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「コロナ禍の今でさえ、非正規労働...」、@ssk_ryo さんからのスレッド

コロナ禍の今でさえ、非正規労働者は簡単に切られ、賃金は諸々の手段でカットされ、とても苦しい立場に置かれているわけなのだが、昨日の最高裁のあの2つの判決は、企業が人を雇うとき、できるだけ非正規労働者として雇う方向にインセンティブを与えたことになる。

企業が国の背中を押し、「多様な働き方」という旗を振り、「非正規労働者」と呼ばれる労働者群を積極的に作出した結果、4割の労働者が「正社員」ではない現状が生まれた。ひとたび不景気になれば、まっ先に身分が不安定になる労働者をここまで作ると、景気悪化時の経済に与える打撃は極めて大きい。

特に不景気の底から景気回復に向かう際の速やかなリカバリーは、労働者の雇用が破壊されている場合は、そうでない場合に比べて困難である。その意味で、本来は非正規労働者と呼ばれる労働者の雇用形態は、多少「使いにくい」くらいがちょうどいいのである。

今回の最高裁の判断は、非正規労働者を企業の「外側の存在」としたのだと思う。しかし、実情は、彼らも企業のために「正社員」らと一緒に労働し、企業が得る「富」の産出に貢献している。その労働の対価である賞与や退職金が、100:0でいいのか?ということについて、それでいい、としてしまった。

これは格差を少しでも是正しようとした労働契約法20条の法意を無視したも同然であるし、これから中小企業含めて全面的に施行されることになるパート有期法8条に対する、最高裁からの挑戦状のようなものだろう。

この2判決で企業は「安心して」非正規労働者を雇い、労働させるようになることが予想される。安易な「期間の定め」、安易な派遣労働者の利用も横行するだろう。労働者が諸事情で「パート」で働くだけでも、正社員との格差は100:0になる。

政府が持ち出した「同一労働同一賃金」は、そもそも用語の意味と実態に齟齬があるが、それでも法で「均衡待遇」を定め、わずかではあるが、非正規労働者の格差是正のための道具として用意されたものであったが、それさえも摘み取ってしまった印象だ。

しかし、そうはいっても法は法。最高裁が労働契約法20条の趣旨を完全に葬り去ることはできない。一般論では、「賞与」「退職金」においても、不合理な格差がある場合もあり得ることは認めている。ここから再び格差是正のたたかいを労組・労働者は始めることになる。

似たような論点で、既に係属している訴訟も多数あると思うが、この最高裁判決に怯むことなく、個別のケースとしてやっていけばいい。私も何個か担当している事件があるので、地裁・高裁、そして最高裁に向けて、がんばっていこうと思う。

弁護士(東京弁護士会)、旬報法律事務所。労働者側で労働事件をやっています。日本労働弁護団常任幹事。ブラック企業被害対策弁護団代表。ブラック企業大賞実行委員。見る将棋好き。活動は東京近辺。なお、ここでの投稿は私の所属する弁護団や団体とは無関係であり、私的見解です。また、RTや「いいね」は常に賛同の意味ではありません。

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  3. 2020/10/14 09:01:17 公開
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