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「PCRはスクリーニングにも適します...」、@sunasaji さんからのスレッド

PCRはスクリーニングにも適します。なぜならば、PCR以上の特異度と感度があって、侵襲性が低く、機材や試薬の入手可能性が高い検査手段は現時点では他にないからです。むしろ現状では、スクリーニングにPCR以外を使うことは推奨されないのです。特異度の低い検査を使うと大量の偽陽性が出るためです。

偽陽性が問題だという人がいますが、偽陽性率=1-特異度、なので特異度がきわめて高いならば偽陽性率もきわめて低くなります。そして一般にPCRの特異度はきわめて高いと考えられます。COVID-19関連論文でもそうですし、中国やニュージーランドや岩手の検査実績でも言えます。

PCRの特異度について99%などの低い値を仮定するデマは論外だとして、99.9%を主張してPCR抑制論を唱える人も、まともな根拠を示しているのを見たことはありません。一般に100%に近いと言われるPCRの特異度が99.99%以下であると主張したいならば、それなりの信頼できる根拠を示すべきと思います。

そもそも偽陽性を問題にする前に、検査しなければ陽性者の把握もままならないことを心配すべきです。偽陽性者を心配するのは、陽性が判明した後にすれば良いです。有病率が低い状況で、特異度が高い検査を使えば、そもそも陽性者はほとんど出ないためです。陽性に占める偽陽性は更に少なくなります。

偽陰性が問題だという声もあります。問題でないとは言いませんが、陽性者を除外できた後で言うべきですし、特異度99%感度70%有病率0.01%としても陰性的中率や精度は99%等の高率になります。
陰性でも3割は陽性だとか、精度70%だと誤解している人がいますが、3割も誤診は出ないことを計算するべきです。

偽陰性や偽陽性はゼロにはなりませんが、検査さえすれば99%程度の人は正しい検査結果となることが期待できることになります。もちろん完全は無いので気を抜くべきではないですが、PCRを使わずに99%を正しく診断するのは至難の業であって、結局は見逃しや偽陽性が増えることに最初に注意するべきです。

PCRの精度の高さはあくまでも工学的なもので臨床的な精度は劣るという人もいます。そうだとしても、PCR以上に精度が高い検査がないならば活用しない理由にはならないですし、臨床的な精度が中国やニュージーランドや岩手より低いならば、回数を増やすなどの対策が必要です。

コロナ流行初期でPCRが間に合わずにCT等で診断しようとした時期は中国や日本でもありましたが、そもそもCTはCOVID-19のスクリーニングには適さないと、米国放射線専門医会(ACR)、日本放射線専門医会(JCR)、日本環境感染学会(JSIPC)、放射線学会(JRS)などが言っています。

ちなみに中国では武漢や北京などで無症状も含めたスクリーニングにPCRを適用し、1日数十万人の検査を処理しています。検体採取も1人数分で済み、検体を混合して検査効率を上げる手も取られています。CTなどでは到底検査は回らなかったでしょうし、それこそ偽陽性や偽陰性が大量に出たと思われます。

通常の検査では、特異度と感度のトレードオフの領域が大きいとか、多くの人に適用すれば偽陽性偽陰性が大量に出るとか、事前確率を高めることが効果的だというのは正しいのですが、他の検査の追随を許さない精度を誇る検査に対してそれを適用しようとしたのは間違いだったと言わざるを得ません。

またCOVID-19に関するほとんどの論文でCOVID-19患者の判定にRT-PCRの結果を使うことがGold standardやReference Standardと記載されています。医療における標準とは、診断や評価の精度が高いものとして広く容認された手法のことで、理論的かつ臨床的にも実績のあるものです。

COVID-19診断においてPCRの利用を否定しようとするのは、参照基準に反する独自医療でしかなく、反ワクチンとか空間除菌とかガンの代替療法とかコロナ存在しない論やコロナはただの風邪論みたいな、似非科学、反科学、オカルト、真理教、反理性主義、陰謀論、等の一種だと思うべきです。

そうでないというならば、PCR以外の手段がCOVID-19診断の参照基準として適切であったという英語論文を世界に発信すれば良いのです。現状ではどの国にも受け入れられることはないでしょうし、仮にそれが真実なら、生命科学の常識を数十年ぶりに塗り替える歴史的な大発見となるでしょう。

ベイズの定理とか事前確率とか偽陽性とかは、精度の低い検査手段を慎重に扱うために使われるべきです。それでPCRを叩くのであれば、その他の手段は更に激しく叩かれなければならなくなりますが、それはCOVID-19対策に何の足しにもなりません。少なくともPCR否定論は早く捨て去るに限ります。

PCRが今回ここまで叩かれたのは、日本の医療界ではPCRがなじみのない技術であって、少なくともその原理や特性が十分に知られていなかったためだと思われます。見慣れない新入りを叩いたつもりでいたら、別世界で35年のゆるぎない実績を積んできた実力者だった、みたいな感じです。

念のため言っておきますと、それでも臨床の現場ではPCRの偽陰性の例はいくつも出ているでしょうし、そういった例を「見逃さない」ためにCT等の手段が使われることは全く妥当だと思います。ただしPCR以外の手段が初手にくるのは、一般に診断の正確性を下げると見るのが穏当な見方でしょう。

また他の検査手段も鋭意開発が続いており、少しでも特異度や感度を上げるためにたいへんな努力もされていると思われます。たとえPCRと同じではなくても、簡便性や迅速性や価格でPCR以上に役立つ技術である可能性は十分あります。ただし、いますでにある有力な手段を活用しない理由にはなりません。

PCRの検体採取や輸送や検査や保健所の負担が大変であることも事実だと思います。ただそれは、現実を無視した根拠のない特異度でPCRを否定するのではなく、むしろPCRの重要性を訴えて、十分な資金と資材と人手と実効的な支援によって解決されなければならない問題です。抑制を訴えるのは逆効果です。

また、PCR検査を控えたことにより、コロナでない疾患でも医療へのアクセスが絶たれていた問題も深刻だったことにも注意が必要です。一般に医療者は病院に来た後のことを見ていますが、一般人の立場では有症でもコロナを疑われて普段なら診て貰えたはずの医療機関に行けないことも大きな問題なのです。

感染症病床のない医院やCTのない診療所なども日本には大量にあり、それらからCTやPCRへのアクセスもコロナ禍においては十分でない場合があったことにも注意が必要です。それが多くの医療機関で閑古鳥が鳴く要因ともなっていて、検査不足がコロナ恐慌や病院の経営危機を引き起こしていたとも言えます。

現状は改善に向かっているかもしれませんが、もしも現場にも強固なPCR忌避論が蔓延っているならば、それ自体も大きな問題であり続けています。現場の医療者や高リスク者を守るためにこそ、PCRは威力を発揮したはずのものであったのです。検査抑制は無駄な恐怖や差別を呼び、拡散抑制にも逆効果です。

また検査さえ抑制すれば医療資源が守られるというのも甘いです。日本においても拡散は早かったわけで、それが医療の逼迫や自粛を招いた原因です。感染症対策の大原則である、早期発見・早期隔離・早期治療をやらないというならば、十分な理論とデータがなければなりません。

感染症対策の基本は検査・追跡・隔離・検疫です。
新規感染は10日で2,4,8,16,32,64,128,256,512と増えます。重症者・死亡者も比例します。
医療資源はこうは増やせないので逼迫します。
感染連鎖を断つには行動規制か検査隔離が有効で後者が安価です。
追跡班の人手はすぐ増えないので早期徹底検査が必須です。

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  2. suna
  3. 2020/06/25 12:49:05 公開
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