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「今日はマレーシアと北朝鮮の国交...」、@Malaysiachansan さんからのスレッド

今日はマレーシアと北朝鮮の国交断絶について書きます。日本でもニュースになっていますが、その多くは極めて表面的です。当方はマレーシアの港湾で会社を経営している事から、地元の有力者や行政からも情報があります。この深層を考察していきたいと思います。長文お付き合い頂ければ幸いです(1/16)

さてマレーシアと北朝鮮は古くから良好な関係だった訳ではありません。特にマレーシアでは1966年の社会法の制定に基づき、共産主義自体が犯罪と定められています。よって国家運営の主義が大きく異なる事から、長い期間疎遠な状態が続いていました(2/16)

状況に変化が生じたのは2009年以降です。マレーシアではナジブ氏が首相に就任すると、政権は親中になります。この当時中国と北朝鮮の関係が良好であった事から、結果的にマレーシアと北朝鮮との距離も非常に近くなり、文化的交流が再開します(3/16)

例えば2009年には両国間でビザなし交流が可能になりました。また2013年には金正恩氏が、マレーシアのHELP大学から名誉学位を受けています。そして両国の関係は文化的交流だけでなく、経済的交流にも繋がっていきます(4/16)

一例として、北朝鮮からマレーシアへの輸出は、2012年の時点で年間わずか約3万円しかありませんでしたが、それが2016年には2億円以上にも跳ね上がります。そして2017年になると石炭やコールタールの輸出計画も始まり、この年の3月には、何と約20億円の輸出計画の契約が締結されます(5/16)

ところがこのタイミングで金正男氏の殺害事件が起き、両国の関係に亀裂が入ります。マレーシアは北朝鮮からの輸入をストップし、北朝鮮の労働者のビザの更新を認めず、国外追放にします。これ以降、北朝鮮とマレーシアとの間に文化的・経済的交流は殆どありませんでした(6/16)

しかしナジブ氏の後に首相になったマハティール氏は、北朝鮮との関係回復を試みます。特にアメリカと北朝鮮の間に入って交渉の仲介役を申し出る事もしました。結果的に関係は幾らか改善し、2020年1月には、在マレーシア北朝鮮大使館が再開されるという発表がされるにまで関係は改善しました(7/16)

そしてその中で今回の国交断絶が生じました。最も大きな理由はマネロンの疑いが着せられた北朝鮮市民を、アメリカの要請に従っての引き渡しに同意した事でした。北朝鮮からすると、マレーシアがアメリカ側に加担したと判断し、国交断絶という結論に至ったという見方が強い様です(8/16)

北朝鮮側の真意は分かりませんが、一方のマレーシア側からすると、今回の国交断絶の痛みは殆ど無い状況です。何故なら既に2017年の時点で貿易はストップしていましたし、何よりも「今後はマレーシアはマネロンを許容しない」という姿勢を国際社会にアピールできた為です(9/16)

でもこれによりマレーシアがアメリカに追従したかというと、これは全く異なります。そもそもマレーシアという国は、どの時代も大国と絶妙な距離を取りながら、独自の立ち位置を保ってきました。冷戦中はアメリカとソ連、現在は中国・インド・アメリカなどと付かず離れずの距離を保っています(10/16)

マレーシアにとってのアメリカは、日本にとってのアメリカとは異なり、地球の裏側の遠い大国に過ぎません。例えば大統領選のニュースも日本に比べれば遥かに注目されませんでした。それよりも中国との関係の方が密接であり重要で、中国関連のニュースを毎日目にします(11/16)

前述の通り、マレーシアはナジブ政権の時期は親中の姿勢を示していましたが、その後マハティール政権になり中国とは距離を置く姿勢を取りました。しかし現在のムヒディン政権は再び親中の姿勢を見せ始めています。いずれの場合も自国の利益を天秤に掛けながら、最善の距離を取ろうとしています(12/16)

一方の北朝鮮は、米国との関係に加えて中国との関係まで近年悪化し、四面楚歌の様な状態に陥っています。そしてここに来て、比較的関係が良好になってきていたマレーシアとの関係まで絶ちました。正に暴走している状況です。そしてこの暴走レベルは、コロナ前と比べて明らかに加速しています(13/16)

ちなみにマレーシア国民からすれば北朝鮮は物理的な距離もあり、ミサイルも飛んでこないので、取るに足りない極東の小国です。今回の断交も国民の生活には何ら影響を与えません。でも日本は状況は異なります。ミサイルは届きますし彼らが本当に暴走すれば、日本国民に実害が及ぶかもしれません(14/16)

それで結論ですが、日本は北朝鮮とマレーシアの断交を「外国同士の揉め事」として甘く見ない方が良いでしょう。北朝鮮は明らかに追い詰められており、常軌を逸した行動を取っています。私はマレーシア在住で大きな影響は無いのですが、日本在住者にとっては非常に大きなリスクかと思います(15/16)

私は政治的には中立の立場なので、今の日本の政権の北朝鮮に対する姿勢を批判も称賛もしません。一方で日本のカントリーリスクがかつてなく高まっているのは間違いないと思います。日本にお住まいの皆様には、是非この点にご留意頂ければ幸いです。長文お付き合い、ありがとうございました(16/16)

香港・マレーシアでコンテナリース会社を経営。マレーシア在住。コロナ前は世界の港へ出張し、年50回国際線搭乗、シンガポール航空PPS最上級会員。しかし贅沢を忌避し、田舎で清貧に暮らす変わり者。体型はモデル、頭髪はハゲの40代前半。政治的には完全中立。極端な方はブロックします。仕事の詳細はnoteをご覧頂ければ幸いです。

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  2. ちゃん社長
  3. 2021/03/21 21:00:17 公開
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