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「善意は分かるんだけど、これ本当...」、@yorinobu2 さんからのスレッド

善意は分かるんだけど、これ本当にダメです。憲法や人権という自然には身につかない思考法ないしシステムなので、無理やり自分の理解しやすい内容に貶めてはなりません。対等な個人同士の約束なんて言ったら、途端に檻の中のライオンに噛み殺されますよ!憲法は権力という猛獣を躾けるためのものです。

昨日紹介した辻村先生のインタビュー冒頭にあるように、「人は皆平等で自由だ」って立派な人権宣言と憲法ができたとき、「じゃあ女も自由で平等ですよね」って言ったらそれだけでギロチンで首を切り落とされたんですよ。国家と権力とか歴史的事実を無視した憲法論は心地よいけど、それは阿片のように

民主主義を蝕み、権力の暴走を許します。憲法はみんなの約束ではなく、総理や知事や議員ら公僕がこの国のオーナーである僕ら市民国民に対し「この通り働くから雇って下さい」と約束した雇用条件です。この主従関係を隠すとえらいことになります。

憲法や人権を語るときに現実を覆い隠す手法は日本では本当に根深くて、子どもの権利条約関連の文献でも「子どもにはこんな権利があります」と抽象的に書くだけで、子ども自身がその権利を使って国家や社会をどのようにコントロールできるのかをあえて触れないものが多い。

アメリカでは子どもたちは、憲法改正しても人種差別はなくなるどころかジムクロウ法なる差別立法が蔓延して、それを克服するために公民権運動その他が必要だった、お爺ちゃんお婆ちゃんが若いときに大統領を躾けたんだという歴史的事実を小学校もしくはその前から学ぶわけです(州や地方によるけど)。

もしそこへ日本の大人が「人権とは誰もが生まれつき持っていて尊重されるものなんですよ」などという抽象的理屈だけの日本式人権論を持ち込んだら、子どもたちに鼻で笑われますよ。「おじさん歴史と現実を見なよ。struggleしなけりゃ人間の尊厳は確保できないんだよ」と。

国家権力の存在を無視あるいは捨象する日本式人権論の心地よさは、①抽象的な理屈だけなので歴史を学ぶ地道な作業と②権力や不正義と対峙する具体的行動を省けることから来るものです。しかしそれは権力を持っている側、特にそれを悪用しようとする側にとってとても都合の良い結果をもたらします。

何度も触れるけど、NHK「世界街歩き」ワシントンDC編に出てきた女の子がホワイトハウスを指して「あそこにいる人たちが私のために働くの」と明言したのって、僕は歴史教育に負うところが大きいと推測してます。憲法理解は具体的な歴史的事実を学んでこそ身につくものだと考えています。

僕が大絶賛してる朝日新聞のインタビュー、徹頭徹尾具体的歴史的事実しか出てこない。日本を代表する憲法学者である辻村みよ子先生の頭の中ってこうなってる訳ですよ。この膨大な歴史知識に裏打ちされて初めて憲法学という学問が成立しているのです。

ところが今のところ、専門家以外が読める本で、人類史ないし近現代史と日本国憲法の関係を解説した書籍は出ていません。だから僕はこの辻村先生のインタビュー記事を読んだときに「これこそ今の日本の市民に最も必要なものだ!」と確信したのです。書籍化を期待しています。

弁護士/大阪弁護士会/元カリフォルニア大学バークレー校客員研究員
/国際人権/国際相続/国際労務/一般社団法人スペシャルキッズサポート振興協会spkids.or.jp /特定非営利活動法人子ども療養支援協会kodomoryoyoshien.jp /柔道初段/ブラジリアン柔術青帯

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  2. 國本依伸
  3. 2021/05/03 19:21:29 公開
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