「なんか電気代がいきなり10倍にな...」、@myceliumR さんからのスレッド
なんか電気代がいきなり10倍になったり、電気小売り会社が倒産して突然電気が止まったりっていうのが相次いでるから、これを機に「民営化したら水道もこうなる」って認識が広まったらええな
何気ないツイートだったんだけどえらい拡散されて、おかげで有識者ツイッタラーにいろいろ教えてもらえた。とりあえず電力に関しては“小売自由化”によって市場連動型プランが生まれ、電力の市場価格が上がると電気代が高騰する事態になったが、水道の民営化は“設備の維持管理の民間委託”なので別の話。
この“小売自由化”と“事業の民間委託”がどっちも「民営化」として混同されてるせいで、「水道の民営化で価格が高騰したり安定供給されなくなったりするのでは」と懸念されがちだが、現状において水道に関しては“小売自由化”の予定はない。また“民間委託”も、施設の所有権は自治体が有しているので安心。
で、“水道事業の民間委託”に関しては、もともとは浄水場や水道管等のメンテナンスといった業務もすべて水道局員が行っていたが、公務員削減によって水道局員も減らされ、人員も技術も足りなくなってしまったので、民間企業(=水道の専門家集団)に外注しなければ設備が維持できないという状況らしい。
高い技術と専門のノウハウを有する民間企業に委託した方が費用対効果が高く、限られた予算でより高いパフォーマンスが期待できるし、コンセッション方式(施設の所有権は自治体が所有したまま、水道事業の運営権を民間企業に委ねる方式)なので価格は自治体がコントロールし、安定供給も維持できる。
「民間企業では倒産が心配」と思っていたけど、水道に関してはそれも対策されている。画像は浜松市のサイトより抜粋。
city.hamamatsu.shizuoka.jp/suidow-s/suido…

とにかく“水道の民営化”と言われるものは“小売自由化”とはまったく別の話なので、電力価格高騰の引き合いに出すのは適切ではなかった。ちなみに水道代は、“民営化(事業の民間委託)”とは関係なく上がるんだって。なぜなら人口減少により、使用者ひとりあたりの負担額が大きくならざるを得ないから。
人口が減ったからって浄水場や水道管を減らせるわけじゃないから、維持管理コストはそのままか、修繕のためにもっと費用が必要になるかもしれないのに、水道代を払う利用者の数は減るんだから、ひとりあたりの料金が増えるのは当然だよね……だからこそ民間委託で維持管理コストを下げなきゃいけない。
……というようなことを親切・丁寧に教えてくださった㈱松下工業 @mkctoyama 様、ありがとうございました!たいへん勉強になりました。インフラを支えてくださっている技術者の方々には本当に感謝です。