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「今朝のグッとラックで生活保護の...」、@hirokim21 さんからのスレッド

今朝のグッとラックで生活保護の特集がありお話しました。権利(≠施し)である生活保護の利用がコロナ禍ですら進んでいないのは、窓口に行けない+窓口で申請できないという2つの組み合わせであり、生活保護を恥じる規範、資産要件、扶養照会、水際作戦などの壁が今なお高すぎることが根本原因です。

利用経験者の方がVTRで答えていたように、生活保護の利用=恥という規範はこの社会で広く内面化されています。番組でも最初に話しましたが、その規範の形成には一部の政治家などによる生活保護バッシングや自己責任論に無思慮に乗っかってきたこれまでのメディア自身にも大きな原因があります。

資産要件については、車や持ち家、貯金の額など、ほぼ身ぐるみ剥がしてから出直してというような他国に比べてとても厳しい基準が申請を妨げています。同時に、車や持ち家については認められる場合もあり、さらにコロナ禍で柔軟な運用の通知も出ているので、まずは諦めずに申請をという旨も話しました。

扶養照会についてはこれが申請を妨げる最大要因の一つとなっていること(つくろい東京ファンドの調査では約35%)、照会をしても1%前後しか扶養につながっておらず、職員の業務負荷を上げているだけで全く意味がないこと、結果的に生活保護抑制という裏目的にしか役立っていないことを話しました。

扶養照会の範囲も日本は他国よりかなり広く兄弟まで連絡がいくのは仕打ちでしかありません。また時間がなく話しきれませんでしたが、扶養につながる例外ケースが良かったねということではなくて、例えば生活保護を恥と考える家族が「扶養します」と言って実際のサポートはなしということもあり得ます。

こういった負の側面ばかりの扶養照会という仕組みですが、政府が本当に生活保護を使ってほしいと考えているのなら、その象徴的なメッセージとして扶養照会を一律に停止するという行動で示すべきだと思います。100の言葉よりも明確なメッセージです。ためらい続けてきた人たちの背中を押すと思います。

「窓口での申請」という場面の特殊性についても話しました。本来なら全く対等であるべきはずの関係なのに、よほど注意しないと生殺与奪の権を握る「窓口職員」が上で「申請者」が下という力関係が発生してしまいます。ここに大きなねじれがあります。権利が施し/お伺いにすり替わってしまうのです。

窓口職員の方が権利に基づく業務ができるよう、適切な情報やトレーニングを提供し、専門性に見合った水準の待遇を準備することは政府の責任です。誤った上下関係や見下しが発生しやすい環境だからこそ、日本全国に目を配り、適切にモニターし、状況をあるべき形に改善していく役割が政府にはあります。

コロナ禍で改めて明らかになった通り、失業や貧困を個人だけの責任に帰する議論は純粋に間違っています。コロナ禍は確かに特別ですがコロナ以前から失業や貧困は常に社会的な現象でした。危機に弱い不安定な雇用を企業のニーズに応えて増やしてきたのは政策です。自己責任でも自然現象でもありません。

貧困や失業は「個人の人生に発生する社会的な現象」です。ハイリスクな人生が一定割合存在するようこの社会は作られてきました。非正規雇用の失業の多さは雇う側から見ればメリットにもなるわけです。ならばせめて保護のシステムは家族主義や自己責任を捨てて社会化すべきです。それが最低限の筋です。

あえて書きますがこれらはずっと言われ続けてきました。現場で支援にあたってきた方からすれば当然の話だと思います。でも今知ったという人や広範なダメージが発生しているコロナ禍だからこそ初めて実感を持って理解できたという人も多いと思います。ぜひその実感と知識を広めてもらえたら幸いです。

ぜひ「つくろい東京ファンド」や「もやい」の発信を参考にされてください。@tsukuroitokyo @npomoyai

85年生|著書『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』講談社現代新書 amzn.to/2DHpex7|ウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」編集長 @nipponfukuzatsu|非営利団体等へのアドバイザリー

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  2. 望月優大
  3. 2021/02/02 12:16:28 公開
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