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「2000年3月14日、栃木県栗山村(...」、@SaigusaGentaro さんからのスレッド

2000年3月14日、栃木県栗山村(現日光市)の林で東京都内の女子高生の遺体が見つかった。今市署の管轄だった。次長(報道対応の担当)に電話したら「事件性はない」という。死因は凍死。おかしいと思いませんか? 自殺だったらそもそも凍死で死ぬか? と。睡眠薬を飲んで死んだのなら分かるけど、

現場には睡眠薬も見つかっていなかった。じゃあ事故死? その前日は確かに雪が降っていて、現場は雪が積もっていた。でもゼンリンの地図で確認したら、小さな林だし、林から橋を渡って100メートルくらいのところに民家が3軒あった。次長と電話でかなりやりあった。「どう考えても殺人としか思えない

ヴィシネウスキー出血というのがあって、純粋な凍死だと胃袋から出血する。訊いたけど、次長は「解剖していないから分からない」という。これじゃ、埒が明かない、と2年生記者の女性に「ちょっと現場に行ってくれ」と言った。この子が美貌なんだけど、気が強い(笑)

「今、夕方ですよ。栗山村なんかここから行って帰ったら、谷底に落ちて遭難しますよ。責任問題ですよ」とか言う。「他社も行ってないし、警察が事件じゃないって言ってるじゃないですか」

仕方ないんで自分が行った。たっぷり宇都宮から2時間かかった。くねくねした山道を辿って、やっと着いた現場は黄色いテープが張られていたけど、警官もいないし、記者も1人もいなかった。とりあえず3軒ある民家の手前の家の呼び鈴を鳴らした。

腰の曲がったお婆ちゃんが「は~い」と言って出てきた。「すみません、産経新聞の三枝っていいます。あの林で東京の女の子が亡くなったでしょ? 知ってる?」「知ってるよ~」「おばあちゃん、昨日だと思うんだけど、この道通ってると思うんだけどね。女の子見た? この子」

と言って、スポーツ紙に勤める知人からもらった被害者のかわいらしい写真を見せた。「見たよ」「えっ?見たの? 昨日だよ」「うん」「1人だった?」「いや、男の人と一緒だったよ」 背筋がぞ~っとした。

「ねえねえ、お婆ちゃん。警察来た?」 「来ないよ」 やっぱり警察はネグっていた。警察の不祥事って書いてやろうかと思ったけど、「男が目撃 警察が行方追う」って穏健なものにして出した。翌日、用事があって捜査1課に行ったら

ドアを開けた瞬間、朝日の県警キャップと捜査1課次長の会話が飛び込んできた。「産経ってのはワイドショー以下だな」「あいつ、栃木にとばされて必死なんですよ」 一番、聞いてはいけない会話をきいてしまった(笑)

カッと頭に血が昇ってしまい、まあ、今にして思えば酷いことを大声でまくしたてた。出入り禁止というか、行けない雰囲気になってしまい、件の女性記者には「あなたが庁舎を回るとあたしが怒られる」と愚痴を言われた。

ちなみにこのときの次長が、後刻起きた今市市の女児殺害事件の時に、捜査1課長として臨場し、あろうことか遺体の前でくしゃみをして自身のDNAを撒き散らし、捜査を混乱させた(かなり経ってから容疑者が逮捕された)

何日かして警視庁葛西警察署がTという20歳の男をひき逃げをして会社員に重傷を負わせた容疑で逮捕された。暴走族に入っているという。結構なイケメンだった。デスクに頼んで東京に行かせてもらった。

葛西署の副署長の名前は今でも覚えてる。温井良明といった。開口一番、こう言った。「僕は今、栃木県警を回ってますが、数年前まで警視庁を3年担当していました。僕はあなたの名前をどこかで見たことがあります。刑事部で管理官をされていませんでしたか?」

温井氏「おう、捜査2課で管理官してたよ」「じゃあ、話が早い。今市署の次長は交通畑だったから」 温井副署長は僕の来た理由が分かっているようだった。「〇〇ちゃん、Tに殺されたと思う。絞殺だと考えてます。副さんはどう思います?」 ニヤッと笑って「殺されたに決まってんだろ」

「栃木が来たよ。文句言ってった」と笑っていた。結果、ひき逃げの満期勾留が終わった後、Tは殺人容疑で栃木県警に再逮捕された。栃木にいたときに仲が良かった警部が「君はそういうけどさ~。殺されたと思ってたよ、県警は」って言うから、

「いや、絶対に違います」と答えた(笑) Tの自供によると、江戸川区でひき逃げを起こした彼は、彼女の女子高生を電話で呼び出して犯行を打ち明け、逃避行よろしく湯西川温泉に向かい、旅館に一泊した後、犯行に及んだ。

「一緒に死んでくれ」と持ち掛けたくせに、従った女子高生を腕で絞殺し、自分は死ぬ勇気もなく、温泉街のカラオケで泣きながら1人で歌っていたという。ちなみに栃木県警は昭和21年にも中禅寺湖のほとりで起きた

一家6人殺害事件を心中と誤認し、9年後、埼玉県警の刑事が1人の泥棒の偽自供を手がかりに在日韓国人の2人組を逮捕した(松本清張の『日光中宮祠事件』と言う小説に詳しいです)

「嵌まる事件」というのはあるもので、湯西川の事件がまさにそれだった。逆に「尽かない」事件は全然、ダメ。初動捜査って大事なんですよ。だからレスポンスの良い警視庁を褒めたわけです。ちなみに

栃木県警にも舌を巻くような名刑事は何人もいた。でも当時はあまり良いポストにいなかった(捜査1課とか、鑑識課とかに) 腕利きはプライドが高いから上司にも口答えするし、使いにくいんでしょう。でもたった1人の刑事が事件を解決の糸口を見つけたのを何度か見てきた。

朝日の友人によると、神奈川県警が捜査1課のうるさ型の刑事を一掃したことがあった。神奈川は村松源一という伝説の刑事がいて、その教え子が1課に残っていたが、幹部はこれを一掃。上の受けが良い、従順なタイプで1課を固めたとか。

するとびっくりするほど検挙率が低下。捜査本部事件の3割程度しか解決できない年もあったという。危機感を覚えた上層部が所轄に出されていた刑事を1課に戻した。犯人が女性を車ではねた後、刺殺したのに、県警がはねた後を見落として、解決まで時間がかかった事件もあった。

(平成12年の渡辺美保さん殺害事件、3年後に犯人が自首) 神奈川や栃木がダメだから警視庁。知能犯罪はそれもありだけど、強行事件はそうもいかない。だから責任重大。関東管区では警視庁のほか、埼玉と静岡は1課は比較的優秀だと思う。埼玉は佐藤典道というやっぱり「伝説の刑事」がいた。

その教え子の人脈は途絶えていないっていうし、静岡も熊倉征志っていうかなりアクの強い名刑事が捜査1課の中枢にいた。やっぱり上司がそういう刑事を使いこなせるかに尽きると思う。

産経新聞を令和に改元したのと同時に退社しました。フリーライターになりました。政治や事件などボチボチつぶやきます。YOUTUBEを今月中にやりたし。著書に「19歳の無念」(角川書店)

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  2. 三枝 玄太郎
  3. 2020/12/01 11:13:30 公開
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