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「当方海外(香港・マレーシア)の港...」、@Malaysiachansan さんからのスレッド

当方海外(香港・マレーシア)の港湾で会社を経営していますが、今日は「ロックダウンが起きると海運・物流の現場で何が起きるか」という点を書きます。マレーシアでは6/1からロックダウンの再開が発表されています。日本はロックダウンを経験した事が無いので、長文ですが参考になれば幸いです(1/10)

まずロックダウンになったとしても、輸出入自体が止まる訳ではありません。これは世界中の船会社や港湾が、「どんなにパンデミックが深刻化しても海運は止めない」という共同宣言も出しています。輸出入は世界の血液であり、極端な話、これが止まれば世界中の人々が死んでしまいます(2/10)

よってロックダウン下でも予定通りに船は世界中の港に到着します。しかしそこから先で問題が発生します。まず港湾は人を減らしてでも動いているので、到着したコンテナを降ろす事はできます。ところがコンテナの受取先の倉庫が閉まっているので、それを届ける事ができません(3/10)

そうこうしている内に、コンテナヤードのコンテナの数はどんどんと膨れ上がっていきます。本来コンテナは一定期間無料でヤードに保管でき、それを超えると延滞料を取るのですが、受取先も閉まっているので延滞料の請求も難しくなります(4/10)

そして本当にヤードが満杯になると港湾の機能が完全に止まってしまうので、荷主に掛け合ってコンテナの出庫を相談します。そして荷主は延滞料を払いたくないので受け入れるのですが、仮にコンテナを届けてもそれを降ろす人がいないので、倉庫の前に荷物の入ったコンテナが置きっぱなしになります(5/10)

しかしそのコンテナというのは荷主の持ち物ではなく、大抵は船社か我々の様なリース会社の持ち物です。実際には次に載せる荷物が既に決まっています。しかしコンテナから荷物を降ろせないので、次の荷物を載せられません(6/10)

一方船のスケジュールは決まっています。仮に届くはずのコンテナが届かなくても船は待ってくれず、港を出港してしまいます。こうなるとロックダウン中の国にコンテナが積み上がっていきます。そして本来そのコンテナは別の国で使用される予定があった訳ですが、その国の輸出入も滞る事になります(7/10)

この様にして一つの国でロックダウンが起きると、世界中の物流が混乱する事になる訳です。遠い海外の地で起きたロックダウンであっても、物流は世界中繋がっているので、その影響が世界中に波及してしまいます(8/10)

それで結論ですが、日本の皆様には荷物の到着が多少遅れたり、商品が品切れになったりした位で怒らないで頂ければ幸いです。海運・物流業界はこのパンデミックの中で、文字通り不眠不休で戦っています。こういった遅延は不可抗力であり、その中で最善を尽くしています(9/10)

私は海運・物流業界で働く人達は文字通りフロントライナーだと思っています。彼らの働きにより世界中の命が生き長らえていると言っても過言ではありません。そして一日も早くコロナが収束し、安心して毎日を送れるようになる事を心から願っています。長文お付き合い頂きありがとうございました(10/10)

香港・マレーシアでコンテナリース会社を経営。マレーシア在住。コロナ前は世界の港へ出張し、年50回国際線搭乗、シンガポール航空PPS最上級会員。しかし贅沢を忌避し、田舎で清貧に暮らす変わり者。体型はモデル、頭髪はハゲの40代前半。政治的には完全中立。極端な方はブロックします。仕事の詳細はnoteをご覧頂ければ幸いです。

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  2. ちゃん社長
  3. 2021/05/29 08:46:52 公開
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