「専門ライター時代、記事は「小学5...」、@masamine_s さんからのスレッド
専門ライター時代、記事は「小学5年で読めるように書け」と言われた。小学生で触れている標準的な語彙、文章構造の複雑さを念頭に置いて専門誌の記事を書いた。そのためには書き手が物事を正確に、構造的に理解していなくてはならない。知ったかぶりや特殊な語彙の使用は、書き手の逃げ、と教わった。
文章を仕事にしているプロでも、こうした考え方から遠い人は勿論いる。経験から言えば、大学教授や評論家に不親切な文を書く人が多かった。専門用語をただ並べて一見さんお断りの文にしてしまったり(多くは本人の理解不足と思う)主語と述語の関係を整理しきれず、文脈がこんがらがってたり。
小説でも初心者に近い人の作品ほど、日常で使わない語彙を今ひとつ文脈にとけ込まない形で使っていたり、主語と述語の関係が捻れていたり、といった文が多いと思う。そして恐ろしいことに、こうした文を書く人の多くはその弱点に気付いていない。
文章力を上げたいなら、プロの文に大量に触れて技術を盗むのが近道。名作を書き写し、言い回しやリズムを学ぶのもいい。でも「自分の文」に拘りが強い人ほど弱点に自覚的になりにくいというか…何十万字も書いてるのにクセが抜けず読みにくいまま(というか日本語がちゃんと書けてない)人が結構いる。
なんで読まれないんだろう、と嘆いている方の作品を読むと、正直「文章の初歩ができていない」と感じさせてくる作品に出会う率は高い。頼まれて指摘したこともあるが「純文学なので」「わかりやすいだけが正しいですか」と素直に聞いてもらえないことが多くて…黙ってブラバするクセがついてしまった。
きっとどの作品も熱意が一杯こもってて、見せたい場面、キャラを考えて書かかれた大事な作品だ。でも、文章がわかりにくい、ひっかかるというのはやはりストレス大で、せっかくの見せ場前で読み手を離してしまう…読みやすさのために3回はじっくり見直す派として、推敲大切にしようよ!と主張したい。
推敲のときに一度声に出して(つぶやきでも、心の中ででも)読み上げてみるだけで、この文直るんじゃないか? と思うケースは多かったりする。自分で書いた文の表現、句読点まで正確に音にしてみると、ひっかかりは相当拾えるはず。自分も推敲で多用している。
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