シェア

「インテリ李徴は「俺は文学でビッ...」、@Isuzu_T さんからのスレッド

インテリ李徴は「俺は文学でビッグになる」と言って役人を辞めたが、結局何もできずに役人に舞い戻った。かつて見下した同輩の出世を見て、何者でもないダメ中年の自分を再認識した李徴は発狂して戸外に駆け出し、馬に蹴られて死んだ。
そして、気づくと彼は異世界におり、その姿は虎となっていた。

「どうやら俺は輪廻転生したらしい。人間は前世の罪業で何に生まれ変わるか決まるそうだが、なるほど、何者にもなれまいまま妻子に迷惑をかけて死んだダメ中年はいずことも知れない蛮地の虎になるのがふさわしい。だが、であればどうして心まで虎にならなかったのか。己の罪深さを思い知らせるためか」

李徴はおんおんと泣き、それから自らの境遇と、過去への悔恨、今にして思えば真摯に自分を諌めてくれた人々への謝罪と、唯一自分の才能を褒めてくれた友への惜別の歌を読んだ。
さて、それを聞いているものがいた。たまたま近くの道を通っていた令嬢と、それを襲おうとしていた山賊であった。

山賊たちは令嬢の乗った馬車を襲おうとしていたが、虎の鳴き声をきいて肝をつぶした。
令嬢を守っていた女騎士と、いつ虎が出るかと警戒していると、吠え声はやがて詩へと変わった。切々たる後悔の詩に、いつの間にか全員が聞き惚れていた。詩が終わると再び虎は吠え、それから遠ざかっていた。

信じがたい体験をした彼らは、当初の目的も忘れて呆然とし、それから我に返って最寄りの街へと逃げ込んだ。
そして、この奇妙な虎の話をした。
しゃべる虎はそれから方々で現れた。捕まえようとした者もいたが、結局その虎は誰にも捕まらなかった。

それからしばらくの後のことである。
異世界から転生してきた勇者の一行が、虎の住む山の近くを通りかかった。
運が良ければ会えるかもしれませんよ、という住民の言葉にさほど興味を示すでもなく勇者は山道を進んでいった。
はたして、勇者の耳に虎の吠え声と、それに続いて詩が聞こえてきた。

その声に勇者は聞き憶おぼえがあった。驚懼の中にも、彼は咄嗟に思いあたって、叫んだ。

「その声は、我が友、李徴子ではないか?」

このアカウントは誰向きでもありません。発言を読んだことに起因する不快感に関して当アカウントは責任を負いかねます。フォロー・リムーブ・リプライもご自由に。挨拶不要。反応するかは気分次第です。このアカウントはエロ、愚痴、政治、アニメ実況、不謹慎ジョーク、唯一の主なる神への罵倒、その他一切の言動を自重しません。うんこ。

  1. トップ
  2. 垂木いすゞ
  3. 2021/06/10 17:57:11 公開
シェア

「すまとめ」はTwitterの長文スレッド(長文スレ)・連続ツイート(連ツイ)を1つの記事にキレイにまとめるサービスです。長文スレの最後に、「@matomesu まとめて」とコメントを付けるだけで、まとめ記事がこのように作成されます。

おすすめスレ