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「三菱スペースジェットが苦労して...」、@ohnuki_tsuyoshi さんからのスレッド

三菱スペースジェットが苦労している原因を歴史的に見れば「ジェット旅客機という技術が確立される重要な時期に、日本はその場にいなかったから」だと思う。そして今後20年ぐらいで、有人宇宙船で同じことが起きる。

ある関係者が「もう20年、いや10年早くMRJの開発を始めていたら、これほど苦労はしなかっただろう。当時は基準自体が現在ほど厳しくなかった」と言っていた。世界のメーカー(と航空当局)が試行錯誤していた時期に、日本のメーカーも航空局も、それに参加していなかった。

なぜYS-11のあと、誰も旅客機を開発しようとしなかったのか?との疑問をんぶつけると、その関係者は「下請けは儲かったから」と答えた。ボーイングが日本にアウトソーシングしたことで、日本は「リスクを取らなくてもそこそこ儲かる」というポジションを得ることができた。

同時に、防衛向けには国産機も開発していたから、日本のメーカーは「自分達は旅客機を作る技術と、国産航空機を開発する技術を持っている」と思い込んでしまった。そこには実は「国産旅客機を開発する技術」が含まれていないことに、MRJを作るまで気がつけなかった。

そして今、有人宇宙飛行で同じことが始まっている。日本には、ロケットを作る技術、宇宙ステーションにランデブードッキングする技術、軌道上有人モジュールを作る技術、大気圏再突入する技術がある。でも、有人宇宙船は作ったことがない。

アメリカでは既にSpaceXとボーイングが民間有人宇宙船を開発していて、それを「どういう基準で認めればよいのか」というレベルから、NASAと試行錯誤してる。そして次は、商業宇宙飛行で旅客輸送するにはどういう基準が必要か、という話になる。

商業宇宙旅行がどのくらい本格的に始まるのかはまだわからない。アメリカ以外のプレーヤーが増えるのかもわからない。ただ確実に言えることは、今後10年ほどの間にアメリカは第1段階の商業有人宇宙飛行基準を確立し、それがデファクトスタンダードになるということだ。

日本はJEMとHTVで、ISSというデファクトスタンダートの確立に同時並行で参加することができた。その中で技術、もっと言えば「デファクトスタンダードを理解している人材」を創り上げることができた。現時点では「国内人材でMRJを作れなかった」航空より、宇宙の方が人材面では確立してる。

で、今後10年、20年どうするんですか、と。有人宇宙飛行の次のステージで、「日本はそこまで必要としていないです」と言って、降りちゃうんですかと。もしそれをやったら、2040年代に「やっぱり宇宙船を国産化しよう」と言い出したとき、MRJと同じことが起きる。それでいいんですか、と。

「世界」を宇宙に拡げることを仕事にしたいと考える自営業者。主な仕事は科学ライター。主な趣味はパラグライダー。フォローしていない方のmention通知は切っているので気付かないことがあります。お仕事に関する依頼・お問い合わせは contact@下記URLのドメイン のメールへお願いします。アイコンは自撮り(FaceApp

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  2. 大貫剛
  3. 2020/06/19 11:50:18 公開
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