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「堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こ...」、@hayyu54023 さんからのスレッド

堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こった出来事』原著と対照しつつ読んでるんだけど、3章が終わった時点でほぼ毎ページ削除箇所があるし2章に至っては意味の分からない編集行為が加わってるし、そもそも目次からしてChapterの数が原著と邦訳で合わない…どっか吸収合併されたChapterがあるってこと?

堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こった出来事』原著と対照しつつ読んでるんだけど、3章が終わった時点でほぼ...

とりあえず削除箇所に関してはこんな感じ。

Chapter4、原著だと約9ページほどあるんだけど、堀越訳だと、主人公がフリント夫人にいじわるされた話、祖母の最年少息子ベンジャミンが北に逃げようとして失敗する話、牢屋(留置所?)での家族との再会、などなど、約7ページ分の文章まるっと削除されて、スッとChapter5に飛んでるんだけど……

とりあえずChapter4まで原著と邦訳を対照したけど、なぜこの日本語訳()を出版社や編集部が容認したのかがいまだに理解できない…削除箇所以外にも、日本語としてはキレイだけど原文の修飾関係とは違う文章、みたいなものがあって全然…もう……なにこれ……読むのつらい…………

まじでお節介だし余計なお世話なんだけど、漫画版の今後の展開が心配になってきた…堀越訳でカットされちゃってる部分って、漫画版ではちゃんと挿入されるのだろうか…

堀越訳が「翻訳」として出版されてしまう状況、もはやホラー案件なんだけど…原文の話の順番を入れ替えたり、原著で主人公が「We (私とベンジャミン)」を守護にしてる箇所から勝手にベンジャミンの存在を消して「私(I)」にしたり、原著と邦訳で目次のChapter数が違ってたり、もう滅茶苦茶だよ……

堀越訳『ある奴隷少女に起こった出来事』、Chapter5対照した。21世紀の日本人読者向けに翻訳したいという欲求が強すぎて、ハリエット・ジェイコブズが「奴隷制のなくなった北の人たち」を想定読者に文章を書いていたのが分からないようによく工夫して文章内容に変更を加えてるんだなぁ〜しゅげぇ〜〜

これさ、新潮社の方で翻訳にチェック入れる係の人とか、校閲の人とか、マジでなかったのかな?やれIndependentで記事になった、やれLe Mondeで特集されたなんて浮かれてる場合じゃないですよ。こんなbelle infideleで。勝手に原著者の意図を歪めて現代日本人向けに改変しました〜ってヤバすぎるよ。

Chapter6対照。ラスト3パラグラフ、まるっと削除。まあ、これ以外にもちょこちょこ削除箇所あるんですけど……原文では南部の女性の結婚観・男性観等に言及してるけど、堀越訳ではばっさりカット。読み進めたらそのうち出てくるのかな〜どうかな〜

これでもまだ原著の7分の1程度しか読み進めてないんだぜ?すごくね??

厳密にタイムライン追ったらまだ北部でも奴隷制は終わってないのか。リンカーンが宣言出してるのが1862年9月で、ハリエット・ジェイコブズの執筆・出版は1861年前半だから。

うっかりChapter7の対照始めちゃったんだけど、開始10秒ならぬ開始10行でさっそく翻訳者の削除が入った。文字の読み書きが分不相応な能力とされていた時代に元奴隷の人が書いた文章を容赦なく削るなぁ。ようやく日の目を見たサバルタンの声が、異国の地でどんどん変声されてゆく……

堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こった出来事』、もしかして原著のChapter8をまるごと削除して、Chapter9を第8章に繰り上げてるの…?

そうだよねぇ〜著者の奴隷制に関する政治的見解とか、著者の人生からオフトピックな他の奴隷の話とか、当時の女性特有な感傷的文言の重複なんて、現代の日本語読者には必要ないよねぇ〜〜南部の奴隷所有者が北部の悪口言って奴隷に脱走を諦めさせようとしてた話とか、知らなくても構わないよねぇ〜〜〜

ちょっと待ってほんまにChapter1つまるまる削除したんか???

削除されてる………………

とりあえず章の構成だけ確認した……Chapter12、まるごと削除。Chapter13、まるごと削除。Chapter35、半分以上削除しつつChapter36の途中からつなげて「一章分」に悪魔合体(邦訳、第32章裏切りが該当箇所)

驚愕なのが、「政治的見解やその描写」「著者の人生からはオフトピックな人や出来事」「当時の女性特有の感傷的な重複箇所」以外の部分もガンガン削ってるとこですよ…Chapter13なんて著者が教会に通い見聞きした体験話が主なんですけど…フリントに俺の言うこと聞けってどやされてますけど……

Chapter2のばっさりカットで約7ページ、Chapter12・Chapter13のばっさりカットで約11ページ、その他諸々あっちでchop-chopこっちでsnip-snipしてる削除箇所を累積すると、原著(約160ページ)の10%以上が「翻訳者と出版社の協議」によりカットされたことになるのかしら……

「翻訳」とは…………………………………

しょんもり。

今のところ確認できた削除されたらしき箇所やChapterが他の章に出没するのではないかと期待しつつ、続きはまた明日やる…Chapter4の編集行為は確かに「キレイな日本語訳」の一助になってるんだけど、ある意味「キレイな日本語訳」を作るためなら原文の削除・編集も躊躇わないって一例になるわけで……

げえ、また新たな悲しい発見しちゃった。原著の冒頭に書いてある著者のメッセージが、堀越訳だと全部削られて聖書の引用のみになってる。ここってハリエット・ジェイコブズが北部の人達に直接呼びかけてる部分で、原著の主題を端的に表した大事な部分だと思うんだけど…なんで削ったの…

もしかして「本書を「奴隷文学」「アメリカ史」「女性史」の一文献としてお読みいただくことを想定していない」からですかね…………………

ところでChapter9(堀越訳の第8章に相当)がどれくらい原文を削除してるのかって話はしましたっけ………………30〜40%くらい文量が減らされてるんですけど…………あれかな、ハリエットの人生に関係ない話()だからかな………………

じゃあなんでハリエット・ジェイコブズはその描写、その説明をその場所に入れたんだよ……なんで削除するねん………………

原著で長文になってる箇所を、日本語の文法や表現に合わせて二つの分に区切ったり、短い文同士を接続詞で繋げて一つの日本語の文にしたりってテクニックは、たしかに便利なんですが、あまりにも原著の文の接続を好き勝手に切り貼りしすぎじゃないかね…そこまでしてド〜〜〜ラマティックにしたいか?

原文: Now that the truth was out, and my relatives would hear of it, I felt wretched.
堀越訳: しかし、いまや真実は明らかになり、わたしの身内の耳にも入るだろう。みじめだった。
拙訳: しかし、真実が明らかになった今、私の身内にもこの事を知られるのかと思うと、みじめな気持ちになった。

こんな感じの、ちょっと微妙な訳だけど、まあ、誤差の範囲かな……みたいな訳が頻繁に出てきて、もう少し原文の内容や意味の流れに沿って訳すこともできたと思うんだけどな……という気持ちになっている。

bitter tearsというブレーズ、辞書で調べると「悔し涙」「血涙」「悲痛な涙」「悲嘆の涙」といった訳語が出てくるのだけど、堀越訳では字義通り「苦い涙」と訳されていて、うーん…訳語の選定は日本語の感覚の問題もあるので、この場合は私の感覚が訳者とは合わなかったってことなんだろな…

原文:”Perhaps your mother and father are taken from the evil days to come.”
堀越訳:「生きていても、つらい目ばかりだったから、早くお導きになったんじゃないのかね」
→「あなたのお母さんもお父さんも、これ以上悲惨な目に遭うことがないようにと、神様がお導きになったのかもしれない」?

Chapter12, Chapter13がまるっと削除された直後なのでChapter14(堀越訳の第11章に相当)が約1/3削除されててもなんてことないです。主人公が教会で自分の赤ちゃんに洗礼を受けさせるシーンですけど、翻訳者と出版社的には「現代日本の読者には不要なシーン」なのでオッケーです。嘘です全然ダメです。

当初は「ゆーてそんな原文削除した箇所なんてちょろっとしかないやろぉ〜テキストで文字起こしくらい余裕やわぁ〜〜」と考えてたんですが、いかに私の予想が甘っちょろかったかを再確認している今日この頃。もはや傍線引く用ボールペンのインク残量との戦いである。がんばれ緑ペン!

Chapter15(堀越訳の第12章)削除箇所。約5ページ中、3/5ページ程度のカットなので、まあ、誤差の範囲です。丸ごと消されて存在すらなかったことにされたChapter8、12、13に比べたら……うっうっ

Chapter16(P73,L11〜P80,L24)の削除箇所と生き残りたち。P73,80は削除箇所なしだっけど、P74〜79は何かしら削除されてまね。

Chapter17(堀越訳の第14章)!Chapter1,10に次ぐ削除量の少なさ!!原文2ページちょっとしかないのに9行くらいしか消されてれてない!!!よく生き延びたなおまえら!!!!

ごめん自分でも何言ってるかちょっとよく分からないけどこうでもしないと正気を保てない。翻訳者と出版社の裁量で原文にある文章を勝手に削るのはやめましょう。単語レベルなら日本語の表現上仕方がないこともありますが文章・パラグラフ単位での削除は避けましょう。

Chapter18(堀越訳第15章)も稀に見る削除量の少なさ。削除箇所が消された理由は、内容が著者の政治的見解とか、主人公の人生から逸脱する登場人物の記載とか、当時の女性特有の感傷的の現代では感傷的に響く重複とか、そんな感じの理由なんでしょう。

Chapter19(堀越訳第16章)、ここも削除箇所が少ない!約4ページある中で、削除箇所がここだけ。そして、なんと!Chapter20(第17章)はおそらく削除なしです!全くのゼロ!ここだけはまごう事なき「全訳」!これほど緑ペンを必要としないChapterがあっただろうか…

前半20 chaptersをチェックしての感想なんだけど、今のところ訳者が削除理由を説明した箇所以外にも聖書・聖歌の引用とか、教会での出来事とか、Nat Turnerの話とか、なんとかラインの話(名前忘れた)とか、校閲に時間がかかりそうな部分もかなりの部分削除されてる。泣く泣く削除したレベルじゃない。

Chapter21(堀越訳第18章)、約3ページあるうちの9/10ページを削除で、あっいつもの感じですね…という感じ。主人公が見守る中、息子のベニーがフリント医師に足を踏みつけられて「道を開けろ!でないとその首ちょん切ってやる!」と脅迫されるシーンもカットで〜す。

Chapter22(堀越訳19章)、約2ページ有り。奴隷の中でもより低階級の人々がクリスマスの朝に被り物を付け、音楽を奏でつつ歌いながら家を一件一件訪ねて施しをお願いする場面だけカットでーす。

Chapter23(堀越訳第20章)、約3ページ。9行ちょっとしか消されてないし、まぁ…理不尽な女主人の罰から逃れようと川に飛びこんで死んだ女奴隷の話とか、奴隷制を褒め称える南部の白人議員の話とか、日本の読者は知らなくてもOKって判断なんでしょう…著者の人生に関係ないし、政治的な描写だもんね…

Chapter24(堀越訳第21章)、約2ページ。ああ、綺麗だよ、君はなんて綺麗なんだ!削除箇所など少しもない、とっても綺麗な原文だよ!!
Chapter25(堀越訳第22章)、約4ページ。ドキッ★ニューヨークからのお手紙大作戦!〜フリント医師とブラフの張り合い〜に協力してくれたピーターが消されました。

Chapter26(堀越訳23章)、約3ページ半。ええ…いやあ…前半はほとんどカットがなかったからさ…まさか後半で主人公の弟の話が丸々1ページ分カットされるとは思わなかったよね……

Chapter27(堀越訳24章)、約5ページ半。5ページ中3ページは傍線を付けずに済んだので、まあまあの無修正率では…?

Chapter28(堀越訳第25章)、約3ページ半(足かけ5ページ,P118-122)。118ページ目から、4行……13行……25行……12行……9行……うん、63行の削除で済んだな!!!

※Chapter28(堀越訳第25章ナンシーおばさん)から削除されたのは、①フリント夫人の世話のために、新婚のナンシーおばさんが部屋の床で眠らされてた話、②隠し部屋にいた主人公をナンシーおばさんがいつも勇気づけてくれた話、③ナンシーおばさんの死を悲しむ母親(主人公の祖母)にフリント医師が→

おいうちをかける話、④祖母を心配する主人公をフィリップおじさんが慰める話、⑤奴隷にしては盛大にに執り行われたナンシーおばさんのお葬式にフリント夫人が来て、これ見よがしに涙を流していくものの、フリント家はびた一文葬式代を支援してない話。主人公の人生からは逸脱した話だから仕方ないね…

Chapter29(堀越訳26章)、約7ページ。約34行分程度の削除なので、なかなかパス率高め。このChapterは他の章と比べて削除の入り方がかなり細かいので、訳書(新潮文庫版)ではどこを削除したのかが読者には分からないよう工夫されてます。

文庫版紙面。緑の線を引いたところが、本来ならば削除された箇所が書いてあった場所。実は原作って改行がすごく少なくて、堀越訳は改行を増やして可読性を上げてる点でめっちゃ優秀なんだけど、こんだけ色々削除されて物語の筋を変えられちゃうとだからどうしたって話ですよね……

Chapter30(堀越訳第27章)、約2ページ半。削除はたった9行分なので原作の大勝利です!※負けです
ちなみに消されたのは船長と船乗りが主人公に親切にしてくれる場面でした。やったねたえちゃん!※何も良くない

Chapter36(堀越訳32章)まで確認したけど、自由州(北部アメリカ)での人種差別、主に主人公リンダが白人たちにやられた事、をこれでもかと言うほどに徹底的に削除して翻訳していらっしゃるので、自由州があたかも天国のよう。一体どこのどなた様がこんなに原著の文章を切り刻んで翻訳したのかしらん?

アイルランド人の御者に騙されかけた話、蒸気船ニッカボッカでの「お茶の席なんてありませんよ、貴方は黒人でしょ」の話、ホッブス夫人に「貴方の娘に教育は不要ですよ、従者候補ですもの」と言われた話、ボストン行きの船で「黒人は船のデッキで寝るのが普通ですから」とチケット売りに言われた話……

みーんな堀越訳では削られちゃった♪だって読みにくいんだもーん♪著者の奴隷制に対する政治的見解や描写なんだもーん♪著者の人生からは逸脱する登場人物に感する記載なんだもーん♪当時の女性特有の現代人には感傷的に響く重複表現なんだもーん♪現代日本の読者は知らなくてもOKなんだもーん♪♪♪♪

寝るか………………………………………

かろうじて「そこそこ綺麗に生き延びたChapter」もあるけど、Chapter31〜36は全チャプターで何かしらの文章・パラグラフ・ページ単位の量の文章が削除されてる………なお現段階(Chapter1〜36の範囲)で述べれば「翻訳」と呼べるのはChapter20と24(堀越訳第17章と21章)だけです…………

傍線の引き方が「まさかそんな部分を削除してるだなんて」じゃなくて「まさかそこまで訳してただなんて」になりつつある

疲れたから続きはまた明日やろうね…もう今日だけど……

Chapter31(堀越訳第28章)、約3ページ半。約32行半分の削除でした。カットされたのは、主人公が「levy(課税)」を知らなかった話、ダーハム夫妻宅で会った奴隷解放運動のアクティビストが渡航費の支援の申し出を受ける話など。

Chapter32(堀越訳第29章)、約3ページ。約18行のカットなので、翻訳率高めです。やったね!ちなみに削除されたのは、主人公がニューヨークの駅前でアイルランド系の御者に騙されそうになる話、ファニーが反奴隷教会の紹介先に泊めてもらう話らへんです。

Chapter33(堀越訳第30章)、約2ページ。17行ちょっとのカットなので、ほどほどの翻訳率ですね!今回の削除対象は、主人公の父なる神への感謝と、ホッブス夫人が娘エレンの眼病を放置してた話です。削除されても仕方ない内容だから仕方ないね!※ダメです

Chapter34(堀越訳第31章)、約2ページ半。
Q.たった2行半の削除なので「全訳」って呼んでいいですか?
A.ダメです。

Chapter35(堀越訳第32章前半)、約2ページ。怒涛の削除祭、はっじまーるよー♪
※奴隷制のない北部に来た主人公が「黒人だから」という理由で人種差別を受けて自由州に幻滅する大事な場面数々です。

Chapter36(堀越訳第32章後半)、約4ページ。途中までカットなしだったんですが、最後の最後にやられました…約37行分……この日本語訳は、主人公が自由州で経験した人種差別をあくまでも「なかったこと」にしたいらしい……

Chapter37(堀越訳第33章)、約2ページ。
怖い、怖いですね…気がついたら約36行分の文章が消えてたんですよ…おかしいですね…主人公が「南部で最も好待遇の奴隷より、イギリスの最貧労働者の方が恵まれてるし、教育も受けられるし、聖書を誦じても鞭打ちの刑に処されない」と嘆いたりしてるのですが…

Chapter38(堀越訳第34章)、約2ページ。フリント医師の追っ手からは逃れられても、翻訳者と出版社の削除行為からは逃れられないリンダ・ブレントもといハリエット・ジェイコブズ………………

Chapter39(堀越訳第35章)、約1ページ半。なんと、朗報です!Chapter20、24(堀越訳第17章、21章)以来のノーカット版です!!勝訴!!!
Chapter40(堀越訳第36章)、約4ページ。ですよね……知ってた………前Chapterがあまりにも綺麗だったもんで期待してたんだけど、私の勘違いだったみたい…………

Chapter41(堀越訳第37章)、約6ページ。
最終章ならカットされないと思いました?
残念!!!

オマケ。ハリエット・ジェイコブズに手記を書くよう勧めたリディア・マリア・チャイルド(編集者)による序文、および奴隷廃止論者のエイミー・ポスト、ジョージ・W・ロウサーによる付録(Appendix)もカットされています。まあ、本編に関係ないんで……現代日本の読者には不要という判断なんでしょう……

というわけで、ハリエット・ジェイコブズ作・堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こった出来事』のワクワク英日比較〜堀越訳から削除された記述を探してみよう!編〜でした。お疲れさまでした😊

追記。堀越ゆき訳『ある奴隷少女に起こった出来事』が削除した部分の行数をカウントしたら約1887行分でした。Dover Thrift Editions (2001)は、1ページ当たり43行なので、ページ数に直すと約43ページになります(恩情の端数切捨て処置)。著者の前書と本編で合計159ページなので、約27%の削除率ですね。

ちなみに、編集者のリディア・マリア・チャイルドやエイミー・ポストら奴隷廃止論者たちによる付録を含めると、全165ページになります。その場合、削除率は約26%です。いずれにせよ、堀越版では原著の約25%が翻訳されていません。「読みやすさ」のためとはいえ、あまりにも非道な加工・処理では…?

丁寧に確認すればするほど、翻訳者の後書きがいかに「本人にとって都合の良い言い訳」でしかない事がよく分かります。L.M.C.の序文を削り、ジェイコブズの文章を容赦なく切り刻み、Aポストらの付録を抹消した上で「本書は奴隷文学、アメリカ史、女性史の文献として読まれることは想定していない」と。

奴隷文学・アメリカ史・女性史の一文献として読めなくなるようなレベルまで、翻訳者自ら(&出版社の判断)で徹底的に加工しちゃったクセに、不思議ですね。少なくとも著者ハリエットは奴隷文学ないし奴隷による歴史的証言の一助になることを願って手記を出版したはずなんですが。

読めば読むほど、不思議な訳者あとがきだなあ。

追記2。底本の件は私も気になったので、Signet Classics版(2010)を取り寄せ中です。ただ、アメリカの出版社が聖書の引用部分を削除したり、Episcopal churchと書かれている箇所を毎回churchに変更したり、主人公が自分の子供に洗礼を受けさせるシーンをカットする等の→

細々した編集を行うとはちょっと信じられず…私の偏見かもしれませんが…。もしこれらの箇所の削除理由が「どの版を参照したのか」によるものならば、今後は読者のためにも、どの版を底本にしたのか明記してほしいですね…。

一応原著”Incidents in a Life of a Slave Girl”はパブリックドメイン化してるので、翻訳者や出版社が原文をどれだけ改変しようと違法ではありません。一応ね。コナンドイルみたいに「ハリエット・ジェイコブズ公式財団」的な著作権を管理する組織もなさそうなので、訴訟の心配も多分ないでしょう。

なにぶん原著が古いので、アメリカ(英語)での本文異同の話をされるとだんだん私の手にも追えなくなってくるんだけど……1861年版を底本にしたらしき別の英語版といまから比較する…?
english.hku.hk/staff/kjohnson…

いっそJean F Yellin氏に問い合わせた方が早いのでは…………

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  2. 宇宙猫ながよ🧼
  3. 2021/01/27 23:54:47 公開
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