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「転売ヤー問題ですが、問題は「転...」、@nyaa_toraneko さんからのスレッド

転売ヤー問題ですが、問題は「転売することそのもの」ではなくて、「SNSを使った組織的な買占めで、かつITプラットフォーム上でマッチポンプで再販売価格をつり上げる行為が行われること」に焦点を当てないと、問題点がズレてしまう。これは「バーチャルな価格カルテル」問題で、新しい題材ですよ。

これが成立するのは、転売目的のITプラットフォームの利用が手軽になったために、「誰がいくらで転売したいか?」のシグナル調査が低コストになったからです。すると、少数のグループが流通量が最初から少ない商品の買占めを行うことで、転売価格のコントロールをしやすくなる。カルテルと同じですよ。

この構造は、結託することで利益を上げられる転売グループと個々人のユーザーとの取引ですから、その商品を生産しているメーカーは関係ない。だからここでの転売価格の上昇は、メーカーが次の生産を増やすシグナルにもならないし、最適な余剰配分にもなりません。

結果として発生するのは、本来のメーカーが取れるはずだった消費者余剰を、横から転売ヤーに収奪されているだけです。もちろん完全競争市場モデルにおける価格決定ともなんら関係ありません。

なんでこんなことが現役の経済学者に理解できないのかが、理解できないですよ🤔

この問題は、コモディティとしての商品の取引が、ITプラットフォーム上でバーチャル化されることで、結果として「シグナルとしての価格の提示」と「実際の商品取引のタイミング」がズレて、市場での取引が少数の転売グループ側に有利になるという、市場の失敗の実例でしょう。厚生経済学の範囲ですね。

さらにもうひとつ突っ込んでおくと、商品の先物取引にもこの傾向はあるのですが、商品先物の場合には現実の決済時期までにはポジションを整理しなければいけないという制限がある。実際に、原油を買うことになっても大方のディーラーはそれを保管しておく場所がないですからねぇ。

それに対して、この手のマニア商品の転売による利ざや稼ぎは、例えばAmazonのマーケットプレイスを利用すれば、商品の保管場所としてAmazonの倉庫が選べる。だから伝統的な商品先物取引よりも、さらにリスクが低く買い占めができる。ここまでくると、ITプラットフォームを利用したフリーライダーです。

「フリーライダーの存在は、健全かつ効率的な市場取引を阻害する」ということは、さすがに経済学者だったら判ると思う。そういう視点で見たほうが、興味深いのではないですかねぇ…。少なくとも、一般人の感覚に逆張りをして悦にいるよりは、よほど賢くみえるんじゃないかしら。

Developer Advocate - Films and Anime, UTS2 author in Unity Technologies Japan K.K., Master of Business, majored in Econometrics. This account is my private one.

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  2. 小林信行 Nobuyuki Kobayashi
  3. 2021/07/28 10:21:20 公開
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