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「今日はコンテナ不足と海上運賃の...」、@Malaysiachansan さんからのスレッド

今日はコンテナ不足と海上運賃の高騰、そしてそこにどの様にコンテナリース会社が関係しているのかについて書きます。ここで書く内容はかなり専門的であり、尚かつ殆ど知られていない情報です。できる限り分かり易く伝えたいと思いますので、長文をご容赦頂ければ幸いです(1/17)

まず最初にコンテナリースの種類について説明します。一口にコンテナリースと言っても、幅広い種類があり、大きく分けて下記の3つがあります。

・長期リース(5〜8年)
・短期リース(数カ月〜2年)
・マスターリース(都度)

※()内は契約期間

そしてそれぞれのリースに強い会社があります(2/17)

この点で上場している様な大手のリース会社は、圧倒的に長期リースを扱っています。彼らはSPCを組成し投資家から資金を調達します。そしてその資金で大量のコンテナを購入し運用します。彼らは長期的なリターンが必要になるのて安定した投資が求められます(3/17)

その為、当然5〜8年にわたり安定的な収入が見込める長期リースを扱う事になります。なぜなら短期リースやマスターリースは需要が余り無い時期には大量のコンテナの在庫が港に留置されてしまい、安定的に運用できないためです。つまり長期リースが大手リース会社の高利益率の源泉となっています(4/17)

さてここまでは教科書的な内容です。ネットを少し調べれば出てくる情報です。ここから先は大手リース会社の収益力について、更に業界の裏側についてお伝えしていきたいと思います(5/17)

今回のパンデミックの様な事態が起きると、各国で輸出入の不均衡が生じ、コンテナ不足が起きます。その際に大手リース会社にとっては、長期リースで貸し出したコンテナは既に手元に無いので、このコンテナ不足の機会に更に儲ける事は難しくなります(6/17)

それでどこかからコンテナを調達する必要があるのですが、そこで登場するのが短期リースやマスターリースです。これらのリース市場は中小規模のリース会社が扱っています。ただコンテナリースの仕組みは複雑でリース調達に製造会社とのコネも求められる為、誰もが参入できる訳ではありません(7/17)

実はこの中小のリース会社の多くは、大手リース会社から独立した企業で形成されています。もしくは大手リース会社のステークホルダーが自ら設立する場合もあります。そして多くの場合、BVIやケイマンといったタックスヘイブンを本社所在地として登記しています(8/17)

ただそこでビジネスを展開する訳ではなく、短期リースやマスターリースの需要が大きい港をベースにする事になります。これは言い換えるなら、コンテナの積み替えの需要が多い港という事になります。アジアで言えば、香港・シンガポール・マレーシアのクラン港などがそれに該当します(9/17)

一方で日本の港は輸出入の物量は多いものの、立地的に海上の要衝に位置している訳ではない為、積み替えの需要は大きくありません。そのため中小のリース会社で日本に拠点を置いている会社は殆どなく、その存在は余り知られていません(10/17)

ここで海上輸送において、コンテナリースが必要になる際の流れについて整理しておきたいと思います。それは下記となります。

【荷主】
 ↓
【フォワーダー】
 ↓
【船会社】
 ↓
【大手コンテナリース会社】
 ↓
【中小コンテナリース会社】

という流れになります(11/17)

つまり船会社がコンテナを更に必要とした場合、まずは取引のある大手リース会社に打診します。しかし大手リース会社は長期契約が主体で手元にはコンテナが無いので、更に中小のリース会社に打診します。中小のリース会社は大手リース会社と直接交渉する力はないので、それが慣例となっています(12/17)

ここで中小のリース会社は手元にあるコンテナの在庫を大手リース会社に貸し出します。次に大手リース会社は、中小から借りたコンテナを船会社に貸し出します。言わば又貸しですが、この際に数十%の価格を上乗せして貸し出します。つまり大手リース会社はノーリスクで利益を確保できるのです(13/17)

この様な業界構造が大手リース会社の最大の強みとなっています。彼らは平時でも長期リースの契約から利益を確保し、有事には短期リースを仲介する事で更に利益を確保します。これにより、営業利益率50%という尋常でない利益率を確保する事に成功しているのです(14/17)

一方でこの様な業界構造は殆ど知られていません。フォワーダーは勿論、船会社であっても知らない人が殆どです。なぜなら船会社はコンテナが確保できさえすれば良い訳で、大手リース会社が短期リースのコンテナをどこから調達したか?などは彼らのビジネスにとって殆ど関係の無い話だからです(15/17)

また大手リース会社も規模の割には少数精鋭で事業を営んでいます。恐らく大手リース本社で勤務経験がある日本人は殆どおらず、ましてその先の中小のリース会社の業務に絡んだ事がある人は、ほぼいないのではないかと思われます(16/17)

それでこの様な業界構造は幸か不幸か殆ど明るみに出る事なく、何十年も続けられてきています。つまり大手コンテナリース会社は「絶対に負けないビジネス」を展開しているのです。これが現在の海運業界の現実なのです。これで良いのでしょうか。長文お付き合い頂きありがとうございました(17/17)

香港・マレーシアでコンテナリース関連会社を経営中。マレーシア在住。コロナ前は世界中の港へ出張し、年50回国際線搭乗、シンガポール航空PPSクラブ最上級会員。しかし贅沢を忌避し、KLから遠く離れた片田舎で清貧に暮らす変わり者。食事はRM10(250円)以下で。体型はモデル、頭髪はハゲの40代前半。

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  2. ちゃん社長
  3. 2021/01/15 08:32:47 公開
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