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「2019年7月のTweetだけど。訂正し...」、@takeonomado さんからのスレッド

2019年7月のTweetだけど。訂正しなければならない。この数年のDNA考古学の進展は、新石器時代から青銅器時代の人類文化の全貌を驚くべき正確さで明らかにしつつある。

過去300年かけて築かれて来た膨大な考古学的成果が、オセロのコマが裏返るように激変する瞬間、私達は今まさに立ち会っている。

武器はDNA考古学だけじゃない。炭素14による年代測定法は縄文土器の履歴を7千年ほど過去に戻したけど、それ以外にも他の放射性同位元素も使い「物質の時間軸的な指紋」が精密に測定できるようになってきた。

ストーンヘンジ近くにBC2400年頃に埋葬された「Amesbury Archer/アームズベリーの射手」と呼ばれる遺骨は、歯に残る酸素同位体(炭素14ではなく)から、出身地は中央ヨーロッパ、アルプスあたりと推定されている。生育した地域で摂取した水分が歯に蓄積し、それは地域ごとに違った指紋を持つから。

新石器時代、BC3100年頃に建造されたストーンヘンジは、その後色々と修復され青銅器時代まで千年に渡り聖地としてヨーロッパ中から巡礼者を集めたという説がいきなり真実味を帯びてきたり。

新石器時代、BC3100年頃に建造されたストーンヘンジは、その後色々と修復され青銅器時代まで千年に渡り聖...

シーザーのガリア戦記に「(ヨーロッパの)ケルト人はモナ島(現在のイギリス、アングルシー島)の聖地に修行する」という記述があるが、それは新石器時代、青銅器時代を通じた、ヨーロッパからブリテン島への憧憬の記憶が根底にあったのかも知れない。

(反駁する論文もあり激論の真っ最中だが、あえて)
デンマークのEgtvedに埋葬された少女。BC1370年に亡くなった時は18歳前後。南ドイツで生まれ、Egtvedへ旅し、最後の3年間は往復していた事が歯や髪の毛に含まれる酸素同位体から分かった。
(デンマーク国立博物館)

2010年、スヴァンテペーボがネアンデルタール人のDNAを解析し、現生人類との交雑を証明し、2019年にはAlissa Mittnikが150人近くの古代DNAを解析し、南ドイツ、青銅器時代の650年にわたる権力構造と家族関係を解析している。

Alissa Mittnik、この発表はDNA考古学の現状を知る最高の教材でもある。
youtu.be/syej3SWtRlI
そして考察の元になったデータは誰でもWebからExcel形式でダウンロードできるとか。

興奮を抑えるのが難しい。
「BC2000年〜に埋葬された人々のDNAから、家族関係、権力構造を明らかにする。」
考古学は10年前とは全く別の科学へと変貌を遂げたようだ。こんな瞬間は科学史上でも滅多に無い。

Alissa Mittanikの家族関係の解析から「男性集団が定住者で、女性集団が離れた地域からやってきた」という事実も判明している。「古来、女性は家を守り、男性が冒険する」みたいな「何となく信じられていた定説」を一瞬で吹き飛ばすとか、痛快すぎて笑ってしまう。

フランス人シャンポリオンがロゼッタストーンを読み解いた時に、古代エジプトは霧の中から蘇った。

チェコ人フロズニーは百年前にヒッタイト楔形文字を解読し、当時は謎の民族であったヒッタイト人の歴史も霧の中から蘇った。文字として残る最古の印欧語族という事実は、比較言語学だけでなく青銅器時代ヨーロッパの民族形成を知る鍵として、現在さらに熱く研究が進む。
(アンカラ文明博物館)

DNA考古学を筆頭に、C14以外の様々な同位体元素の精密な測定、水から金まで(water to gold)様々な物質の詳細な地理的マッピングとの照合。これらは考古学にとって未解読の文字を解読したのと同等以上の情報をもたらしている。

「文字を持たない民族は蛮族」
「文字記録が消えると暗黒時代」
総合最先端科学に変貌した考古学が、この10年で明らかにしたのは、ギリシャ・ローマ時代以降ずっと続いた、この歪んだ歴史観の終焉である。
=おしまい=

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  2. m-take
  3. 2021/02/21 10:50:39 公開
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