人だな)」「明日は村で聞いた洞窟に行く。装備を揃えておけ」「は、はい。でもあの洞窟って非常に強い魔物が」「だから行くんだ」「…村を救うんですね！」「…結果的には…恐らくそうなるだろうな」「凄いですねさすが騎士です」

最初の頃

過去の騎士さんの中でこの時青年君はどこにでもいる誰かだったし興味もなかった。賞賛してくる人は沢山いたし旅の理由を知ってそのうちついていくのをやめるので深く関わる理由がない。必要以上に話さないし関わらないの