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「こんにちは、院長の松本です。先...」、@matsumotoclinic さんからのスレッド

こんにちは、院長の松本です。先日当院の患者で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された方が初めておられたのでここで報告したいと思います。何か参考にしてもらえれば幸いです。COVID-19と診断されたのは20代の男性の方で、クローン病で当院で漢方治療していた方でした。

年末から38度台の発熱が認められたため、近医受診されたところ新型コロナの疑いがあるとのことで、PCR検査ではなく抗原検査をされたそうです。結果陽性であることがわかり、COVID-19と診断され、2週間の隔離生活(最初の数日は自宅、残りはホテル)を余儀なくされた、とのことでした。

患者曰く、発熱は38度台が数日続いたあとは37度台が年明けも1週間ほど続いたが、その後は平熱に戻ったとのことで、発熱以外に目立った感染症状はなかったということでした。ただ、基礎疾患としてクローン病があり、落ち着いていた症状(血便)が発熱後に出現し、今もダラダラ続いているとのことです。

ご存知の方も多いと思いますが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、スパイク蛋白がACE2(angiotensin-converting enzyme 2:アンギオテンシン変換酵素2)に結合することによって宿主(ヒト)の細胞内に感染するウイルスであるとされています⬇️

cell.com/pb-assets/prod…

SARS-CoV-2 Cell Entry Depends on ACE2 and TMPRSS2 and Is Blocked by a Clinically Proven Protease...

SARS-CoV-2 Cell Entry Depends on ACE2 and TMPRSS2 and Is Blocked by a Clinically Proven Protease...

The recent emergence of the novel, pathogenic SARS-coronavirus 2 (SARS-CoV-2) in China and its rapid national and international spread pose a global h…

sciencedirect.com

そして、このACE2受容体を発現している肺胞上皮細胞、血管内皮細胞、肝担菅細胞、胃食道上皮細胞、小腸大腸粘膜細胞、腎細胞(近位尿細管)などにSARS-CoV-2は感染しやすいということが示唆されています⬇️
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15141377/

Single cell RNA sequencing of 13 human tissues identify cell types and receptors of human coronav...

The new coronavirus (SARS-CoV-2) outbreak from December 2019 in Wuhan, Hubei, China, has been declared a global public health emergency. Angiotensin I converting enzyme 2 (ACE2), is the host receptor...

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

また、SARS-CoV-2受容体であるACE2は、腸内粘膜細胞に高発現しており、SARS-CoV-2がこの腸内粘膜細胞内で容易に増殖し感染性ウイルス粒子を産生することが実験的にも確かめられています⬇️

SARS-CoV-2 productively infects human gut enterocytes

Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) causes an influenza-like disease with a respiratory transmission route; however, patients often present with gastrointestinal symptoms...

science.sciencemag.org

さらに、実際のCOVID-19と診断された患者と、クローン病など炎症性腸疾患患者の免疫応答に関わる遺伝子発現パターンが、両者で類似しており、重複・交差する部分があるということが実験的に示されています⬇️

Intestinal Inflammation Modulates the Expression of ACE2 and TMPRSS2 and Potentially Overlaps With...

The presence of gastrointestinal symptoms and high levels of viral RNA in the stool suggest active severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) replication within enterocytes.

gastrojournal.org

これらのことから、SARS-CoV-2がその受容体であるACE2を高発現している腸管粘膜細胞に感染を引き起こした際に、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患患者においてはその症状(下痢や血便など)が増悪する可能性が示唆されます。

実際に冒頭で紹介した患者も、SARS-CoV-2感染後にクローン病の症状が増悪したと考えられます。しかし、症状が増悪したとは言え、血便が少量出現する程度です。20代の若い方で免疫抑制剤などは使用せず、漢方治療のみで経過をみていた方だったので、重症化はしなかったと言えるのかもしれません。

しかしながら、これまで高齢者のIBD患者においてCOVD-19を発症した症例(ただし、PCR検査では本当にCOVID-19であるか怪しい)は、入院率・ICU管理率・人工呼吸器導入率、かつ死亡率が高くなる傾向が認められており、実際にそのような症例が報告されています⬇️

A fatal case of COVID-19 pneumonia occurring in a patient with severe acute ulcerative colitis

Since December 2019, a novel coronavirus referred to as SARS-CoV-2 (severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)1 was identified as the causative agent of a respiratory syndrome named COVID-19.2...

gut.bmj.com

また、高齢者でなくてもIBDの活動期にある方で標準治療を受けている症例では、SARS-CoV-2に限らず感染症が重症化する可能性が高く、実際にこのような患者への全身性ステロイド・チオプリン製剤・生物学的製剤治療中の患者はCOVID-19重症化のリスクが懸念されています⬇️
jpn-ga.jp/wp-content/upl…

特にこれらの薬剤を複数使用している場合には、COVID-19に限らず感染症症状を重症化させるリスクが上昇する可能性があるために、免疫抑制作用のある薬剤を複数使用している活動期のIBD患者は特に注意が必要です。担当医(専門医)と相談の上、できるだけ早期に減量していけたら良いと思います。

最後に重要なこととして、今回の症例は不確実なPCR検査ではなく、抗原検査(おそらく富士レビオの「エスプライン」)で陽性と判定されており(これでも確実な検査とは言えないかもしれませんが)、今のところはその信憑性はPCR検査よりも格段に高いと当院では判断しております。

ですから、もし何か感染症状が出現し、各医療機関で検査してもらいたいと思うのであれば、まずPCR検査を行うのではなく、できれば抗原検査をしてもらえる医療機関に受診してみることを個人的にはお勧めします。

ただ、もしCOVID-19と診断された場合、今でも2週間は隔離になると思いますが、無症状者が感染を広げるというハードなエビデンスはないため、これは過剰な対策であると考えています。健常者ではほとんど重症化しないですし、自宅療養で十分で、感染症状が落ち着けば本来は2週間も隔離する必要はない。

もし感染症状がさほど強くなく、発熱や倦怠感・頭痛程度で、医療機関に受診して無駄にCOVID-19と診断されたくなければ、おとなしく自宅療養しながら感染症状が治まるのを待って、何か非典型的な症状や強い感染症状が生じた時のみ医療機関に受診する、ということで十分だと当院では考えています。

高齢者や基礎疾患がある方の場合には、もし担当医がいるのであれば、感染症状が出現した時にどうすれば良いかその相談してみると良いでしょう。ただし、もしCOVID-19と診断され入院ともなれば、家族にも友人にも会えず、ただ孤独に耐えながら過ごすことになりますが(さらに免疫力低下の可能性あり)。

以上、当院の患者で初めて診断されたCOVID-19症例をご紹介しました。SARS-CoV-2感染後にクローン病が増悪した可能性が高い。いずれにせよ20代と若い方で、もともと基礎疾患は落ち着いていたこともあり、重症化までは至っていません。このまま経過観察で十分と考えられます。

当院の患者におかれましては、もし各医療機関で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された場合は当院までご報告いただければと思います。できれば他医療機関に受診する前にご相談いただければどうすべきかをお伝えいたします。以上につき、周知いたしますのでよろしくお願いいたします。

当院では、#アレルギー、#アトピー、#気管支喘息、#膠原病、#自己免疫疾患、などの根本治療、#糖尿病、#脂質異常症、#高血圧 など 生活習慣病の生活指導、#がん、のセカンドオピニオン、婦人科系疾患やその他慢性疾患に対する漢方治療相談など、幅広く診察しております。上記疾患でお困りの方は当院までお気軽にご相談ください!!

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  2. 医療法人聖仁会 松本医院
  3. 2021/02/23 07:52:54 公開
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