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「アズくんと愉快なおともだち その...」、@jf_azul_0224 さんからのスレッド

アズくんと愉快なおともだち その3

「……で、何かわかったの?」
午後の授業を終えたフロイドは、アズールをつれてまっすぐクルーウェルの研究室に足を運んだ。
「……二人があの姿になったのは強力な魔法によるものだということがわかったくらいでしょうか」
己の片割れは楽しげに肩を竦めた。

「それって全然わかってねえってことじゃん?」
「ええ、そうですね」
お手上げです、とジェイドは笑う。
「アズールの方は?」
「これはもう自然に魔法が解除されるのを待つしかない、というのがクルーウェル先生の結論です。永久に持続する魔法はありませんから…………」
「そりゃあ、そうだけど」

フロイドはちらりと横目で小さなアズールの方を見た。
クルーウェルとぬいぐるみを前に一生懸命おしゃべりしている小さなアズールは、文句なく可愛いかった。
フロイドとジェイドを見るとふにゃっと柔らかく笑うのは言語を超越した可愛らしさだ。
でも、やっぱりいつものアズールを恋しく思う。

(────だって、しょうがないんだよ。オレは『現在(いま)のアズール』が好きだから)
あの小さなアズールもアズールには違いない。
でも、フロイドが惚れているのは、さまざまなことを経て自分の数歩前を歩く現在(いま)の……十七歳のアズール・アーシェングロットだ。

小さなアズールでは、どうしたって満たされない。
「最長でも一週間程度ということですから…………」
「げー、一週間…………」
「仕方がありません。…………その分はしっかりとりたてさせていただきましょう」
「そーだね」
「フロイド、アズールが戻るまでは僕らでモストロ・ラウンジを回します」

小さなアズールは、放課後はモストロ・ラウンジに来る気満々だった。つまり、この一件のためにモストロを閉めることはない。
「りょーかい」
「アズールがあれですから、物見高い人達がたくさん来ることでしょう」
「メニュー絞ろうぜ。単価高めで作りやすそうなものだけにして、席の回転率をあげる」

「…………ふむ。それはいいアイデアです」
「アズつれて、VIPルームでちゃちゃっとメニュー作っとく」
「アズを連れて、ですか?」
「あの部屋のパソコンのロック網膜認証だから」
「…………ああ、そうでした。何かあったときのために僕らも登録してもらったほうがいいかもしれませんね」

二人がだいたいの方針を決めたところで、にこにこ顔のアズールがやってくる。
「ふろいど、じぇいど、みてください。でいびすせんせいがくれました」
じゃーん、とアズールが目の前に突き出したのは、実験気姿のレオナと体操着姿のラギーだ。どちらもちゃんとサバナクロー仕様のものだ。

「デイビス先生?」
「クルーウェルが長くて言いにくそうだったんでな」
にやりとクルーウェルが笑う。
「イシダイ先生変態くさ~い」
「馬鹿いえ。アズからは最高にいい先生のお墨付きをもらったんだぞ」
クルーウェルは心底おかしげな表情で笑う。
「う~わ~、うさんくさ~」
かなり上機嫌だ。

「何か楽しいことでもありましたか?」
「……アズに聞け」
クルーウェルは今にもふきだしそうな顔で笑いを堪えている。
「アズール?」
「なんですか? じぇいど」
真面目な顔でジェイドの方を向く小さなアズールに、いつものアズールの姿が重なった。
幼いはずなのに時々ひどく大人びた表情をする

「…………何か楽しいことがありましたか?」
アズールは目を何度かぱちぱちとしばたたかせて、それからにっこりと笑った。
「あのね、らぎとれおくんのぱんつにはあながあいてるんです」
「え?」
「は?」
双子は思わず顔を見合わせた。
「しっぽのあなです」
ほら、とラギーの体操着のズボンを下ろ

して二人にラギーのパンツを見せるアズに悪気はない。
二人はぶほっとその場で噴き出した。
「あ~……アズ、レオくんのも見せてやれ」
「ぬいっっ!!!」
笑いをこらえながらクルーウェルが言うと虚無の顔をしていたレオナのぬいぐるみが猛烈な抗議をした。
「……イシダイせんせ、ひでぇ~」

「悪魔の所業ですね」
「れおくんのぱんつはくろのぶりーふなんです」
そう言ってレオぬいのパンツを見せるアズールは無邪気そのものだった。
だが、時として子どもの無邪気さは悪意よりもさらにひどい結果をひきおこす。
今の状態はまさにその典型だった。
子どものやることなので文句も言えない。

「……あのね、じぇいど。もすとろにいくまえに、みすてりーしょっぷによってください」
「はい。……何でですか?」
「らぎとれおくんのかえのぱんつとぱじゃまをかいます」
「あ~~、ちゃんと獣人用を買うんだぞ」
クルーウェルはとびきり親切な大人の顔をして言った。
「はい!」

アズールは良い子の返事をして、それから言った。
「ちゃんとあなのあいたぱんつをかいます!」
ジェイドとフロイドのこらえきれなかった笑い声に、クルーウェルの「good boy!」の声が重なる。
次から次へと襲い来る受難に、ぬいぐるみたちの表情は絶望と虚無を言ったり来たりしていた。

文字書き(青鯨ひいな)/成人済(20↑)/読むのは何でもな雑食/主食はイドアズ/イデアズも好き/夢もにょたも好きな雑食
ネタ放流アカウントです。いろいろぶん投げていますのでご注意下さい。
マシュマロ marshmallow-qa.com/jf_azul_0224

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  2. ひいな
  3. 2021/01/30 21:28:31 公開
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