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「今日流体力学の講義で学生が小テ...」、@MasatoNakamura さんからのスレッド

今日流体力学の講義で学生が小テストの内容に文句を言ってきたので工学的な説明をしてからこう諭した『もし君が将来機械工学の技術者として就活してテスラやスペースX、NASAの面接を受けてこんな回答をしたら、君は不合格どころか笑われる。君には凄い技術者になってもらいたいんだ』
本当なんだよ。

君には本当に凄いエンジニアになってもらいたいんだ。多くの人々を助ける技術を開発したり、社会を便利により良くするためのシステムを発明したり、また人々の希望を与えるような存在になって欲しいんだ。

本当にそう思っているんだよ。。

ちなみに流体力学の講義で小テストに出したのは以下のシンプルな質問:

固体、液体、気体、プラズマのうち流体になり得るものは何?

固体と液体と気体
11.0%
液体と気体とプラズマ
21.2%
液体と気体
12.9%
4つ全部
54.9%
255票

ことの発端は以下の通り:
2021年の春セメスター(春学期)に流体力学の講義をスタートした。第一回目の授業は流体力学って言うけど流体って何?っていう話をしたい。でも予想通り物質って何?から始めなきゃいけない。なぜなら特に「物質の三態」の話を確認しないとここでつまずく学生もいるからだ。

一番わかりやすい水を例に取る。水は常温で液体。でも冷やすと氷になる。温めると蒸気になる。水は液体が個体にも気体にもなる。
もっというとあらゆる物質は温度と圧力によって、
個体
液体
気体
になる。でも近年もう一つの態、ステートが注目され始めている。それがプラズマ。温度と圧力を上げると

原子から電子がリップオフして(剥がされて)プラズマになる。だから
金属結晶の相転移やボーズ・アインシュタイン凝縮とかいろいろなステート・オブ・マターやフェイズ・トランジッションはあるけど
個体
液体
気体

プラズマ
の4つのステートが基本。
それで、

流体って何か?ってことだけど簡単に言うと、流れている物質のこと。それは、水などの液体、空気などの気体が流れたときのこと。つまり何かが流れたとき、流体力学で表現できる場合が多い。でもプラズマも忘れちゃいけない。電離した電子の海をイオンが流れるから流体なんだ。電磁流体ともいう。

だからプラズマもelectro-magnetic forceを伴う流体なんだ。

固体はどうだろう?固体は流れない?でも小さな粒子はどうだろう?固体でも小さな粒子は流れるよ。例えばさっきの例だと水が凍ったら個体の氷になる。でも雪はどうだろう?雪崩とかの映像見たことない? 砂とかもね、流れるよね。

そういうのは固体でもGranular materials(粉粒体)っていうんだ。雪や砂みたいに小さな粒じゃなくても、石とか岩とかもザーッと流れるよね。土砂崩れとか。君達が石炭採掘業界や石油産業、コンストラクション・インダストリーに就職すると岩や砂は流体として考えるのが当たり前なんだ。

ただ、この流体力学の授業で扱うのは液体と気体。メカニカル・エンジニアはガスやオイルうぃパイプで送ったり、エンジン作ったりするからね。

この第一回の講義の翌週(今週)出席をつけるのも兼ねてマイクロクイズと称して4ー5択の問題を作ってonlineで答えてもらった。そしてクレームが来た。

その問題がこれ。オンラインのマルチプルチョイスだから学生の回答がリアルタイムでわかる。クラス20人中正答はたった2人だけだった。どういうクレームだったかというと、

学生A「固体は流体じゃない。水蒸気や水は流れても、氷は固まって動かない」
僕「氷は固まったら動かないけど、割れて粉々になったら動くじゃない?」
学生B「割れても動かないときもある」
僕「あるね」
学生C「だから固体は流体じゃない」
僕「固体は流体になり得るって言ってるんだよ」

学生D「プロフェッサーやっぱり間違ってますよ。粉々になって粒になっても氷は動きませんよ」
僕「アバランチとか見たことない?」
学生F「…アバランチ?」
僕「雪崩とかスノー・スライドとか」
学生F「...」
僕「砂時計の中の砂は固体だけど流れ落ちるよ」
学生G「でも砂が大きくて狭い隙間

を通れなければ、動きません」
僕「流体になり得るって話をしているんだよ。例えばコーヒーを飲む。砂糖を加えたいからスプーンにそっと取る。砂糖は固体の粉だけどスプーンの上では動かない」
学生H「はい」
僕「でもコーヒーカップの上でスプーンを傾けたらさーっと流れ落ちるでしょう?」

僕「砂糖は固体、粉粒体だから流れることができるんだ」
学生I「納得いきません」
僕「何で?」
学生J「プロフェッサー、質問です。この機械工学科のこの流体力学の授業で扱うのは気体と液体ですよね?」
僕「うんそうだよ」
学生J「じゃあ気体と液体と答えても間違いじゃないですよね?」
僕「...」

僕「本当にそう思う?」
学生J「はい」
僕「わかったわかった。授業が終わったらこのクイズのことを話そう。今日のトピックの講義を先にさせてください。クイズに不満がある人は講義が終わった後残ってください。1時間でも2時間でも納得するまでディスカッションしましょう」
ーーーー
つづく

講義が終わったあと、先程の小テストのことでディスカッションしたい人のために時間を作った。しかし、あれほど文句を言っていた学生達の中で残ってた人はたった一人だった。
ーーーー
僕「Jくん残ってくれてありがとう」
学生J「詳しく知りたいんです」
僕「他の学生は怒って去っちゃったのかな?」

学生J「きっとクイズの点数を見直してくれそうにもないからディスカッションして無駄だと諦めたんですよ、多分」
僕「そうなの?てっきりみんなが文句言ってたのは、流体とは何ぞや? のディスカッションが不十分だったからだと思ったけど。まあ考えてみると自分の点数悪いと文句も言いたくなるよね」

学生J「まあそうなんでしょうね」
僕「それだったら悪い事したなあ」
学生J「どういうことですか?」
僕「いやね、オンラインのクラスで出席を取るのに学生がアクティブかどうかいちいち一人一人のマイクをアンミュートしたりすると非効率だから、簡単な4択5択のクイズを5-10分やってもらって、

先週のセメスター初日のディスカッションを思い出してもらいたかったんだ。でも5択でコンピュータだから自動的に採点しちゃって間違えたら10点中0点になっちゃう。それがクイズが終わったあとに採点結果も出ちゃったからびっくりして、文句も言いたくなったんじゃないかな?」

学生J「正に僕はさっきそういう心境でした」
僕「僕が今から採点して他のチョイスも8点とかつけてもいいんだけど」
学生J「ありがとうございます。それとなんで流体とは液体と気体のこと、っていうのが正解じゃないんですか?」
僕「さっき例に挙げたのは雪崩と砂糖。雪は氷・固体だけどスライドしたり

流れたりする。君達はニューヨーク市内に住んでてスキーあまりやらないだろうから雪山とか雪崩って馴染みないかもしれない。J君はスキーやる?」
学生J「やったことないです。スケートだけです」
僕「僕は日本のホッカイドウっていうアラスカやカナダみたいな雪国の出身だから雪山とか雪崩ってイメージ

湧きやすいんだけど。。まあ土砂崩れとかもそうだよね」
学生J「雨の時によく起こる山崩れとか」
僕「そうそう。土砂や土壌が雨で崩れやすくなる。普段崩れて流れるはずのない固体の土壌が条件が変わってスライドするんだよ」
学生J「でも固体も流体だって言えるとういことに抵抗があります」

僕「うーん気持ちはわかるけど、僕は『固体は流体じゃない』と言い切ってしまう事の方が抵抗あるし、違和感あるよ」
学生J「そうですか?」
僕「うん。じゃあ土壌、土についてもう一回考えよう」
学生J「。。はい」
僕「ニューヨーク市内は地震が殆どないけど、僕の生まれた国日本では地震は多いんだ」

学生J「カルフォルニアみたいに?」
僕「そうそう、日本とカルフォルニアは太平洋の両端だからね。海底のプレートが動くときに影響が出る」
学生J「。。はい」
僕「でね、地震で大きい揺れが起きたときに地面が揺れるでしょう?」
学生J「はい」
僕「その時に土が液体みたいに振る舞うときがあるんだ」

学生J「。。え?土が液体?」
僕「そうソイル・リクィファケーション(液状化現象)とかフルイドライゼイション(流動化)って呼ばれるんだけどね」
学生J「???」
僕「ほら、よく地震の後とかでマンホールが浮いてたり、地中のパイプが地表にせり出しているの見たことない?」

Image: Soil liquefaction - Wikipedia

Image: Soil liquefaction - Wikipedia

Found on Google from en.wikipedia.org

google.com

学生J「ああぁ何かニュースで見たことがあるような。。」
僕「それとか地震でビルが倒れるのも揺られて倒れるんじゃなくて、液状化で不均一に基礎が地面に沈んだりするから倒れるんだ」
学生J「へえー」
僕「土や砂、岩などの粉粒体は特に振動がある状況では流体みたいに振る舞う。でも考えてみると

液体(例えば水)だって分子のボールが振動しているから流れるんだ。だから極端に言えば液体も分子レベルの小さな粉粒体と考えることもできる。逆にマクロな現象で考えてピンポン玉やテニスボールを巨大なバケツに入れてドバーッとひっくり返したら液体を撒き散らかしたように拡散していくでしょ?」

学生J「確かにそうですね」
僕「それだけじゃない。余計コンフューズ(混乱)するかもしれないけど、高速道路の自動車🚗の流れとか渋滞研究も粉粒体の物理が応用されている」
学生J「🚗も粉粒体の流れなんですか?」
僕「そう考えると渋滞の自然発生とか説明できる事がわかってきた。🚗だけじゃない」

学生J「他にもあるんですか?」
僕「都会の人の流れとかもね。例えばニューヨークの地下鉄の朝のラッシュで、電車の扉が開いて人がワーッと出るとき人の流れをいかにスムーズにするためにはどうしたらいいかとかね」
学生J「粉粒体の応用ですね」
僕「そう。粉粒体物理の国際会議で牛🐂の行動を研究報告

している研究者もいた」
学生J「ウシ🐂🐂ですか?」
僕「そう🐂。朝、牛小屋が開けられて🐂の群れが一斉に草原に出る。我先にドアに向かう時の🐂の渋滞の研究。発表してたのヨーロッパの研究者だったかな?」
学生J「じゃあ🚗も人間も🐂も流体ってことですか?うーん何か感覚的に不思議です」

僕「いやいや、何も🚗も人間🧍も🐂も流体だと短絡的に言ってるんじゃない。これらは粉粒体の極端な例で、何か物が流れたら流体力学が使える可能性があるし、粉粒体は現に固体の特徴と流体の特徴を持っているってこと」
学生J「面白いですね」
僕「ちょっとだけ専門的に言うと例えば、

雨に濡れたりして表面がくっつきやすい粉粒体とか扱いは複雑だし、ヴィスコシィティが特殊な流体とかもある」
学生J「ヴィスコシィティ?特殊な流体??」
僕「ヴィスコシィティとは粘性とか粘度とかいうんだけどね。ざっくり言えばどれぐらいドロドロしてるかってこと」

僕「その粘性とせん断応力が特殊な場合もあって、そういう流体はノンニュートニアン・フルィッドっていうんだ。それにさっき言ったテニスボールやピンポン玉みたいに原子や分子をボールみたいに扱う場合は、モルキューラー・ダイナミックス(分子動力学)っていう手法を使ってシミュ―レーションする」

学生J「へえーなんか難しそう」
僕「まあ、ビスコシティに関しては来週講義するから心配いらない」
学生H「あのープロフェッサー、ちょっといいですか?」
僕「おやH君。君もJ君とのディスカッション聞いてたのかい?」
学生H「実はブラックボード、ログアウトしないでそのまま会話聞いていました」

僕「ああ、そうだったんだね。マイク・オンにして話しかけてくれてありがとね」
学生H「面白いなーと思いまして。質問があります。教科書や、ウィキペディア、や他のサイトには流体は液体と気体って書いてありますけど間違いなんですか?」
学生J「そうそう僕もそんな記述見ました。どうなんですか?」

僕「うんうん、そうだね。物理学者の定義では流体は連続してフォームが変わって流れる物質であるとか、流体は液体や気体、プラズマが含まれる、とかの記述があるんだよね」
学生H「はい。クイズの時に検索してそういう記述を見て回答しました」
僕「うん。授業はオンラインだから、クイズの時学生は

ググってそのまま回答するだろうなって僕も思ったよ。オープンブックだから教科書やノートを見てもいい。インターネットで検索しても僕は構わない。ネットの情報をみて自分で判断してもいい」
学生H「ネットの情報も疑えってことですか?」
僕「ネットだけじゃないよ」
学生H「どういうことですか?」

僕「ネットだけじゃなくテキストブックの記述やプロフェッサーが講義で言っていることも疑ってみた方がいい」
学生H「全部正しくないってことですか?」
僕「君が読んだ学術論文とて正しいとは限らない」
学生J「教科書も教授も論文も間違ってるかもしれなかったら何を信じたらいいのかわかりません」

僕「だからこそね、だからこそ自分で考えるんだ。考えて、疑って、否定して、不満に思って情報と接するんだよ。何かを学んでいる時に知的に満足しちゃだめだと思う」
学生J「……」
学生H「……もうちょっと詳しく教えてください」
僕「歴史的に見てね、物理学の流体の定義はよくわかるんだ。

太古からヒトは、身近な水を液体、雲や空気は気体、として認識していた。川が流れて水が移動し、風が吹いて雲が流れ移動する。直感的に流体とは水であり空気のこと、つまり液体と気体。プラズマはカミナリの時に起こるけど、稲妻⚡以外よく見えない。乖離した電子の海にイオン化した原子が流れる。

だから物理学では流体は液体と気体。後でプラズマも仲間に入れてあげた。固体の石は水や空気とは違うもの。硬くて形が変わらない相対するもの。この物理学者が定義した世界では僕がさっき説明した粉粒体はよく見えないんだ。盲点になっていると思う」
学生J「定義にもよるってことですよね?」

僕「そうね。だからJ君が定義してもいいんだ。『僕はこれが流体だと思う』って。J's定義ってことで有名になるかもよ」
学生J「えーそうですか?」
僕「『2021年パンデミックの中まだNYの学生だったJは流体をこのように定義した』って科学史に残るかもしれない😀」
学生J「はははー😅」

僕「本気で言ってるんだよ😀。サイエンスやテクノロジーは日々一刻と発展しているんだ。定義も変わって当然なんだよ。『ドワーフ・プラネット』って知ってる?」
学生H「……?🤔」
学生J「……惑星の話ですか?」
僕「そうそう。冥王星って岩なのか惑星なのか1930年に発見以来ずっと論争があった」

僕「というのも今まで惑星の定義がはっきりしていなかったんだ。だから2000年代に入ってから『ドワーフ・プラネット(小人の惑星=準惑星)』っていう定義を導入した。その結果、太陽系第9惑星の冥王星が突然惑星でなくなったの。準惑星になったんだ。凄いと思わない?」
学生H「惑星が消滅したー😅」

僕「そう、びっくり。冥王星は昔サイエンス(理科)で習ったような惑星じゃない。このように歴史のある天文学ですらドラスティックに定義や呼び名が変わるんだ」
学生J「そう考えると凄いし面白い」
僕「僕もそう思う。天文学や物理学でなくても例えば生物学でもいろいろな定義や分類の仕方がある」

学生H「Bio(生物学)は取ってないなあ」
僕「いやいや単純に考えてよ。海で泳いでるのは魚🐡(魚類)。空に飛んでるのは鳥🦅(鳥類)。でも例外もある」
学生H「蝶々🦋とか昆虫だって飛ぶ」
僕「まあね。じゃあイルカ🐬も🐡のように泳いでいるけど魚類じゃないし、飛べない鳥ペンギン🐧もいる」

学生J「植物じゃないのに光合成する微生物もいるって聞きました」
僕「そうだよね。水にいるのが🐡で、陸に住んでいるのが爬虫類🦎だとして、もし両生類って概念や定義がなかったらカエル🐸の特徴はさほど注目されないかも」
学生H「定義によってものや現象が見えたり見えなかったりするんですね」

僕「そう!そのとおり!」
学生H「なんとなくわかってきました」
僕「自然科学じゃなくても、例えば経済学で通貨とは国の法律によって流通する貨幣のことだった。でもビットコインなど仮想通貨は国とか関係ない。今までの通貨の定義に縛られてたら、仮想通貨なんて理解できないんだ」

僕「理解できないどころか仮想通貨の存在すら認識できないてない状態・見えてない状態になる思うよ」
学生J「ソーシャルメディアなんかもそうですよね」
僕「そうだね。メディアって何かっていうことの定義が古いままだとマスメディアしか見えない。SNSは理解できない得体のしれないものになっちゃう」

僕「講義が終わって更に君達と引き続き話してのどが渇いたな。ちょっと飲み物取ってくる。コーヒ飲みながら引き続き話そうよ。ブラックボード(オンラインシステム)サインオフしないでね」
学生J「はーい。僕もトイレ行ってきます」
学生H「はーい。もう一つ質問あるので待ってまーす」
ーー
つづく

ここまでが「流体力学」の講義の前編
ー ニューヨーク市立大学では春学期がスタートし、僕が担当する「流体力学」のクラスが始まった。最初の講義で『流体とは何か?』について自由にデスカッションをしたが次の週の小テストで学生が文句を言ってきた。講義後残って学生と対話した。

ここから後編

僕「コーヒ淹れてもってきた。J君、H君もどってるかな?」
学生J「はーい。トイレから戻ってきました」
学生H「僕もいますよ」
僕「あれ?他にも誰かいる?えーとK君とL君かな?名前が画面に見えるよ、サインオンして来てくれたの?」
学生K「あープロフェッサーどうも、宿題確認するために

ブラックボードシステムにさっきログインしたらまだいらっしゃるみたいだったので話しているのかなと😅」
学生L「僕はHにメールしたらまだプロフェッサーと面白い話しているから来いって誘われて…来ちゃいました😀」
学生H「Lを誘ったんです。この話きっと将来役立つから」
僕「わーなんか嬉しいね」

僕「まあ、今日の講義がさっき終わって、残ってくれたJ君、それから戻ってきてくれたH君と『流体とは何か?』っていう例の問いから始まって、いろいろな話をしていたんだ。なんせ小テスト(クイズ)の問題に異論があった学生が大勢いたでしょう?」
学生K「正直あの問題は難しかったです」

学生L「そうそう。問題自体はシンプルなんだけど、答えを選ぼうとしたらあれーってなって難しかった。オープンブック(教科書・ノート・ネット見ても可)方式だったので、念のため全部見たんですがますますわからなくなって。。」
学生K「初日のディスカッションの内容はうっすら覚えていたんですが、

『液体と気体』の選択肢をサブミットしてからしまった、固体の話もしていたよな、って思いだして。。」
学生H「さっきの休憩中に初日の講義のアーカイブ・ビデオ確認したんだけど、『流体とは何?』って30分ぐらい費やしてディスカッションしてたよ僕ら」
僕「まあ、僕としてはかなり丁寧に

時間を割いてディスカッションしたつもりなんだけど、あんまり皆に伝わってなかったってことだったんだよね。もっと粉粒体の話とか強調しておけばよかったかなぁ」
学生J「実際、流体の好例である液体と気体以外の物質をカバーする流体力学のプロフェッサーってどれくらいいるんですか?」

僕「うーん、まずいないんじゃないかな?基本何の疑いもなしに代表的な液体・気体:水、オイル、空気から入ってそれ以外はほとんど触れない。時間もないし」
学生H「じゃあどうして最初に粉粒体の話をしたんですか?」
僕「まあ深い意味はないんだけどね。別に固体が流体のようにふるまう例で

マントル対流を挙げてもいい。ただなるべく身近な例がいいかなと。砂、砂糖、土石や雪などの粉粒体って身近だよね?」
学生J「まあマントルは見たことないですから。。」
僕「それと粉粒体は僕が博士号を取った研究テーマに関連しているんだ。。」
学生H「粉粒体で博士号取ったんですか?」

僕「まあそうだね。関係してるね」
学生J「講義の最初でプロフェッサーが自己紹介したとき確かエネルギーや環境のシミュレーションが専門だとか言ってませんでしたっけ?」
僕「うん」
学生H「環境だから地震時の例の液状化とかですか?興味あります」
学生K「地球温暖化の防止の研究ですか?かっこいい」

僕「あ、いや。地球温暖化とか自然災害防止といった君達がやりたいようなかっこいいテーマじゃないんだ...」
学生L「じゃあ何ですか?」
学生J「参考に聴きたいです」
僕「…そうね、僕が博士を取った研究は『ガベージ(ゴミ)』なんだ」
学生H「....『ゴミ』ですか?」
僕「うんゴミ。廃棄物」

学生H「...」
学生J「...」
僕「うん、まあそんな反応だろうね😅。ゴミは君達にとってはあまり憧れる研究テーマじゃないよね。この辺は若者には人気ないんだ」
学生K「...ゴミの何の研究です?」
僕「ソリッド・ウエイスト・プロセシング(廃棄物処理)だよ」
学生L「クルマ🚗や飛行機✈、ロケット🚀

を開発したり設計したりするのは憧れるけど、汚いゴミの研究は正直憧れないかな。好きだっている人もいるだろうけど」
学生H「ゴミの山とか衛生環境が悪い現場よりも、デスクワークなんかでもっときれいでクリエイティブな仕事をしたいな」
僕「...わかるよ」
学生J「それで砂とか粉粒体との関連は?」

学生J「ゴミを砂で運ぶとかですか?」
僕「うーん砂を使ってゴミを処理するっていうシステムはあるんだけどね。僕がやっていた研究テーマはエナジー・リカバリー技術なんだ」
学生J「エナジー・リカバリー?」
僕「エネルギーを回収する技術のことで廃棄物発電と言ったらわかりやすいかな?」

学生H「ゴミを燃やして電気を作るんですか?」
僕「そうだよ。ゴミもリサイクルするでしょ。リサイクルは専門用語でマテリアル・リカバリー。ゴミからエネルギーを回収する廃棄物発電はエナジー・リカバリーっていうんだ」
学生K「リサイクルならわかります」
僕「火力発電所は石炭などを化石燃料を

燃やして発電するけど、廃棄物発電所はゴミを燃やすから、その分化石燃料を使わないで済むし、ゴミを灰にすることでボリューム(体積)が小さくなって埋め立て地のスペースを節約できるんだ」
学生J「一石二鳥ですね」
僕「その一方で二酸化炭素や窒素酸化物などのエミッション・ガスが出るから、

きちんとコントロールしなくちゃいけない」
学生K「へえー」
僕「それとさっきゴミの研究なんて汚いしかっこ悪いから憧れないっていう気持ちもわかるよ」
学生L「ゴミ処理よりクルマ🚗設計したいです😅」
僕「働き始めて社会の仕組みがわかってくると、綺麗でかっこよくてスポットライトを浴びる

仕事もあるけど、汚くてかっこ悪くてスポットライトなんて永遠に当たらない仕事もある。クルマ🚗を造るメーカーは人気だけどクルマが捨てられるスクラップ工場なんかは人気ないんだ」
学生L「わかります」
僕「大学院での僕のあだ名はガベージマン(ごみ収集員)だったんだ😅、ゴミ扱ってたから」

学生J「あんまりうれしくないような…」
僕「ニューヨーク市内のごみを集めるから地下の研究室がごみ臭くなって、それでマサはガベージマンだからってよく同級生にからかわれた…」
学生H「嫌じゃなかったですか?」
僕「うーん。正直つらかったかな…😥一人で夜遅くまでごみの形や大きさを計ってね」

僕「入院するほど体壊して働いて、やっと日本でお金を貯めて学費の高い私立のコロンビア大学に留学したのに、やっていることがNYのごみ集めで…なんか惨めだったよね」
学生H「…」
学生K「…でも何でそもそもごみをテーマにしたんですか?もっとかっこいいテーマ、地球温暖化とかなかったんですか?」

僕「うーん、カーボンエミッションをなくす研究をやっている教授がいたね。温暖化防止」
学生L「そこにはいかなかったんですか?」
僕「…いかなかったね、というか行けなかったね、人気がありすぎて」
学生L「人気があるだけ競争が激しいってことですよね?」
僕「そうそう。それもある。でも、

理由は他にあるんだ。そのゼロ・エミッションをやっている教授は理論物理出身だったから物理系の僕としてはピッタリなんだけど」
学生J「最高じゃないですか?」
僕「そう。でも物理系・理論系は似た者同士で集まると頭打ちしちゃうんだ。この感覚わかる?」
学生H「うーんさっぱりわからないです…」

学生J「似たものに興味を持っていると相乗効果が表れるんじゃないですか?」
僕「そうかもね。でも例えばメカのエンジニアが集まってなんかのロボット開発するよりも、いろんな専門家がそろっていた方がいいじゃない?ロボットの設計・CADは工業デザイナー、製造はメカのエンジニア、

回路系は電子工学者、ソフトウエアはコンピューターエンジニアとか、チームに得意分野がうまく散らばっていたら凄い良くない?」
学生H「確かにそうですね」
僕「もっと言うと、例えば生物学者もこのロボット開発チームにいたら、珍しい生物をモデルにしたロボットのアイディアが出るかもしれない」

学生K「いろんな専門家がいた方が新しいアイディアや工夫が出てくる」
僕「その通り。一方理論屋だけの研究チームだと考え方は皆同じだし、だれも実験したがらない。純粋な理論をやるだけが仕事なら切磋琢磨できるけど、実際にモノを作って実験して証明して世に出すエンジニアはそうはいかない」

学生K「うーんそうですね」
僕「いろんなバックグランドを持った専門家が共同で働くことが大事だと思うんだよね、特に新しいアイディアで勝負していかないといけない局面では。結局ダイバーシティ(多様性)の話なんだよ。多様性をいかに受け入れるかってことにつながるんだ」
学生L「なるほどです」

僕「サイエンスやエンジニアリングではまだまだアンダーレプレセンテッド(少数派)の女性やマイノリティの人達を迎え入れるのはチームにとってもいいことなんだ。ジェンダーだけでなく世代の違いも取り入れた方がいいと思う。似た者同士ではダメ」
学生L「だから同じ物理系の研究チームには

入らなかったってことですよね?」
僕「そう、そういうことなんだ。苦労して日本でお金貯めてニューヨークに来て本当にやりたかったことは、理工学の分野で何か凄いこと・わくわくするようなこと」
学生K「それで結局どうしたんですか?」
学生J「どうやってごみの研究に行きついたんですか?」

僕「それはね、実はねコロンビア大学の地球環境工学科は鉱山学校が前身だから伝統的に冶金系・化学系の教授が大勢いてね」
学生H「プロフェッサーは物理系ですよね?」
僕「まあ、もっと正確に言うと材料科学がバックグランドで物理も化学もやるけど、電気工学でアソシエートデグリーを取ったから

どっちかっていったら物性物理系なんだけどね。修士までのテーマは半導体物性のシミュレーションだからコンピューターモデリングをやる計算屋さんなんだよね」
学生J「いろいろな専門家がいるんですよね?」
僕「理論屋さんとか実験屋さん、計算屋さん、測定屋さんとか今はデータ屋さんもいるのかな」

僕「それでね、博士課程で研究室を選ぶとき、化学系の教授は化学系のバックグランドの学生以外取らなかったりするんだけど、たまたま鉄鉱石の製錬過程で使うリアクター(溶工炉)の権威がいてその教授が廃棄物発電の研究をちょうど始めたところだったんだ」
学生J「それでごみの研究始めたんですね?」

僕「そういうこと。化学者は実験してデータを出すのが基本」
学生J「そうですよね」
学生H「それ当たり前じゃないんですか」
僕「そう思うでしょ?僕もそう思ってた」
学生H「違うんですか?」
僕「みんな気づかないんだよ」
学生K「何を?」
僕「アドバイザーもコアドバイザーも化学者・化学工学者、

周りのポスドクや大学院生もみんな化学工学出身。僕は材料科学だから半分化学で半分物理。しかもコンピュータシミュレーションをやる計算屋。化学的な実験は当然彼らのほうが圧倒的にうまい。実際僕はチーム内で実験できないやつとして結構バカにされた」
学生J「つらいですね」
学生K「孤立しちゃう」

僕「うん、孤立してた。でも大して気にならなかった」
学生J「えー?ホントですか?でできない奴って言われて気にならなかったんですか?」
僕「うん、確かにつらいんだけどね。自分の方が彼らの知らないことをもっと知っているって信じてた。そしてね、彼らが決定的に間違っていることを発見したんだ」

学生H「何を発見したんですか?」
学生J「教えて下さい」
僕「研究室チームのライバル達はみんなケミストリー(化学)系ってでしょう?」
学生K「はい、そう言ってましたね」
僕「彼ら実験屋さんが扱っている計算理論やシミュレーションモデルは市販のソフトウエア・パッケージで計算できるものなんだ」

学生L「普通そうじゃないんですか?」
僕「そう思う?」
学生J「...それ以外何があるんですか?」
学生H「僕らもシミュレーションするときCADでソリッドモデルを作ってから強度計算しますよね。全部SolidWorksの中のadd-inで計算できますよ。市販のソフトウエア使うんじゃないんですか?」

僕「市販のソフトウエアを使ってはいけないって言ってるんじゃないんだよ。ただ、今まで誰も扱ったことのない現象を数学的にモデル化するときに、市販のソフトウエアで計算できるわけがない。数学モデルがまだないんだから…」
学生H「…じゃあ誰も数式化していないことをやったって事ですか?」

僕「うん」
学生J「わあグレート!凄いです」
僕「いやいや。コンピュータ・シュミレーションの専門家・計算屋なら当たり前だと思うよ。逆に市販のソフトで計算できるのなら、誰でも計算できる。お金出して買えるんだから。しかも売ってるぐらい一般的な計算・解析だったら、別に真新しいものじゃない」

学生J「一からやるのは大変そう」
僕「そうね、でもね、僕はね、せっかく日本からアメリカへ博士課程で留学したんだから、なにか凄いことをやりたいって本当に当時思ってたんだ。ただそれだけ。ワクワクする研究プロジェクトをやってそれで博士号を取りたかった、純粋に。それでね、」
学生K「はい」

僕「化学出身のポスドクらライバル達は、実験は凄いんだけど計算の方はお粗末だと感じた。市販のソフトで初期条件と境界条件を入力しただけの計算結果で、科学的には真新しいとは言えないものなんだけど『私がデベロップ(開発)したシュミレーションモデルでは〜』って発表してる..」
学生K「へえー」

学生J「それでその人達に勝てると思ったんですね?」
僕「いやいや、滅相もない。何とか生き残ろうと必死だっただけ。第一学問は勝ち負けじゃない」
学生J「プロフェッサー、今話してるトピックはゴミのプロセスのことですよね?」
僕「うん、そうだよ。具体的には廃棄物のエナジー・リカバリー」

学生H「具体的にどういう計算手法だったんですか? なんか興味あります。多分聞いてもわからないと思いますけど😅」
僕「全部説明したら長くなるので後で簡潔に言うよ。それでね、その時もう一つ思ったのは、」
学生H「はい」
僕「コロンビア大学の化学科とか化学工学科ってやっぱり教授陣も凄いわけ」

学生H「凄いですか?」
僕「うん、第一線で活躍してるスター達だから研究も素晴らしかったり」
学生H「へえー」
僕「で、僕のいた地球環境工学科も化学・化学工学科のアフィリエイト(兼任)の先生も結構いる。でもシュミレーションとなると意外とお粗末だった。それはどういうことかというと、、」

学生K「どういうことなんですか?」
僕「世界の天才が集まってくるといわれる米国名門校の教授陣や研究チームでも、自分の修めた学問以外は結構素人同然なんだ。化学系なら化学系で化学の世界・化学の常識・ケミスト(化学者)が作った定義から抜けられない。しかもそれに本人達は全く気づいていない」

学生H「へえー気づかないもんなんですかね?」
僕「そりゃそうだよ、学部も化学(工学)科、修士も博士も化学。化学の研究者として一生過ごす。化学の世界しか知らないんだもん」
学生J「あっ『ケミストが作った定義』!」
学生L「何?」
学生J「定義や常識で見えなくなっているんだ」
学生K「え?」

学生J「つまり、物理学者の定義の表面だけ理解して、流体は液体と気体と断言しちゃうと、固体の流体性が見えなくなちゃう。それと同じで、」
学生H「ふむふむ」
学生J「化学者の実験化学の定義・常識だけでは見えないものがあるってことじゃない?」
学生K「僕らの流体のディスカッションに似ている」

学生J「物理学者の定義で冥王星は消滅したんだよ😅」
学生K「???」
僕「ああ、さっきの話😅。J君は吸収が速いなあ。ただ、物理学者、化学者の名誉のために言っておくけど、彼らは定義したり、自分の手法にフォーカスしたりしてるだけで、別にミスリードしているわけじゃない」
学生J「わかります」

僕「現に、物理には粉粒体物理学の分野もあるし、化学にもモンテカルロ法やモレキュラ・ダイナミクス(分子動力学)法を取り入れた計算化学も発展している」
学生H「今までの定義で満足するな、考えて疑えってことですね?」
僕「まあね、コンピュータ・シミュレーションなどの計算科学はまだまだ

歴史が浅いからまだ市民権を得ていないんだよ。理論家や実験屋の間に計算屋さんが出てきて新しい計算科学的手法が応用され始めているけど、学問としてはまだ赤ちゃんなんだろうねー」
学生K「まさにこれからはコンピューター・エイジ(コンピューターの時代)なんですね。母が言ってました」

僕「そうだね。コンピューター・シミュレーション(計算機の中での実験)は益々重要になってくる。学問の世界でも」
学生H「ゲームでも!」
学生K「映画でも!」
学生L「アニメーションもね!」
僕「ははそうだね。まあ話を戻すと研究チームのライバル達が決定的に間違っていると思ったものの一つは

市販のソフトウエアで解析できる程度のシミュレーションで満足していたことなんだ。それともう一つの決定的な間違いはね、、」
学生K「なんだろう?」
僕「彼らがやっていたエクスペリメンタル・ワーク(実験)の全てがベンチトップ・スケールの不純物のないピュア―な化学実験だったんだ」

学生K「ベンチトップ・スケールですか?実験で使うワークベンチ(机)上に実験装置を置きますよね。ラボでの実験は通常そのサイズじゃないですか?」
学生L「それに、不純物のないなるべくピュア―な実験で精度が上げるのは普通なんじゃないんですか?」
僕「普通の化学実験はそれでいいかもしれない」

学生H「プロフェッサーのテーマは普通の実験じゃなかったんですか?」
学生J「ごみ処理がテーマだったんですよね?」
僕「うん、普通とは違うね。ごみ処理がテーマ。だってさ、ごみって何?っていう話から大事なんだよ。ごみって何だと思う?」
学生L「ごみで思い浮かぶのはプラスティックとか…?」

僕「うん、そうだね。でも一般ごみの構成物はプラスティックだけかい?」
学生H「紙とか段ボールとか?」
僕「うん、紙や段ボールはパルプだからセルロースだね」
学生L「服とかの布類とか?」
学生J「アルミ缶や瓶とかも」
学生K「鉄とか。タイヤや靴底のゴム類も」
僕「そうそう。ごみって色々ある」

僕「ごみって考えてみたら、いろいろな物質が含まれる。紙類、ガラス、メタル、プラスチック、ゴム・布・皮類、木材、枯葉などの庭から出るヤードウェイスト、残飯、などなど」
学生K「ごみの種類っていっぱいありますね」
僕「ごみとしてネズミの死体も捨てられてるかも」

images.app.goo.gl/UrhkGT2MCyYgKZ…

学生H「うぇー😱、汚いーー」
僕「そうごみって汚いんだ。それにね、ごみは特定の物質ではないんだよ。人々がいらないと思って捨てたら何でも『ごみ』なんだ。紙でもガラスでもプラスティックでも残飯でも動物の死骸でも」
学生K「野菜でもコンクリートでも捨てたらみんな『ごみ』なんですね?」

僕「そのとおり。捨てた瞬間何でも『ごみ』になり得る。人々が不必要と考えて廃棄したらごみとして誰かが処理しなくてはならない。それが僕の『ごみ』の考え方」
学生H「あっ!😮」
学生J「まただ!😮」
学生L「何が?」
学生K「僕らはまた定義の話をしている!😅」
僕「そうそう😀もう気づいたね!」

学生達「はい気づきました」
僕「ごみ、特に一般の住居から出る家庭ごみ(ムニシパル・ソリッド・ウェイスト[MSW])はどんな物質でも含まれている可能性がある。つまり何でも混ざっている汚いものだ。ペットのうんち💩もごみに含まれる。それが僕が見た現実の『ごみ』の景色で、僕の『ごみ』の定義」

僕「一方、研究チームのポスドクや大学院生のライバル達は化学系だからごみの焼却にしてもピュアな物質としてのケミカル・リアクションにしか注目してない」
学生J「ふむー」
僕「一般廃棄物のコンポーネント(成分)はあんなにノンホモジニアス(不均一)で多様なのに」
学生H「ごみ成分の多様性😅」

僕「燃焼プロセスにしてもモイスチャー・エバポレーション、ガシィフィケーション、チャー・オキシダイゼーション、バーンアウトと四つの大きなプロセスがあるのにもかかわらず、化学系の彼らは結局化学反応にしか興味がない」
学生J「化学系の研究者は自分が得意な

ケミカル・リアクションでしか現象を捉えようとしない」
僕「そのとおり。だから化学出身で廃棄物焼却を研究を始める人は、『ごみなんて結局燃えたら灰になるのになんでそのプロセスが大事なの?』って平気で言っちゃうんだよね。だから彼らの注目はガス=ガス・リアクションで、

ソリッド=ガス・リアクションすら誰も研究しない。シュリンキング・コア・モデルを使えばシミュレーションでかなり定量化できるのに」
学生J「だから皆がやらないごみ燃焼のシミュレーションをやったんですね?」
僕「いやいや燃焼もやったけど博士論文は燃焼じゃないシミュレーションをやったんだ」

学生J「そうなんですか?」
僕「燃焼過程なんてみんなやってるから真新しさがないと当時僕は思ったんじゃないかなぁ。それはともかくね、廃棄物(ごみ)なんてピュアな物質じゃない何でも混ざっているものなのに、研究室のライバルたちはごみを研究してと口では言っていても、

実際はプラスティックだけ、ゴムだけとかで燃焼を研究していたんだ。そこが間違っていると思った」
学生H「へえー、ごみを研究しているといっても実際はごみの一部のピュアな物質だけやっていたんですね」
僕「そう。その証拠に、研究室の廃棄物発電チームは全部で教授陣・ポスドク・大学院生総勢20名

ぐらいいたと思うけど、実際にニューヨーク市内を回ってごみのサンプルを採集し、リアルのごみで実験をした人は僕一人、僕が最初で最後だった」
学生K「何でなんですかね?」
僕「本当は皆ごみの研究なんてやりたくなかったんだと思う。だからごみの一部になり得る物質を使って綺麗な化学実験を

やっていたし、僕のことをガベージ・マン(ごみ男)って陰でバカにしていたんだと思う」
学生J「ごみ男…」
僕「僕はごみを実際集めてサイズ・形を計り、セクションモデルだけどフルスケールの燃焼室(炉)を作り、ごみの撹拌(ミキシング)の実験とシミュレーションをやったんだよ」

学生L「ミキシングって混ぜることですか?」
学生K「詳しく教えてください」
僕「ごみのミキシングの実験でベンチスケールじゃない実物大の燃焼炉の実験装置を自ら作って、その実験データで自分のアイデアで作った全く新しいシミュレーションモデルを検証し、廃棄物のミキシングの定量化をやったんだ」

学生K「新しいシミュレーションモデルってどんなのですか?聞いてもわかんないんでしょうけど、興味あります」
僕「マルコフ・チェーン(マルコフ連鎖)モデルっていうスタキャステック(確率モデルの)シミュレーションなんだ。焼却が入るとマルコフ性は維持できないんだけどね」

学生K「マルコフ?スタキャステック?全然見当つきません」
僕「まあとにかく、この実験とシミュレーションが独自だと認められてASME(米国機械学会)から賞をもらったし、コロンビア大学を卒業して博士号も取れたし、ASMEの賞のお陰で地球環境工学科卒だけど機械工学科の教員として働けているんだよ」

学生K「そのシミュレーション手法を使って、ごみ焼却の混ざり方の何がわかったんですか?」
僕「マスバーン・コンバスチョン・チャンバー(廃棄物をそのまま燃やす焼却炉)内で廃棄物にブラジル・ナッツ・エフェクト(効果)が起こっているのを発見したんだ」
学生J「ブラジル・ナッツ・エフェクト...」

学生K「何ですかそのブラジル・ナッツ・エフェクトって」
僕「サイズ・セグリゲーション(サイズによる偏析)の一つなんだよ」
学生L「さっぱりわからんっす…」
学生H「ナッツ🥜は知ってますけど、関係してるんですか?」
僕「うん。色々なナッツ🥜類を収穫したら樽とかコンテナーに入れるじゃない?」

学生K「はい」
僕「昔はね、色々なナッツ🥜を入れた樽やコンテナを人々は馬車とかで運ぶんだ。するとね、」
学生L「はい」
僕「馬車が目的地について樽の蓋を開けたら、ブラジル・ナッツ🥜がいつも上に来ているんだ。他のナッツ🥜は底にある」
学生H「いつもですか?」
僕「そういつも。何故だと思う?」

学生J「不思議です。なんでかなぁ?」
学生K「馬🐴がこっそり夜中に食べたとか?😅」
僕「ははは😁」
学生L「🐴がこっそり食べたんならブラジル・ナッツ🥜がなくなってるはずだよ😂」
学生K「いやいや、🐴は他のナッツ🥜だけ食べてブラジル・ナッツ🥜は嫌いだから後で吐き出してるんだよ、きっと🤣」

学生L「ははは、もしそうなら、そんなナッツ🥜食べたくないなあ」
学生H「うーん、でも何でだろう?」
学生J「あっ‼ひょっとして」
学生K「何?」
学生J「馬車は揺れるからじゃない?」
学生L「ん?振動ってこと?」
学生H「💡‼」
学生J「💡‼‼」
学生L「わかったの⁉」
学生K「振動が何⁉」

学生H「地震の液状化現象‼」
学生J「粉粒体の特徴‼‼」
学生L「どういうこと? わかったの?」
学生J「いや。どうしてブラジル・ナッツ🥜が上に来るかわかんないけど、僕らは終始粉粒体の話をしてるんじゃないかって気づいたんだ…」
学生H「プロフェッサーは固体のゴミ(ソリッド・ウエイスト)を、

粉粒体ととらえてごみの流れを解析したんじゃない?そしてブラジル・ナッツ・エフェクトを発見した。そういうことですか?」
僕「そのとおり。まあざっくり言うとそんな感じ」
学生J「わー面白いです」
学生K「質問なんですがブラジル・ナッツ・エフェクトって馬車の時代から

知られていた現象なんですよね?何で今まで誰も廃棄物ででも起こり得ることを発見したり、焼却炉に考慮しなかったりしたんですか?」
学生J「今までごみを粉粒体として考える化学者があまりいなかったんじゃない?」
僕「そう。通常の廃棄物燃焼炉ではね、だれもやっている人はいなかった。ただ、

流動式床式とかロータリーキルン溶融炉とか特殊なごみに使うシステムでではちょっとやってい人はいるんだけどね。でも一般ごみを燃やす通常の焼却炉なんて、生ごみも含んで汚いからとにかく燃やして終わり、っていう考え方が多い」

Image: Rotary Kiln

Found on Google from britishlime.org

google.com

僕「廃棄物発電を考えるとき化学者が撹拌プロセスより、燃焼プロセスそのものの方に目が行くのはわかるんだけどね」
学生J「とにかくプロフェッサーはごみのブラジル・ナッツ・エフェクトの第一発見者なんですね?」
僕「うーん、正確に言うと、ごみのブラジル・ナッツ・エフェクトを

最初にクオンティファイ(定量化)したのが評価されたってことかな」
学生L「クオンティファイですか?」
僕「うん。ブラジル・ナッツ・エフェクトとかサイズ・セグリゲーションといわれる現象が粉粒体で起きることは知られていた。実は、なぜ起きるかまだはっきりわかっていないけど、

バーコレーション(浸透)とかコンベクション(対流)が原因だと言われている。K君の言う通り、ブラジル・ナッツ🥜が樽の上に来る現象は馬車の時代から知られていた。そのふるまい・性質は理解されていた、つまりクオリファイ(定性化)はされていたんだ」
学生K「クオリファイ…😮」
僕「でも、

性質はわかっても、どれくらいの大きいサイズの粒がどれくらいの速度で表面に出てくるのか、小さいサイズの粒はどれくらいの頻度で底に留まって撹拌されるのかっていう量はわからない。その量を実験とコンピューター・シミュレーションで導いたんだ。これがクオンティファイ(定量化)っていうんだよ」

学生L「なんかクオリファイとクオンティファイって区別つけにくいなあ」
僕「万有引力を発見した人だれだかわかる?」
学生K「アイザック・ニュートン!」
僕「そう、彼はリンゴ🍎が木から落ちるのをみて万有引力を発見したよね?諸説あるけど。」
学生L「はい」
僕「でも🍎が木から落ちるのは

古代のギリシャ哲学者の時代から知られていた(古代からクオリファイされていた)けど、ニュートンは運動の3法則を作って力と質量と(重力)加速度の関係(第二法則)を定量化、つまりクオンティファイしたんだ」
学生L「クオンティファイって数式化のことですか?」
僕「単純に言えばそう考えていい」

僕「数式じゃなくてもなんかのパラメーターでも何でもいい。量をきちんと明らかにするのが定量化。ちなみにニュートンは当時流行ったペストのパンデミックで隔離中に🍎を落ちるのを見て、あの発見をしたんだ」
学生K「うわー今のコロナ禍の僕らと同じだ」
僕「まあ、話がすごく長くなっちゃったけど、

僕のライバルたちが間違っていたのは、コンピューター・シミュレーション・モデルを自分達で開発しなかったこと、もう一つはごみが研究テーマにもかかわらず、実験の全てがベンチトップ・スケールの不純物のないピュア―な化学実験だったこと。多様な現物のごみの成分を誰も実際に計ろうとしなかった」

学生K「誰かが作った定義を疑い、対象の本質を突き詰めるのが大事なんですね」
僕「そのとおり。その心構えがないと科学者・エンジニア・研究者として大成しないと思うんだ」
学生L「難しいなあ」
僕「難しくはない筈。単純に心構えの話をしているんだ。マインドセットの話だよ」
学生J「うーん、でも

、、話を聞いてわくわくするんですけど、果たして将来自分は機械工学者として大成するのかなって正直不安になります。。できるのかなって」
僕「できる」
学生L「自信ないっす」
僕「心配ご無用」
学生K「フルタイムの就職、インターンのポジションですらおぼつかないのにですか?」
僕「もちろん」

学生M「自信満々。。根拠あるんですか?」
僕「あるよ。まあかなり話が長くなっちゃったし、来週授業の最初で話そう。君達も6時から別の授業だろうから」
学生達「は~い」
ーー
ここで「講義: 流体力学」後編おわり。次は完結編に進みます。
注: 体調不良の為しばらく続き書けませんでした🙏

ーー
ここから「講義: 流体力学」完結編が始まります。
注: 体調不良はまだ完治してませんが、少しずつ書いて(脱稿・脱ツイート)していきます🙏
ーー
今学期の流体力学の講義の初日(第一週)に、力学って知っているけど流体ってなんだろうというディスカッションをした。第二週に小テストをしたら

学生から内容について不満が来た。異議のある学生に講義の後に残ってもらい、流体力学の話のみならず多岐にわたるディスカッションを行った。そして第三週の講義が今から始まる。
ーー
僕「ハイエブリィワン、マイク入ってるかな?ハウ・ワズ・ザ・ウィークエンド?」
学生達「聞こえますよ」

学生A「ウィークエンドはっずっと寝ていました」
学生B「僕は仕事していました」
学生C「溜まっていた宿題してました。プロフェッサーは週末いかがでした?」
僕「リラックスできたよ。。。えーと今日はね、早速先週の続きをやっていきたいんだけど、その前に説明したいことがあるんだ」

学生A「前回の小テストですか?」
学生B「あの全部流体になり得るって話ですよね?もうわかったっす」
学生C「出席取るためのミニクイズだったんですよね。満点に修正してくれるんなら、問題無いっす」
僕「。。。」
学生D「全員に満点にくれるのきめたんですかー?」
学生E「あの問題は変でしたよ」

学生F「説明したいことって小テストのスコア事ですか?」
僕「それも話したいうちの一つだよ、まあちょっと軽く僕の話聞いてよ」
学生達「はーいー」
僕「ナポレオンって知ってる?いろんな逸話があるけど」
学生A「知ってますよ。昔ヨーロッパを統一した人」
学生C「『吾輩に不可能は無い』の人」

学生B「違うよ『吾輩の辞書に不可能という文字は無い』だよ」
学生D「『不可能とは愚か者の辞書にある言葉だ*』じゃなかったっけ?」
僕「うんうん、まあとにかくナポレオンにはいろいろな名言があるよね」

*“Impossible is a word found only in the dictionary of fools.” – Napoleon Bonaparte

学生C「ナポレオンはフランスの軍事・政治リーダーでヨーロッパを侵略した人」
僕「うんうん、ナポレオンの評価は色々あるよね。彼は軍事に長けていたし、彼の軍隊は強かった。ともあれ、それでね彼の軍事行動や判断の逸話で僕が気に留めているのがあるんだ」
学生D「どんなのですか?興味あります」

学生E「どんな逸話ですか?」
僕「ナポレオン将軍と部下が軍隊を率いているとき、今見えている目標の山を超えて軍隊を移動させなければならなかったんだって。でもその山を超えるにも手前に大きな川がある。川を渡るのは困難。だからといって川を迂回するならすごい遠回りしなくちゃいけない」

学生F「ふむふむー」
僕「川は急流で溺死してしまう兵隊もたくさん出てくるかもしれない」
学生E「うーん、川を渡るか、迂回するか」
僕「君達がナポレオンならどっちを選ぶ?」
学生B「うーん...どっちだろう?」
僕「迂回するなら相当な距離を歩いて、何日も余計にかかっちゃうかもしれない」

僕「せっかくここまで来たのに引き返して迂回するか、犠牲を払って川をわたるか?」
学生A「僕がナポレオンなら軍隊に川を渡るよう命令しますね」
僕「ほうほうなぜ?」
学生A「目的達成が第一だから。多少の犠牲を出してもみんなを鼓舞し、一番の近道を選ぶ」
僕「おー、真っ当な理由でびっくりしたぞ」

学生B「僕も川を渡るのがいいと思う。戦局は刻一刻と変わるし、渡っちゃった方が早い」
学生D「僕も川を渡るかな。犠牲は覚悟の上。しょうがない」
僕「ふむふむなるほど。他の意見ある?」
学生C「僕は迂回するかな。。」
僕「川は渡らないで迂回する?」
学生C「はい。なんとなく。。。」

僕「なんとなくでもいいんだよ」
学生F「僕も迂回します。戦闘で死ぬのならまだしも、移動で犠牲を出すのは良くない」
学生C「迂回すると時間がかかるけど、いつか兵隊全員が安全に渡れる浅瀬は見つかるかも」
学生E「戦まで戦力を温存したいからここは迂回します」
僕「なるほどー」
学生G「でもさー

みんな、この授業は『流体力学』だよ。プロフェッサーのことだから絶対流体の話をぶっ込んでくるんと思うんだよね😅(笑)『川を渡る』が正解じゃね?」
僕「なんか今日は警戒されてるなあ😅。正解も不正解もないよ。君がナポレオンならどう軍隊に指示するかっていう話」
学生達「…どっちだろう?」

僕「じゃあ『川を渡る』を指示する人はブラックボードのRaise your handボタン押してよ」
学生達「はーい」
僕「おおー結構いるね。『川を渡る』は12人、じゃあ『迂回する』を軍隊に指示する人は?。。。。ふむふむ7人かな。川を渡るの方がちょっと多いね」
学生G「ナポレオンはどうしたんですか?」

僕「ナポレオンは部下の隊長から目標の山を超えて軍隊を移動させたいけど、手間の川を渡るか、迂回して遠回りするかどっちがいいか相談された」
学生達「はい」
僕「ナポレオンは『迂回しよう、どんなに遠回りしてもいい』って言ったんだって」
学生B「あらそうなんだ...」
学生A「へえー意外だなあ」

僕「うん、僕も意外だった」
学生D「橋かけて渡ればいいのに」
僕「そういう場面も別な戦であっただろうよ」
学生C「でも何でだろう? 何で迂回するのを選んだんだろう...?」
学生F「危険な川を渡って兵力を犠牲にしたくなかったんでしょうね…」
僕「うんうん、それもあるだろうと思うよ。でもね、

彼の言ったのは『目標の超えるべき山さえ見えていればどんなに迂回してもいい』つまり、いくら遠回りしても目標さえ見失わなければ目的地にたどり着ける。迂回して遠回りしても全然構わない、って言うようなことを軍隊を率いている部下に伝えたんだって」
学生D「へえーなるほど」
学生A「目標かあ…」

僕「ヨーロッパを統一(征服)したナポレオンだからいろんな戦役でいろんな局面に出くわしたと思う。その都度様々な戦術や判断をしたんだろうけど、僕は何となくナポレオンのこの逸話『目標を見失っていなければどんなに遠回りしても構わない』が好きなんだ。逸話自体が本当かどうか知らないけどね」

学生B「でも僕は目標の山に最短距離で到達したいなあ」
学生D「僕もできれば迂回したくないかな、正直に言うと」
学生C「誰だって本音は最短で目標の山に到達したいんじゃない?だから川を見てがっかりしたと思うよ」
僕「うん、そうだね。なるほど」
学生D「プロフェッサーならどうしますか?」

僕「うーんそうだね、せっかく目標の山を越えるために山の麓まで来て、渡るのが困難な大河があったら僕もがっかりする。でもね、そういことって生きていく上で結構あると思うんだ。僕は遠回りしてきた、というかせざるを得なかった状況が多かったから、迂回するのには抵抗ないかな」

学生A「目標が目の前なのに川のせいで到達できないって辛いな。迂回して戻ったり遠回りするのも嫌だなぁ」
僕「実はそうやってみんな諦めていくんだよ」
学生B「川も渡らずにですか?」
僕「うん。はるばる遠征で目標近くまで来た。でも川があって山に到達できない。今更戻ったり迂回するのは嫌だ。

じゃあ川を渡ろうって考える。でも結局激流を渡るのが大変で、長い間立ちすくんじゃう。そして最終的に諦めちゃうんだ。目標の前に高い壁や大きな川などの障害物が立ちはだかっているとき、大抵そういうパターンに陥る人は多いかな」
学生達「…」
僕「最短距離で楽して目標に到達したいのはわかる、

でもそういうマインドの人は結局続かないんだ。障害物を超えるのはかっこいいし必要だけど、リセットして迂回することも大事なんだよ。そしてね、」
学生達「はい」
僕「やっぱり目標・目的が大事なんだ。それがないと迂回している時に自分が何をやっているかわかんなくなっちゃう」
学生C「確かに」

僕「なんとなく僕が言ってることわかるでしょう?」
学生B「わかります」
僕「じゃあね、君達に聞きたいんだ、」
学生達「……はい」
僕「君達はどうしてここにいるんだい?」
学生達「……はい?」
僕「君達はどうして今ここにいて僕の話を聞いているんだい?」
学生A「どうして?」
僕「うん、

君達は、忙しいのに週一回ブラックボードにログインして僕の話をオンラインで聴いている。なぜ?」
学生B「なぜって、この科目は4年生の必須科目ですよ」
学生D「機械工学の学生は全員『流体力学』クラス取らなきゃいけないんです」
僕「知ってるよ」
学生A「取らなきゃいけないから取っているんです」

僕「そうだねAくん、なるほどね、君の言う通りだね」
学生B「コースワークは本音を言えばめんどくさいけど単位が必要なんです」
僕「…正直な意見ありがとう」
学生C「今学期は6クラスも取って大変なんです」
僕「うんうんわかる。でもさー、君達は何でこのカレッジで単位を取らなきゃいけないの?」

学生B「何でってって言われても。。」
僕「難しいよね」
学生A「卒業して学士号をもらうため」
僕「いいね、うんうんそうだね。でもなぜ卒業したい?学士号を取って何をしたい?」
学生C「いいところに就職したい」
僕「なぜいいところに就職したい?」
学生D「お金を稼ぐため」
学生F「メイクマネー」

僕「...」
学生G「お金は大事」
僕「うんなるほど。じゃあ、君達は将来お金を稼ぐために学士号が欲しい、卒業するために全単位が欲しい、必須科目の単位を履修するためにこの『流体力学』の講義を受けている、講義を受けるために今ここにいる」
学生D「はい」
学生F「違いますか?」
僕「違うね」

Engineering Scientist/地球環境学者/『撃てない銃』開発者bit.ly/gun_mn /日経新聞SDGs起業家の8人bit.ly/mngun /工業デザイナー/NY市立大学@CUNY学科長&准教授/@columbia博士/ライブ配信 bit.ly/ooh_m

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  2. マサトがっかちょー🇺🇲Masato R Nakamura
  3. 2021/02/11 10:30:54 公開
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