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「女児審神者からオトモダチの証で...」、@R_404_ryo さんからのスレッド

女児審神者からオトモダチの証であるセボンスターを賜ってから滅多に買い物しない松井が萬屋で螺鈿細工の小物入れを買ってきて数百円のセボンスターを大事に保管しているお話は何度もしたい

ここの初期刀は蜂須賀虎徹で蜂須賀の部屋には額縁に納められた沢山のセボンスターや駄菓子屋で購入した大きな石がついた指輪が飾られており主との長い付き合いと信頼関係を物語っている。
長曽祢虎徹がセボンスターを賜った時に弟の色である金に藤色の石がついているものを頼んだのを今も気にしている

女児審神者は審神者になる前は普通の女児をしていた、幼稚園に通いお友達と遊び休日は朝からアニメを見て親との買い物を楽しみにしていた普通の女児。
女児が就任した際、本丸に持ちこめた品はお絵描きセットと宝物のセボンスターだけ、セボンスターは女児が与えられる最上級の信頼と友情の証だった

今までお買い物の際にしか買ってもらえなかったセボンスターだけど、実は通販で一度に沢山買えると初期刀が教えてくれた。
浮世離れしたお姫様のような初期刀は「本物」であることへの拘りが強いようだったけど、セボンスターへの理解があった

「与えられた名に相応しい輝きを持ってあなたに愛でられている良い品だね」
初期刀は女児の趣味にも価値観にも文句を言わない
けど物は手に入れる過程や確かな出生と名前があることで他にかえ難い価値が付随する、これが大事な品なら沢山あるからといって大盤振る舞いするものではないと教えてくれた

審神者に初めて物の価値を説いてくれた初期刀には贋作と呼ばれる兄弟のようなものがいた。
実戦で活躍した経歴を持ち、贋作とされながら持ち主の人生という物語に命を吹き込まれた刀だ
初期刀は彼に冷たかったけれど、その頃にはセボンスターに理解を示した初期刀の真に思うところには察しがついた。

女児の本丸には初期刀以外にも沢山の刀がいる。
兄弟が多い者、記憶の無い者、実戦で使われた者…女児の時代で刀というのはどちらかと言えば美術品で、「最近実戦で使われました」なんてものはいない
それ故か本来の使い方をされた頃を懐かしんだり思い出として語る刀もいた。

けれど人を斬った経歴は誰にとっても美談というわけではないようで、早くに顕現していた細川家の刀もその逸話と名前の由来については思う所があるようだった。
物事の因果とその良し悪しはさておき触れられたくない者もいるというのは女児にも分かる
江の名物を名乗る彼もそんな刀の一振りだ

「絵本に出てくる偉い人っぽい」それが第一印象だった
青いリボンが素敵な彼は事務仕事が得意だと自称していたので早速パソコンの部屋に案内したのだけど、倹約家の彼に毎月の通販購入履歴が見つかってしまい渋い顔をされる。
本丸に来て日の浅い彼にとってその必要経費は浪費にしか見えなかったのだ。

松井は女児が集めるセボンスターに理解が無かった。
見たところ素材は金属ではないし飾りの石も本物じゃない、無駄な出費をしない分身に付ける物には拘りを持つことが真情な松井には測りかねるそれを女児は大切に扱い、交流の深い刀に与えたりもした。

審神者になる前の女児は凡そ食玩と呼ばれる物が好きだった、幼稚園の帰りにする夕飯の買い物で母が買ってくれたり仕事帰りの父がお土産と一緒に買ってきてくれたりするそれが日常の中では大きなイベントであり二つとない思い出だ
本丸に集まる刀にもそんな細やかな思い出と友愛を受け取って欲しかった

親元から離れて本丸を営む女児にとってここに集まる刀達は皆家族で友人で、たまに腹も立つ大切な存在だ、女児も刀達に思いやりを持って接していた、だけど松井は少し特殊な刀だった。
戦う事が好きな刀は結構いたけど松井はなんだかそれとも違って見える、なんだか自分が大事じゃないみたいだ

松井は出陣すれば大なり小なり必ず怪我をして帰ってくる、それは練度が上がっても変わることはなく、周りも松井の血の気の多さと彼個人の事情によるものだと受け入れた。
刀には色々な物語と事情がある、それは今まで沢山教わってきたことだけど、松井の在り方は女児にとって随分悲しいものだった

松井の在り方を作る過去は変えられないし、その物語がどんなものでも個人の視点から見ただけのものを理由にして安易に同情することは松井への侮辱になる。
悩む女児に土いじり好きな刀が教えてくれたことは少し難しかったけど、不安を示すよりも松井の歴史の中にいる「仲良しな人間」になろうと決めた

松井と仲良くなるべく女児は松井のことを調べてまわった。
赤が好きで、倹約家で、オシャレで、書類仕事が得意、野菜よりはお肉が好きで、鼻血が出やすい、畑仕事は好きじゃないみたいだけどそれは我慢してもらう、女児は仲良しにはなれど依怙贔屓はしない主義だ。

相手を知っているということは懐に入るにはとても有利に働くのだと元監査官の刀が教えてくれた通り、女児は松井に近付けた気がした。
怪我は相変わらず絶えなかったけど、心配や同情をするよりも「沢山活躍したね」と労うようにしたら今まで無かった誉の報告と松井の勝率を教えてくれるようになった。

女児にとって「怪我の絶えない危うい刀」だった松井が「元気すぎて流血するまで止まらない刀」になった頃、松井もまた女児の収集品には意味があるのだろうと理解を示し始めていた。
集めて眺めて満足する、ただそれだけのために大枚を叩く者達を松井はよく知っている。

誰かが作り、誰かが「これは良い品だ」と価値を決め、他の誰かがそれを欲しがり、人が欲しがる良い品にはまた物語や価値がつく、そうやって物の価値というのは川のように流れて変わり続けて人から人へ渡ってゆく。
女児もまたそうして誰かに価値ある物と歴史を繋ぐ川の一筋だ

昔の持ち主と縁の深い刀が「眼識がある、雅で結構」と喜んでいたのを思い出しながら、松井は女児の琴線に触れた自分を少しは大切にしようと初めて己を顧みた。

女児と歩み寄ることができ、松井も自分を顧みた戦働きをするようになった頃
刀達に配られている誉のポイントカードがいっぱいになった。
流血沙汰にのめり込みいつか何処かで呆気なく折れてしまうのだろうと思っていた頃は貰うことなんて考えたことも無かったご褒美はもう決めてある

「あなたの御眼鏡に適う品を僕も賜りたいのだけど」
膝をついて目線を下げた松井の首に女児は赤い大きな飾り石のついたセボンスターをかけてあげる
その後ろでこれまで沢山のセボンスターを賜った初期刀が嬉しそうにしていた。

おしまい。

オマケ
セボンスターの保管方法は刀により様々
蜂須賀→いっぱい持ってるから色別に額に入れてる
歌仙→桐の箱に入れてたまに眺めたりお茶の席で着ける
山姥切→最初にもらったのを御守り袋に入れてる
清光→専用のジュエリーボックスがある
吉行→灯りや太陽に透かすと綺麗と教わったので楽しんでる

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  2. 🐄リョウ🥩
  3. 2021/01/16 12:55:35 公開
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